ヨーロッパ滞在中に、日帰りで外国に行く日(OFF日)を一日だけ設けています。
1日だけのホリデーとして(でも、観光はほとんどなし!)。
2年前はフランスのパリ、1年前はハンガリーのブタペストに行きました。
そして、今年は、念願のスロヴァキアの首都、ブラチスラヴァ(BRATISLAVA)に向かいました。1000年にわたってハンガリーという巨大な国に支配され続けてきた少数派民族スラブ人の「大切」な国家。迫害や支配の繰り返しの中でようやく独立を果たした小さな小さな国。
僕が小さい頃、学校では「チェコスロヴァキア」と習いました。変な名前の国だなぁ、と思った記憶があります。
その後、スロヴァキアはチェコから独立し、独自の道を歩むことになります。1993年のことです。
スロヴァキアについては、日本ではほとんど知られていないように思います。かくいう自分も、スロヴァキアがいったいどんな国なのか。どんな文化をもっているのか。どんな歴史をもっているのか。ほとんど知りませんでした。
現在、スロヴァキアには、540万人くらいの人が暮らしています。通貨はユーロです(なので、来るのは楽)。少数派民族のロマもここにはいますし、ユダヤ人も住んでいます(今回、ユダヤの人とお話できました)。首都ブラチスラヴァの人口は41万人程度。少なっ!
見知らぬ国ですから、ドキドキものですが、結論から言えば、とても安全な国です(夜は知りません!)。ヨーロッパの中ではかなり貧しい国と聞きます。が、貧しい、というよりは、田舎町の国、という感じですかね。プラハやワルシャワやブタペストと比べると、ブラチスラヴァはとても規模が小さいです。驚くほどに首都が小さくて、驚きました。
分かりやすく言うと、スロヴァキアって、ハワイとかグアムじゃなくて、サイパンに近い雰囲気があるという感じです。サイパンに来たときに、「うわ、なんて田舎な町なんだ!」って思いました。あの感覚に似た感覚がありました。ブラチスラヴァでこの規模ですから、いったい地方の街だと、どれだけ規模が小さいんだろう、とも思いました。
さて。
ここが、中央駅構内です。中央駅ですよ。このスペースのみです。
ここを出たら、そのまま外です。キオスクみたいなお店はありますが、飲食店等はなし。
東京駅と比べたら、もう、それはそれは、、、比べ物になりません。
けど、ここがスロヴァキアの首都ブラチスラヴァの中央駅なんです。
駅構内を出ると、こんな感じです。
なんか、ごちゃごちゃしていて、外国感たっぷりです。なんか、混沌としています。
ヨーロッパの他の国とは明らかに違う「素朴さ」「田舎っぽさ」があります。
人も多くないです。ここに一番驚いたかな。とにかく人が少なくて、気持ちいいです。
日本のどこか地方の温泉町に来た感覚に近いかな?!
駅を背にしたときの風景です。
三つほど高層ビルが建っています。けど、それ以外は、、、
地下鉄U-Bahnや都市電車S-Bahn等はありません。トラムとトロリーバスとバスが走っています。タクシーはほぼ白タクらしく、乗ると、確実にぼられるそうです(が、未確認です。なんせ、乗ってないので)
バス乗り場には券売機があり、1回券はなんと0.9ユーロ。125円くらいかな。ウィーンだと、2.2ユーロだから、半額以下で乗れるわけです。物価がどれほど安いかが分かると思います。ちなみに、ウィーンから電車で1時間程度でブラチスラヴァに到着します(特急なのに、のろい電車、という)。
何やら工事中でした。駅前なのにね。
なんか、この廃墟感が、元Visual-keiにはたまらないです。そんな風景がいっぱいあります。
NEIN!の最初のアルバムのタイトルは、Bratislavaでもいいかも?!(苦笑)。ブラチスラヴァってなんかカッコいい。で、PV撮影場所もここ、ブラチスラヴァがいい。それくらい、なんか廃墟感が漂っている。好きです。
で、ここが、街の中心。建物はまぁ、こんな感じなのですが、いかんせん人通りが少ない!
これまで色んな国の都市を見てきたけど、恐ろしいほどに人がいない!
観光客らしき集団はいるにはいるけど、それでも少ない!!
そんな街の一角に、こんなポスターが。
民主化運動の「記憶」として、掲げられているようでした。
「民主主義」は、完璧でないにしても、それ以外よりはまし。民主主義が壊れれば、独裁政権や軍事政権になってしまう。その怖さをどこよりも知っているようにも思いました。ちなみに、街中の至るところに警察官が配置され、また、軍服を来た軍人も多く見受けられました。こういうのもなんですが、ものすごい軍服がきりっとしていて、かっこよかったです。が、一切笑わず、一切しゃべらず、どこかロボットのような感じでした。それが、「軍人」なのかもしれません。この数日、ずっとナチス政権についての論文を訳したり、書いたりしているので、一層、なんか怖く感じられました。
民主主義を守ることは、僕らの「自由」を守ること。(日本はまだ真の意味で民主化されていない、という意見もあります)
20年前の「静かなる革命」まで、この地は、「共産主義国家」でした。僕は、自分が育った民主主義国家ではない共産主義国家に興味がある、というか、見てみたいという好奇心があります(怖いもの見たさみたいなもの程度です)。かといって、実際の共産主義国に行く勇気もない(苦笑)。
そういう意味でも、このスロヴァキアにやってくることは念願でもありました。
こちらが、旧市街中心の「フラヴネー広場」です。
ここでようやく日本人観光客を見かけました。日本語が聞こえてきた時、思わず声をかけてしまいました(苦笑)。
けど、数時間滞在した後に、バスでブタペストに向かうと言っていました(ツアー客)。
その他、色々な国の観光客がいたように思えました。ドイツ語もちらりほらりと。
さらにドナウ川の方に向かうと、こんな展示が。。。
旧市街の綺麗な歩行者道路に、「過去」を展示するコーナーが設置されていました。
第二次世界大戦中の「知られざるヒーロー」というテーマでした。
ここもまた第二次世界大戦の渦中にあった場所ですからね。
アメリカ?の戦闘機がこの地に墜落した時の写真だそうです。
かなり過激な写真まで、展示されていました。
こうやって、「過去」を忘れさせない努力をしているのですね。
こういうストリート的な場所での展示って率直に素敵だと思いました。
さらに進むと、有名な「UFOの塔」が見えてきます。
冬のブラチスラヴァも素敵そうです!
こんな感じです。でも、どうやって上に登るんでしょう?!
真上に進むエレベーターじゃないのがあるのかな??
登っておけばよかったかも、、、(後悔)
で、こちらが、有名なブラチスラヴァ城です。ルネッサンス期に建てられたお城ですね。
時間があれば登りたかったのですが、こちらも見るだけ。
さらに、ドナウ川沿いを歩きます。
目的地は、まー、あのー、そのー、、、汗
その途中、ホテルになっている船を見つけました!
固定されていて動かないようです。揺れることもないそうです(聞きました)。
これは素敵だなぁ。いつか、老いたら、ここに泊まってみたい。
こんな「廃墟」もありました。
こういうの、やっぱり好きだなぁ。デカダントな感じがぷんぷんする。夜は怖くて近づけなさそう、、、
こういう建物が点在しているのが、東欧ですよね。あー、惹かれます。。。
ちょっと中心を離れると、こんな感じ。ドナウ川の向こうは果てしなく続いてそうな森。
そんなこんなでようやくたどりついた場所。
ここだけどこか「リゾート地」みたいになっています。
こんなところに、あれがあるなんて、、、
しかも、それが、本当に美味しくて。。。ビックリしました。また後ほど。
そんな素敵な場所で、読書を。
今回、こっちに来て、相当本が読めてます(;;)。それが何よりも嬉しい。日本にいると、本当にじっくりと本が読めないんです。それが何よりも苦痛でして。大学生の頃は、それこそ3日間全部を使って、分厚い本とか読めてましたが、今はもう絶対に無理。文系の学者は本を読んで、覚えて、暗記して、言えなければダメなのに、その時間が本当に足りない。
そういう意味で、こちらに来て、研究以外の時間に、じっくりと本が読めるのが何よりも嬉しいんです(涙)。
再び、旧市街に戻りました。SNP広場です。
変なモニュメントがありました。
さっぱり意味が分かりませんでしたが、後ろの二人の女性?が気になりました。
こちらが、スロヴァキアの「銀座」みたいなところですかね。
ショッピング向けのメインストリートです。と言っても、すぐに終わるけど。
で、向かった先は…
ふふふ♪
スロヴァキアの二大B級グルメ、「ハルシュキ(Halušky)」と「ピロヒー(Pirohy)」です。
街の至る所で食べられるのですが、ツアリストインフォメーションの人にしつこく聞いて教えてもらいました(苦笑)。
ハルシュキ、これ、ヤバいです!! ヨーグルト味のベーコン揚げ付きケーゼシュペッツレでした!!!
麺(?)は、どう考えても、シュペッツレ(ドイツのパスタ)。で、味はチーズとヨーグルト。
そこに、カリカリベーコン(これ、ベーコンじゃなくて揚げた豚背脂だと思うのですが…)が乗ります。
めっちゃ、異国の味!!!
だけど、美味しい。
ビロヒーは、ポーランドでも食べた「洋風餃子」ですね。ただ、このピロヒーは半端ないです。
皮の中身はチーズ。そして、タレもチーズ、そしてヨーグルト。いやー、ストレンジな味わいでした。
けど、これもまたいけました!完食しました!(ラーメン三杯食べた後なのに)。
かわいい教会もありました。中は結構広かったかな。
そして、最後の目的地へ。
ユダヤ文化博物館です。
スロヴァキアで生きたユダヤ人が残した貴重な文化財が保管されています。
東欧には、かつて本当にたくさんのユダヤ人が住んでいました。
時に排除され、時に受け入れられ…
その中で、自分たちの文化を守り続けました。
このブラチスラヴァで生活していたユダヤ人たちが残した貴重な文献。
これが見たかった。
ありました。「ユダヤ人の歴史」という貴重な文献。
1747年に発刊された書物です。コピーはできませんが、写真を撮らせてもらいました。
いつ読み終えるのか分からないけど、この本にたどり着きたかった。。。
ドイツ語で書かれているんですよね。今のドイツ語じゃないけど、、、汗
ユダヤ人が残した幾つもの貴重な写真です。これは墓地の写真ですよね。
埋葬とかも、キリスト教とは全然違うそうで。
ユダヤ人の博物館員さんがいっぱい説明してくれました。(客は僕と、ドイツ人夫婦一組のみ、という…)
この写真に思わず、引き込まれてしまいました。
中央の人がユダヤ人のようです。その目はどこか寂しそう、というか、陰りがあります。
その周りには、笑っている人の姿があります。きっと、そういうことなんだと思います。
このユダヤ人は、この時、何を思い、何を考えていたのか。そのことをしばらくずっと考えていました。
時間ももうありません。急いで駅に向かいます。
最後に、大統領官邸に立ち寄って。
小さい国家だけに、大統領官邸も小さいです。新しい建物のようですが、、、
これくらい小さい国家の方が、もしかしたらいいのかもしれませんね。
全てがコンパクトで。
一国の首都の官邸前なのに、ちょっと寂しい気もしますが、、、
噴水が綺麗でした。
さて、およそ4時間半の滞在を終えて、ウィーンに帰ります。
これ、駅ですよ。ホームですよ。(ちなみに、ここは中央駅から二つ行った駅です)
この電車に乗って、ウィーンに戻りました。
***
人生初のスロヴァキア。
一言で、僕は、スロヴァキアに惚れてしまいまいた。
まず、人がみんな温かい。なんか、大切にされている感じがする。小さい国だからだと思うけど、本当に温かかった。ドイツやオーストリアとは大違い(苦笑)。ドイツ語は通じないけれど、だいたいみんな英語を話してくれます。若い人たちは流暢ですが、年配の人は、あまり英語が得意ではありませんでした。なので、僕としてもちょうどいい(苦笑)。
そして、これほどまでに小さな首都ということで、驚きの連発でした。ウィーンから電車で1時間ちょっとの国ですからね。また必ずや、訪れたいと思います。とにかく素敵な場所でした。
あと、ユダヤ文化博物館で、ユダヤ人の館長さん?らしき人と、お互いたどたどしい英語で語らいました。「私たちの文化に、遥か異国の日本人が関心をもってくれるのはとても嬉しい。日本人はほとんどやってこない。私たちも日本の文化を尊重している。とても素晴らしい文化をもっています。私たちユダヤ人は、この国でも少数派です。本当に少数です。けれど、今もこうやってここで生きています。私たちは、自分たちの文化を残す責任があると思っています。是非また来てください」。そして、最後にポストカードを買おうとしたら、「プレゼントします。これも持っていってください」といって、貴重なポストカードや写真やパンフをたくさんいただきました。(学生たちにあげようっと)
あと、そろそろ、ドイツ語圏じゃない国のまわり方も分かってきた感じがします。
大事なのは、英語と度胸。今の時代、(僕的には認めたくないけど)英語がすべて。英語ができれば、あと英語を話す度胸があれば、どこでも旅できます。巧くなくていいんです。英語でかかわろうとする努力(それとその国の言葉でかるい挨拶をしようとする努力)をすれば、必ずみんな分かってくれます(分かろうと努力してくれます)。
英語がすべてじゃないけど、英語ができれば、ある程度までどの国の人とも話し合えます。それって、何よりも刺激的です。それ以外の言語を習得していればなおさら世界は広がると思います。
本当に、今日は慌ただしくも、濃すぎるくらいに濃い一日でした。
Majte sa dobre!!!
Ahoj!!!