Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

あったらいいなと思う次世代のラーメン(妄想編)

≪2010年2月4日の記事です≫

この数年、圧倒的な人気を誇る「二郎系ラーメン」。大量の野菜と背脂と豚とニンニクがウリで、安くてボリューム満点。それから、青葉進化系ともいうべき濃厚魚介豚骨進化系。今は、「どろ系」と言われたり、「またおまえもか系」と言われたりする。濃厚な豚骨スープに、これまた濃厚な魚介(主に鰹、鯖など)が合わさるスープ。さらには、ベジポタ系と言われる野菜をポタージュにした濃厚ラーメンや、鰹や鯖じゃなくて、煮干しでがっつり攻める濃厚豚骨煮干しも人気が高い。

また、この濃厚ムーブメントのアンチテーゼとして生まれたのが、今年流行りになると言われている「淡麗系」、「ネオあっさり系」だ。らあめん元の台頭によって、新たな動きを見せようとしている。(というか、何者たちかがそういう風にもっていこうとしている) このトレンド路線に乗るのは、お店を長く続ける上でそれなりに大切。流行を追いかけておけば、とりあえずお客さんは食べてくれるから。一つの流行が去ったら、また新しい流行に乗ればいい。割り切れば、流され流されやっていけなくもないだろう。

ただ、僕的には、「そこならではの一杯」というのを求めちゃう。ラーメンには「枠組」がない。そこがラーメンの魅力だと思う。簡単に言えば、なんでもあり。創造性が問われる料理なのだ。歴史から見ても、「革命」の連続だった。

醤油、豚骨、味噌、魚介醤油、濃厚豚骨、油そば、つけ麺、、、そのつど、時代を動かし、人を驚かせ、そして発展してきた。きっと味噌のラーメンなんて、最初に食べた人は驚く以外になかっただろう。

だけど、最近は、ラーメン店主が新たな味を生み出すというよりも、評論家たちがトレンドを示し、それに店主がのっかる、という構図が作られすぎていて、少し違和感を覚える。トレンド自体が生じるのは世の常ではあるが、それをメディアや評論家が意図的に作り出すことに違和感がある。メディアや評論家の権力が強まるということは、ラーメン店主さんたちの独自の発想や創造性を無化することになる。ラーメンを作るのは店主である、そういう意識を奪うことになる。だからこそ、常に店主さんも自分で考え、自分で探求することが大切なのだ

とか、なんとか、いいながらも・・・

kei的にあったらいいなと思う次世代のラーメンを妄想します。

妄想こそ、新たな創造のきっかけとなる(はず)。ラーメン店主さんはできれば妄想的な方がいい。妄想は、空想、イメージ、ファンタジー、理想に近い言葉だ。存在しないものを描く知的な作業だ。

気休め程度に読んでいただければ幸いです☆

①玄米茶風味のあっさりつけ麺

玄米茶の風味を存分に生かしたつけ麺ってすごく美味しいんじゃないかな。お茶系ラーメンは、僕的には絶対イケると思っているんだけど、まだまだそんなに出てきてない。玄米茶+ラーメンっていいと思うんだよな。玄米茶を飲んだ瞬間のあの香ばしさをなんとかラーメンに生かせないものか。
庄ので、一度限定の玄米茶風ラーメンがでてますね。冷やしですね。

②アボガドトロトロラーメン

アボガドって、僕は普段サラダにして食べるのが好きなんだけど、あのねっとり感、まったり感をラーメンに応用できないか。アボガドの使い方次第では、新たな味になるんじゃないかな、と。ただし、スープとして使うのは非常に難しいと思う。それでも、ヘルシー志向と濃厚志向を合わせた食材だけに面白いはず。
アボガドラーメンサラダというのは結構あるんだけど、、、)

③グラーシュラーメン

ハンガリー由来の欧風スープをラーメンに応用できないか。言ってみれば、ビーフシチュー風の濃厚ラーメン。
デミグラスソースだとラーメンにしにくいと思うが、グラーシュならもともとスープなので、アレンジしやすいはず。
ハンガリー風ラーメンというのがあっても面白い。イタリアンラーメンよりも、はるかにユニークなラーメンになるはず。まだまだ、ラーメンの洋風化は色々できるはず。日本人はまだまだ洋風=イタリアン、フレンチに縛られていると思う。
あった。ハンガリアングラーシュラーメン@春日部・・・(汗)

④野沢菜&たくあんのお漬物ラーメン。

個人的に食べてみたいのが、お漬物をうまく使ったラーメン。塩分が高めになると思うけど、まー、それはそれとして(汗)野沢菜をうまくつかった料理に「めはり寿司」がある。野沢菜って使い方次第でどうにでもなるんだなぁ~っていう。また、漬物にはすごくたくさんのバリエーションがある。漬物とラーメンをうまく合わせれば、面白いラーメンができそう。
諏訪に、野沢菜を練りこんだ麺のラーメンがある!!
(でも、野沢菜そのものの美味しさを表現してほしいところ)

⑤ドリア風ホワイトつけ麺

ホワイトソースと麺をオーブンでこんがり焼きあげて、それを濃厚なつけ麺でたべる、と。これは美味しいと思う。似たような試みは「まんぼぉ」で昨年試みられたが、あれは美味しかった。麺だけ食べれば、グラタン風。つけ麺にするとホワイトつけ麺。これは僕的に是非いつか食べてみたい!!
(でも、これは手間ひまかかりすぎ、、、かも)
*でも、「ラーメンドリア」のレシピがあった(汗)しかも・・・

⑥ヤンソン氏の誘惑ラーメン/つけ麺

これで、反応した人は立派なスウェーデン通!これはベジポタ系の進化バージョンとしてありなんじゃないかな、と。アンチョビー風のポテトグラタンをポタージュにして、風味豊かなグラタンテイストのトロトロラーメン。考えただけでも、よだれが出てきそう☆
(ヒントはこちらのブログにあります、かも)

⑦昆布をフルに使用した濃厚昆布ラーメン。

昆布はラーメンのダシに使用されるポピュラーな食材。でも、いつもいつも昆布は脇役で終わっている。
昆布を思いっきりフューチャリングしたラーメンがあってもいいはず。昆布ダシをうまく生かしたラーメンがあったら是非食べてみたい。(これは前々からkei的に主張しているアイデア☆)
(ただし、一度大失敗をしているので、活動休止中(苦笑)

⑧ケバブラーメン(トルコラーメン)

トルコ料理の定番ドナーケバブ(ドネルケバブ)を使ったラーメン。なんとなんと、郡山にありました。ケバブラーメン。。。
まんじ@郡山、だそうです。
これは今後色々可能性がありそうな気がする・・・

⑨バナナラーメン

かつて一条さんも試みたような。。。バナナとラーメンっていうのは、あんまり存在しないみたい。ただ、食べたいかと言われると、、、ちょっと微妙かも。ただドイツには焼きバナナという食べ物があって、その香ばしさはラーメンに応用することもできるかも。。。

⑩リンゴスープ風ラーメン

欧州にはリンゴスープがあるので、それを応用しても・・・でも、あんま食べたくないかな~・・・
こちらのお店でリンゴスープを食べました

ラーメンってすごい食べ物だ。どれだけ発想してみても、既にそれを試しているお店がある。まさかケバブラーメンなんて、あるとも思わなかった。ラーメンと創造性ということを考える上でも、こういう妄想をして、ネットで調べてみるのも悪くないですね。妄想から始めよう!

≪追記≫2010年12月12日

10か月前に書いた記事ですが、今もまだ通用する文章じゃないかなって思いまして。

この1年間、ラーメン界はかなり厳しくなっているように思います。というか、新しいアイデアが出なくなっています。「出尽くした感」がかなりあります。

でも、こういうときこそ、柔軟な思考が求められると思うんですよね。ありとあらゆる可能性を想定しつつ、自由に遊びながら、創作する。ラーメンっていうフレームであれば基本的にはなんでもいいはずなんです。

『またお前もか系』や『淡麗系』という枠から外れていくこと。二郎系や六厘舎系や家系といったブランドから逸れていくこと。鶏白湯、牛骨、ドロ煮干しといったメディアが作った流行を敢えて追わないこと。(その一翼を担っているのがこのブログでもあるんですが、、、汗)

流行やブームの後は、本当に大変です。どのジャンルもそうですが、爆発的ブームの後は緩やかな停滞~低成長を迎えます。今から、また再びラーメンブームがどかんとくることはしばらくないと思います。

でも、そういう時期だからこそ、遊びと創造力と柔軟性が問われると思うんですよね☆ それから、あらゆる調理技術、調理法、食材に関する知識と経験が☆

もっと面白いラーメンないかなー。 もっと変なラーメンないかなー。 もっと強烈でド派手なラーメンはないかなー?!

≪追記≫2011年09月2日

もともとは2010年2月の記事ですが、このテーマはコンスタントに考えられるテーマなので、掘り起こします。この10カ月の間に、僕自身の考えが変わってきた気がする。

あったらいいなぁと思うラーメンについて考えることの意義については変わりませんが、「奇抜なもの」はいらない、という結論に今は至っています。バナナ、リンゴのラーメンなんて、いらない。食べたいと思わないから。食べたいと思えるようなラーメンじゃなければ、ただの「イロモノ」で終わってしまう。大胆にいえば、イタリアンラーメンなんて、正直なくてもいい、と思うようになった。イタリアンが食べたいなら、イタリア料理店に行けばいい。散々、イタリアンテイストのラーメンを食べてきて、一つの結論が見えた気がする。ただ、大阪の信濃路のようにトマトを使いながらも、ラーメンの領域に留まる味ならいい。けれど、味は劣化イタリアンで、麺がラーメンの麺だけ、というお店が多すぎた。

だから、僕的には、上の①と④と⑦を合体させたものが一番いいかな、と。昆布ダシの野沢菜付きの玄米茶風ラーメン/つけ麺。これなら、素直に食べたいと思うし、日本人ならたいていみんな好きな味だと思います。その「食べたい!」と思えるような新ラーメンじゃないと、ダメなんだな、と。

考えたら、醤油にしろ、味噌にしろ、塩にしろ、鰹節・鯖節・煮干し・あごにしろ、日本人が大好きな調味料ですよね。みんなが好きな味の調味料、みんなが好む味わい、それがラーメンに反映されてこそ、新しい次世代のラーメンなんだと思うんです。ラー油にせよ、お酢にせよ、ニンニクにせよ、生姜にせよ、やはり味の刺激となる要素がそれに加わると、バリエーションが倍増するわけで。それに、どのようなトッピングを加えるか。トッピングはあくまでも麺とスープをより美味しく、楽しく、飽きさせずに食べさせるための小道具である。あってもいいけど、なくてもラーメンとしては成り立つ。だから、根本的には、調味料(タレ)、刺激要素、トッピングの融合体としてラーメンを考えて、いかにみんなに「食べたい」と思わせ、かつ、「新しい」と思わせるか。それが、次世代のラーメンを作るための条件なんだと思う。

とするなら、調味料をかたっぱしから見ていけば、新しいラーメンの可能性が見えてくるかもしれない。ネットというのは便利で、すぐにカタログ・辞典が見つかる。

http://spice.kh23.com/flavor/

このサイトには、あらゆる調味料の知識が掲載されています。が、これを見ると、なんかもうありとあらゆる調味料がラーメンで既に使われているなぁ、と思い、少し愕然とします。使える食材はもはやみんな使い尽くしている、というか、使い切っている、というか。音楽と一緒で、もうあらゆる手段が試されて、奇抜なものしか出てこない、そんな感じさえします。(その中で、しょっつるはまだまだ可能性がありそうな…。魚露(ユイルゥ)というのもなかなか惹かれます)

が、そういう時こそ、知恵、工夫、創造、開発のチャンスです!!

みんなが好きな食べ物はなんだろう? そこから始まるかもしれないし、自分が食べたいものって何だろう?という問いから始まってもいいでしょう。奇抜ではなく、みんなが大好きで、食欲がわいてくるもの。例えば、カレーラーメンなんていうのは、たまらないわけですよ。どっちもみんな好きだから。ラーメン以外の大好きなもの+ラーメンという融合がいいわけで。

たとえば…
●お好み焼きラーメン/もんじゃなラーメン
●タコスラーメン
●シチューラーメン
●焼き鳥風味のラーメン
●オムラーメン(オムライス+ラーメン)
●肉じゃがラーメン

ヘタをしたら、ゲテモノになってしまうけど、成功すれば、かなり話題になるのではないかな、と思います。失敗は成功のもと、です。色んなラーメンにチャレンジすることは、次世代の王道を作るためには必要不可欠なことですよね。

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