フルーツと冷やし中華を融合したら・・・ フルーツ冷やし(850円)
毎回、ハイレベルの『限定』を提供している和屋で、この夏も奇想天外な限定メニューが出ている。今回は、千葉ウォーカーの企画で、「オリジナルの冷やし中華」というテーマで取り組んだ渾身の一杯だ。
「遊び」好きのご主人、今回は、フルーツと冷やし麺の融合を目指している。フルーツの冷やし麺なんて聞いたことがない。えにしの冷やし麺は若干フルーツを使っているような感じだったが・・・ だいたいフルーツの冷やし麺なんて美味しいのだろうか?しかも、話によると、グレープフルーツをメインにした作品とのことで、余計イメージできなくなる(苦笑)
この冷やし麺、作るのもたいへん。まず、透明な平たいお皿にタレを入れて、グレープフルーツを半分絞って、種を除いてそこに入れる。そこに緑色の翡翠麺(ほうれん草を練りこんだ麺)を投入。軽く合えた後、厚みのあるローストビーフを4,5枚並べる。トマトを乗せる。その上に、海老、バナナチップ、クコの実の入った梅ゼリーを丁寧に乗せる。水菜をトッピングして、完成!
ここまで飛びぬけた冷やし麺は見たことがない。ヴィジュアル的には本当にすごく美しい。経験豊富な伊藤さんならではの一作と言えるだろう。見てビックリ食べてビックリだ。味も、これまた驚くほどの逸品。「わざわざ」グレープフルーツを搾って入れたのにも納得。果肉をわざと残すことで、のど越しのよさを演出する。酸味だけじゃなくて、甘みが強調されている。梅ジュレと麺の相性も抜群。ヒンヤリ冷たくて、ほんのり酸っぱくて、かすかに甘くて、フルーティー。これだけだととても淡白なのだが、そこにローストビーフを加えることで、食べ手の満足感/満腹感が一層高まるのだ。
これまでの限定麺より、より繊細で大胆な一杯となっていた。これで850円とは大満足だ!!!
ただ今日はとっても空腹だった僕は、ついでにといっては何だが、久々に『新味』も食べてしまった・・・(メタボ一直線・・・)
久々に食べた新味は、突き抜ける美味さのほどばしる魚介豚骨ラーメンだった。そこらの魚介豚骨とは一線を画す和屋ならではの魚介豚骨にやはりノックダウン。都内じゃ、腐るほどある魚介豚骨。最近は魚の粉末を強調したザラザラスープが主流となっていて、なんかもう行き過ぎているような感じさえする。だが、ここの『新味』は、そういう派手さを抑えつつも、しっかり魚介の味を感じさせるパンチのあるスープに仕上がっている。その奥深さは、タレにもスープにも表れていて、思わず感嘆の溜息がこぼれてしまう、そんな一杯だった。
最近、和屋はかなりの賑わいを見せている。色んな条件があってのことかとも思うが、このところ、新しいお客さんも時おり見かけるようになった。着実に支持者を集めつつある。和屋にとっては、これからが本当の闘いなのかもしれない。実力は確かなのだから、今後より多くのお客さんから愛される本当の大人気店になるためにも、これからが本当の勝負!となるだろう。これからもずっと応援していきたい。