ヴィジュアル系の歴史の中で、最もヴィジュアル系らしいスタイルやサウンドを貫きながらも、表舞台に登場しなかったバンド、それがシルバーローズかもしれない。
このバンドは、90年代の前半に活動していたバンドで、その当時のシーンを知る人だったら、知らない人はいないだろう。インディーズながらに、数々のワンマンライブを展開し、全国的にも人気があった。にもかかわらず、メジャーに行く前に解散してしまった。クラブチッタの解散ライブは、涙なしでは見ることができなかった。
シルバーローズは、当時の音楽シーンのよいところをすべて吸収して、それを自分たちなりに昇華できていた稀なバンドだった。このバンド以降、名古屋のヴィジュアル系シーンが注目されて、黒夢やスリープマイディアやディザイや雫...などが登場することになる。でも、名古屋系のパイオニアはなんといってもシルバーローズの他にはいない。
このアルバムは、シルバーローズの代表曲がつまったベストアルバムのようなファーストフルアルバムだった。とにかく名曲揃いだった。ライブの勢いをそのままパッケージしたようなアルバムで、勢いに溢れている。
1~3は、突き抜けるような疾走感と極上のメロディーが連続している。CRY HEARTは今聴いても突き抜けている。4のGRASSIC NONFICTIONは、後にシングル化される曲で、彼らの名刺代わりの曲となった。5は初期の名曲。6は、ジキルのヒステリックに通じるようなライブ曲で、Yowmayとオーディエンスの掛け合いが楽しかったなぁ~ 7と8でちょっと落として、9で泣かせて、最強の名曲DESTINYへと続く。これはKouichi(現Everlasting-K)の超名曲と言っていいだろう。唸るようなベースがすごくカッコイイ。で、11で迷いながら、迷宮を終える、みたいな。
自称、日本一シルバーローズを愛した男のkeiだが、今聴いても本当に色褪せていない。むしろ、今のヴィジュアル系オーディエンスの人には是非とも聴いてもらいたい一枚だ。何気に、今のバンドマンで彼らの影響を受けた人って結構いるんじゃないかな、と思うんだけど、、、どうなのだろう。
僕は、シルバーローズ大好きだった。都内のライブはだいたい全部行ったし。横浜までビデオシューティングライブにも行ったし。彼らのライブはホント熱かった。ファンよりもメンバーの方が熱かったくらいに、みんな熱かった。
その後、Yowmayさんと対バンさせてもらった時は、もう興奮しすぎて、話しかけまくったのを覚えている。楽屋で、Yowmayさんとヴィジュアル系論について語った日のことは今も忘れていない。きっとYowmayさんは覚えていないだろう。でも、あの日のことは、一生忘れないだろう。
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SILVER ROSEは、僕の中で、永遠に輝き続ける銀色の薔薇なのだ!