今日の午後、ちょっと用事で勤務校に行ったら・・・
若いウブな小娘たちが恋愛話をしていたので、
その話に混ぜてもらった。
ある女子学生の恋愛談。
これまで1年弱付き合ってきた男の子がいる。
その男の子は今とても忙しくて、なかなか彼女のために時間が取れない。
新しい門出ということもあって、本当に忙しいようだ。
そんな彼の忙しさに対して、なかなか理解を示せない女学生。
かまってもらえない、会えない、私を見てくれない、
そういう不満が日に日に募っていき、
次第に彼に対してその不満をぶちまけるようになっていった。
忙殺される日々を送っている方の彼としてはたまったものじゃない。
こんなに忙しいのに、どうして分かってくれないんだ、と。
徐々に彼の方が彼女に対してとても負担を感じるようになっていった。
もちろん彼女の方としては、素直に会いたいわけだし、
好きだからこそ、会いたい気持ちが募り、不満を感じたのだ。
そして、遂に彼は彼女との別れを切り出すことになった。
彼は彼女と一緒にいることが辛くなり、
もうこれ以上一緒にいても楽しくないし、辛いだけだ、と。
そして、「別れたい」、と。
それでも、女学生さんは彼のことが大好きだし、
別れたくもない。別れたくないのだ。
けれど、彼はその彼女の気持ちに大きな負担を感じている。
「今日の夜、また彼と話をするんです。先生、私はどうしたらいいの?」
***
そんな話だった。
好きだから、会いたいから起こった悲劇、惨劇と言ってもいいかもしれない。
ただ、この話を聞いて、僕はどちらもお互いを考えてないな、と思った。
(すなわち、お互いに愛し合ってないな、と)
彼は彼女を愛しているなら、
もっと彼女との時間をしっかりと取るべきである。
なぜなら彼女は「彼に会いたい」と思っているのだから。
彼女が彼を愛しているというのならば、
会いたいという気持ちをもっと控えるべきであった。
なぜなら彼は今とてつもなく忙しくて、たいへんなのだから。
お互いがお互いの気持ちや事情を理解し合うならば、
もっとこの恋は豊かに発展していっただろう。
お互いが自分のことしか考えていない、そんな恋だった。
(若者の恋愛はいつの時代も「わがまま」なものだ)
***
で、僕が出した解答。
「今日、電話をするんだよね?
だったら、そのときに、『別れたくない』というのは止めたほうがいい。
それよりも、あんまり別れる/別れないを言わないで、
また電話をしたくなったら、してくればいいよ、
また会いたくなったら、会おうね、
と、言うにとどめよう。
別れる/別れないという結論はまだあと延ばしできる。
結論が欲しいのは、自分がすっきりしたいためだけだ。
大切なのは、関係をもちつづけることだ。
それが再び恋愛関係になるかもしれないし、
それが新たな友情関係になるかもしれないし、
そのままもしかしたら消えるかもしれない。
でも、その答えをぼかしておくのが一番いい。
彼は今自分のことでいっぱいいっぱいなんだ。
もし彼に余裕やゆとりができれば、
また二人の関係を冷静に見れるかもしれない。
そのときまで、君が待っていればいい。
待っている間に新しい好きな人が見つかるかもしれないし、
ずっと彼のことが好きかもしれない。
それは君にも僕にも分からない。
それでいいんじゃないかな?
どっちみち、君は彼と関係をもちつづけたいんでしょ?」
そうしたら、彼女はコクリと頷いた。
***
恋愛に関しては、どれほど文明が進化してもそんなに変わらないんだな、
と思うような話でありました。