超短期間の衆議院選挙が終わりましたね。
はい、いつものように、僕の期待通りには全くいかない結果に終わりました。
まぁ、こんなものでしょう…😢
与党293:野党他172
自民261:立憲96
…
今回はこのブログでも二つほど、選挙に関する記事を書きました。
アクセス数を見ると、そこそこ見てもらえている感じでした。
読んでくださった方には感謝申し上げます。
今回、僕が学んだ点を10つにまとめて総括しておきたいと思います。
(ひとり反省会です…)
①やはり自民党はとてつもなく強かった。
アベスガ政権の悲惨さ(コロナ対応の失敗、アベノマスク問題)、モリカケ問題や公文書改ざん問題や桜問題、広島の河井夫妻選挙違反事件、衆議院前のスガ政権崩壊と総裁選でのメディアジャックetc、数えきれないほどの「失策」「汚点」「汚職」がまみれていたのに、そこは問われることなく、自民党が快勝した。55年から続く一党独裁体制は、それでも揺らぐことはなかった。
②投票率は思ったほど伸びなかった。
投票率は【55.93%】だった。戦後三番目の低い水準。100人中56人ほどしか選挙に行かなかった。100人中44人は投票しなかった。それほど盛り上がる政治的トピックスはなかったものの、政権選択選挙としてはとても面白い選挙だったにもかかわらず…。その理由は色々あると思うけど、自民党の戦略勝ちというところか。【戦後最短の衆議院選挙】で、有権者もそこまで選挙に関心がいかなかったか。また、【群馬県内の投票所、87%が午後8時前に終了】といったように、20時前に投票所を終了させる自治体が多くあった。
③立憲は(結果は出なかったけど)思った以上に奮闘した。
各選挙区の投票数を見ると、立憲は負けはしたものの、意外と奮闘したことがうかがえる。結果としては100議席いかなかったけれど、多くの国民にとって、【自民党に代わる政権】として認められつつあるともいえる。世の中はそんな簡単に変わるわけではない。2009年の民主党政権は、真の実力というよりは、一時的なフィーバー(ブーム)でしかなかった。その反省から生まれた立憲にはまだ実績も経験もない。かつての【制度への長征】というスローガンが示すように、長い長い戦いの中でしか変化も変革も生まれない。細かい数字が【立憲への期待】を物語っている。
④共産党への偏見はまだまだ途方もなく強かった=維新の飛躍をもたらした。
日本共産党は本当のところどんな政党なのか。それが問われた選挙だった。「立憲共産党」という言葉が与党側から飛び出てきた。共産党というと、どうしても中国共産党と似た政党というイメージも強く、忌避する国民が実に多いということも今回の選挙で改めて知った。「自民党は嫌、でも、共産と組む立憲も嫌」という有権者が選んだのが、日本維新の会や国民民主党だった。特に維新の飛躍は大きかった。経団連や連合といった組織票をもたない維新に、「既得権益のないクリーンさ」を感じた人も多かったとか。
⑤経団連は今回の結果に喜んでいた=既得権益の牙城は崩せなかった。
経団連の十倉会長は「自民党が安定多数を獲得し、公明党を含め、強力かつ安定した政治の体制が維持されたことを大いに歓迎する」と述べたそうな。経団連は、日本の既存の大企業の既得権益を固守する団体で、日本の経済全体においては重要なんだけど、その経団連の存在が、新たな産業を生み出す動きを阻害しているとも言われている。【GAFAM】のような新たな企業が生まれにくいのも経団連のせいだという意見も多い。【縁故資本主義】が日本の産業的な発展を阻害しているという声もある。今回も、結局はそうした「既得権益」「縁故」「地盤」を揺るがすようなことにはならなかった。(香川一区を除く)
⑥地方ローカルの有権者の心に刺さる政策が必要不可欠。
これを見ると、日本の地方は「真っ赤っか(自民)」だということが分かる。一部の地方エリアで立憲の「青色」も出てきているけど、まだまだ地方は「自民党の岩盤」が強烈に強いことが分かる。自民党の一党独裁状態を終わらすためには、野党がもっともっと地方に出向いて、地方の活性化のための有効な政策を打ち出さなければいけない。都市部では、もう既に【二大政党制】の機能を果たしている。けれど、地方・農村部に行くと、野党の出る幕はほんとうに…「ない」。地方の活性化、地方創生、地方経済の盛り上がり、地方の生活クオリティーの向上、そういったことを本気で考えなければ、今後も粛々と自民党が勝ち続けるだけだろう。
>BBSの動画【日本の自民党はなぜ選挙に勝ち続けるのか】を是非見てみてください!
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(ここから文体を変えまして…)
二大政党制を希望し、自民党一党独裁状態を危惧し続けている僕としては、(分かっていたこととはいえ)とても残念な結果に終わってしまいましたが、嬉しいこともありました。
⑦れいわがまさかの3議席獲得へ。
個人的に大好きな山本太郎ちゃん。本当に頑張ってくれました。3議席獲得! これは何よりもの朗報でした。山本さんへの批判はとてつもないです。上から目線で小バカにする人ばかりです。(勝ち組の典型の)橋下さんはテレビで(弱き市民のために立ち上がった)山本さんのことを「詐欺師」と言い放ちました。(テレビ業界の勝者の)太田さんも山本さんをただただ小バカにするだけでした。不器用で超まっすぐで愚直でガンコな太郎ちゃん。…でも、3議席も取れたんです。ここに僕は今回の一番の「希望」を見い出しました。あと、LUNA SEAのSUGIZOがずっと太郎ちゃんのことを応援していて、そこも大事なところです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
⑧香川一区で小川淳也さんが勝っちゃった…。
日本全国で見れば、「与党圧勝」って感じでしたが、「香川一区」では奇跡が起こりました。地元の権力をほぼ掌握する平井一族に挑むパーマ屋の息子・小川淳也さんが勝ってしまったんです。これは小さくて大きすぎる出来事でした。詳しくは、今後公開される映画【香川一区】を見てほしいと思います。次の時代のリーダーになるであろう小川淳也の活躍には、心から期待したいなぁって思います。
⑨千葉9区では番狂わせが起こった(小さな変革が起こった)。
千葉はわりと進歩的な人が多いと思いきや、実は自民党王国だったりします。千葉9区もずっと自民党の候補者が勝ち続けていました。ところが、選挙終盤になって立憲の候補者の奥野さんが追い上げて、なんと本当に勝ってしまいました。自分のエリアでこういう番狂わせが起こるのか?!、と唖然としました。投票日の数日前に、ツイッターで自民候補の秋本さんが車椅子の有権者の方からの質問を無視して、スタッフに合図をして、自分は去ってしまうという動画が流れました。その影響があったのかなかったのか…。とにもかくにも、僕の中ではあり得ない結末が起こって、今も驚いています。結局、選挙って、その土地その土地で決まっていくものなので、住民たちの意識や知識次第で変わっていくものなんだな、と再認識しました。
「消費税10%が福祉のために使われるって言ったけど実際に使われたのはその内の17%でしょ?あとの83%はどうしたの?」「ちょっと他のところを回らせてください」質問に答えず逃走#千葉9区#秋本まさとしpic.twitter.com/0Aet0h6ybZ
— ☘️『福祉のよろず屋』ぽれぽーれーPolePole 포레포레ー🐸🐣🐞 (@116_kkk) October 26, 2021
この動画は38万回くらい再生されました。この影響は実は大きかったのでは?と思っています。
➉改めて「政治教育」「批判的教育学」の必要性を痛感した。(ここが一番言いたいこと👆)
この9年、アベコベのアベ政権にスカスカのスガ政権が続き、その結果が問われる政権選択選挙だったにもかかわらず、ほとんど盛り上がりのない(変化のない)衆議院選に終わってしまいました。
一個人がブログやツイッターでいくら「正論」を叫んでも、何にもならないことも分かりました。だいたいこの選挙システムそのものがもうボロボロなのですから。20時まで投票できるはずなのに、それが出来なくなったり、いきなり選挙前にスガさんが辞めて岸田政権になったり(その結果、なんかリフレッシュした印象をもった国民が安易に自民党を信じだしたり…)。
宮台先生風に言えば、「クズな国民に、クソな構造」ということになるのかな、と(言い方はきついですが…)。
有権者のどれくらいの人が「自分の損得」を超えて、「政治的な正しさ」を考慮して投票しているのでしょうか。「組織票」で投票する人が多くて自民一強になっていますが、そもそも「組織票」自体が「自分たちの利益」のことを優先しているということの表れじゃないですか?!
自民党に票を入れた人の中に、「こんなに長く一つの党が政権を取ることって、正しいことなのだろうか」って考えた人はいるのでしょうか。あるいは、「毎回毎回、自民党だけが勝ち続けるこの国の政治は、まっとうなんだろうか」と考える人はいったいどれだけいるのでしょうか?!
他方で、政治家は結局、自分たちの都合のよい方向に誘導するしかないんです。政治家は、教育者ではないので、有権者の政治理解を助けることはしません。彼らがしたいのは、「いかに自分に投票してもらうか」だけです。自民だろうと立憲だろうと維新だろうと共産だろうと、どの政党の議員も、「人々への政治的な理解」を深めるためではなく、「自分たちに投票してもらうこと」のために動くんです。それしかできないんです。
とすれば、いったい誰が「政治的な正しさ」や「政治的に優れた判断」や「民主主義において重要なこと」を教えるのでしょう? いったい誰が「政治的な選択における正しい判断」を伝えるのでしょう?
テレビや新聞はダメです。そのメディアそのものが『既得権益』の中にいるからです。ネットも(僕のブログも含めて)偏っているし、嘘や偽りだらけですし、陰謀論や反知性主義で溢れかえっています。親もだいたいはダメです。親も、会社や地域などの影響を受けているので、子どもに「政治的な正しい判断」を教えることはできません。
考えてみれば、政治的なまっとうな知識や認識って、誰からも教わっていないんです。大学で「政治学」や「経済学」や「社会学」や「日本史」などを全部学べば、ある程度の「正しさ」を理解することはできると思いますが、そんな人、いったいどれだけいるでしょうか?! 自民党の55年体制についてしっかりと歴史的・思想史的に理解している人はどれだけいるでしょうか? 権威主義や反権威主義、民主主義や共産主義についてきちんと深く学んでいる人がどれだけいるでしょうか。
じゃ、小学校や中学校、高等学校でそうした政治的な事柄を教えればよいのでしょうか? そんなことを(実際に先生が)したら、親や地域やマスメディアや政治団体からボコボコに叩かれるでしょう。高校などでは「衆議院の優位性」や「地方自治体の条例」など、ぶっちゃけどうでもいいことは丁寧に教わりますが、「自民党とは何だったか」「野党とは何か」「55年体制の悪とは何か」「右翼・左翼とは何か」「選挙制度の問題点はどこにあるか」「なぜ自民党だけが勝ち続けるのか」みたいなテーマで授業をしたら、いったいどうなりますでしょうか。
結局、この国の有権者は誰も、「政治とは何か」「政治的公平性とは何か」「政治的価値判断とは何か」ということについて一切教わっていないんです。宮台先生は多分このことを憂いているんだろうと思われます。だから、「教育しかない」とも言うんだと思います。
この問題は、多分日本の公教育では難しいんだろうと思います。教育学者たちは「民主主義教育」や「市民教育」や「シティズンシップ教育」や「公民教育」や「道徳教育」で、そうしたことをしようと考えていますが、日本では、あと200年くらいは難しいんだろうなって思います。
じゃ、どうするか。
18歳以上の人たちが、もっともっといろんな人と語り合うことを楽しむことで、ゆっくりと政治的な認識を深めていくしかない、と思うんです。
街中でばったり出くわした人としゃべって、その中でなんとなく出てくる「政治的な話題」から、「へー、そんな考えもあるんだ」って知っていけばいいんです。具体的な例を申し上げると、たとえば僕は、某ラーメン店【NのH】のご主人と「政治的な話」をい~~っぱいします。お互いのスタンスは違いますが、エンドレスで語り合っています。でも、そのおしゃべりの中で、「なるほどー!」と思うことがいっぱいあるんです。
政治の話は、有権者みんなが自由に語り合うべき事柄なんです。心の奥底で「あそこの政党なら、われわれは安泰だな」ってほくそ笑むのではなく、「私は〇〇党を応援するぞ、なぜならXXXXだから」みたいな話をみんなが自由に話すんです。そういう話を聴いて、「ほお」「なるほど」「なんか違うぞ」「この人、偏ってるなぁ」みたいなことを感じることで、政治的な理解が深まっていくんだろう、と思うんです。もちろんそれを小学校や中学校で出来たらいいですけど、時代遅れの保守国家日本じゃ、あと200年は無理でしょう(ヨーロッパでは模擬選挙やこども選挙みたいなことを普通にやっていますが)。
どの政党がよいか悪いかではなく、よい政党とは何か、悪い政党とは何かをまずは、地理的・歴史的に知っていくことが先決だと思います。具体的には、身近な人に「よい政党とはなんですか?」「よい政治はなんですか?」を聴きまくってみることです。尊敬できない人の意見を聴いて、尊敬できる人の意見を聴いて…。
このブログも、数ある意見の一つとして参考になればいいかなって。
そう思って、懲りずにこれからもさりげなく政治の話を入れこんでいきたいと思います。