今日、とある講義中に、一人の学生のスマホの着信音が鳴り響いた。100人近くの学生がいる教室で、しかも、シーンとしている空間だった。
その学生は、「まずい」と思って、その音を消したが、その瞬間、面白いことを思いついた。
「着信音って、面白いよね。着信音を消さなかったのはあれだけど、でも、きっと音を切っているだけで、バンバンみんなのスマホに、着信等のお知らせが入ってきているんだろうね。ちょっと実験してみようよ。今から、みんな、スマホやケータイの着信音をONにして、音がなるようにしてよ。いったい、この静かな講義中に、どれだけ着信が起こっているんだろうね」
僕もあんまり深く考えないで、実験的に、音をONにしてもらった。
そうしたら、、、
凄いことが起こった。
100人のスマホ・ケータイの着信音が、カエルの合唱のごとくに、鳴り響き始めたのだ。
「ピロピロ」、「ポーン」、「プイプイ」、「ブワーン」、「ブブブ」、「ピピピ」、、、
その音の響きは、もう、みんな笑うしかないくらいだった。とにかく凄い。1分黙って、音を聴こうと言って、みんなで静まっていたら、もうそれはそれは。鳴りやまない着信音の数々。
学生たちも、このリアルな現実に、笑いつつも、何かを感じているようだった。
「すごいね。これがリアルなんだね。世の中は忙しくなった。この空間でも、常に絶え間なく、電波がスマホやケータイをめがけて飛んでいるだ。世の中は、本当に忙しい。普段、こんなことは意識してないけど、意識していないその背後で、これだけのことが起こっているんだね」
学生たちも、何かを感じたと思う。
その「何か」は言葉にできない。「なんか変」という感覚はもったんじゃないかな。
僕も、なんか、普段感じない「気持ち悪さ」を感じた。
「電波漬けの現代日本」。。。
それだけじゃない。今の若者たちは、「電話」をしなくなったそうだ。
200人くらいの学生たちに聞くと、そのほとんどが、ネット、SNSで友人や恋人たちと連絡を取り合っている。恋人と長電話をすることもあまりないそうだ。僕らの頃からすれば、信じられない。恋人とは、毎日電話でおしゃべりするのが「普通」だったと思うんだけど、、、
今の若者は、「電話」をゆっくりしている余裕はない。常に、あらゆるSNSから連絡があるから、それに追われて、電話をしている余裕はないんだそうだ。これには、驚いた。
僕らの頃は、男の友達との長電話もよくしていた。友達と2時間電話で語る、ということもあった。でも、今の若い子たちは、「長電話」の文化をもっていない。LINE等のSNSに大忙しだ。
きっと、今も、みんなせっせとLINEで誰かと短い文章のやり取りに追われているのだろう。
友人とダラダラしゃべることさえ、今の若者たちには、忙しくてできないことになっている?!ってことだろうか。。。