ガゼット、待望のサードアルバムが先日リリースされた。
ガゼットは今最も勢いのあるヴィジュアル系バンドであり、国内外で圧倒的な人気を誇っている。90年代初頭の頃のV系のようなBAD BOYっぽいイメージがメンバーにあって、軟弱なお坊ちゃまバンドにはない緊張感がある。人の温かみをあまり感じないイメージ戦略もうまく機能している。
今回のアルバムは、前作以上に過激になっていて、ワイルドでダーティーな感じがした。前作はかっこいいアメリカンな感じだったが、今回はメタル―ハードコアの路線を見せつつ、ガゼットならではの疾走感溢れる切ないメロディーが炸裂している。また、二曲目の『AGONY』なんかは欧米の最近のロックテイストがふんだんに盛り込まれている。ルキのラップ、ホント上手くなりましたな~~~
僕個人的には、『ガンジスに紅い薔薇』が、中でも、聴く価値のある優れた一曲だった。これまでのガゼットっぽさを残しながらも、新たなポピュラリティーを獲得しそうな勢いがこの曲にはある。また、CRAZE―現在のデランジェっぽいサウンドで、往年のV系ファンの心も捉えそうだ。この曲を聴くだけでもいいかもしれない。Kyoが歌ってもかっこいいかもしれないな。もちろんルキの歌があってのガゼットなのだが・・・
また、『Burial Applicant』も、是非聴いておきたいところだ。プロモだと、子どもが親を殺害する、という衝撃的な内容になっているが、歌詞もすごい。。。正直、何を歌いたいのかよく分からん・・・(汗)。。。 最近のV系はホント歌詞がマニアックになりすぎていて、共感しにくい・・・ ただ曲に関してはかなりハイレベル。ディルアングレイっぽいといえばそれまでだが、ディルにはないポップさがガゼットにはある。
あと、気に入ったのは『CIRCLE OF SWINDLER』。勢いがあって、早くて、ノリノリで、エモーショナル。ギターソロの荒れ具合はもうたまらない。ディルほどの重さがなくて、聴いていて疲れない。サビのメロディーはかなりカッコいいぞ。
僕もおっさんになったのか、一番聴いていて気持ちよかったのは、ピアノオンリーの『Peaple Error』だった(苦笑)。すごく美しい旋律で、思わず死にたくなる(苦笑)。。。こういうV系クラシックって大好きなんだよなあ~~
聴きどころ満載の一枚だった。ガゼットはもともと「雑種系V系」なので、色んな音楽を取り込んでいる。それがすごいと思うのだ。食わず嫌いはしない、っていうか。そして、ガゼットらしさっていうのがどの曲にもある。つまらない歌がない、これは本当にすごいことだ。アルバムのジャケットからして、ディル路線でいくのかな!?と思いきや、ディルとはまたどこか違う世界観を確実に有していて、はっきりと彼らのアイデンティティーを感じることができる。
世界でも注目の的となっているガゼット。あともう少しで「天下」が取れる・・・かも、だ。頑張ってほしいと切に願う。