http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1661851.html
インターネットの時代=現代社会。
恐ろしいこと(?)が起こるものです。
巨大グルメサイトの一つ、『食べログ』に書かれたとある記事と評価に、その評価されたお店の人が激怒。お店の人が自身のブログで、反論を書いたそうですね。それを見た人が、ネット上で広め、それがどんどん広がり、拡散し、巨大ニュースサイトで紹介され、…
なんてことない一エピソードなのに、一瞬でこの記事、やりとりが日本中に広まった、という、すごい話です。ちなみに。9月5日の記事が元なので、2日前の話なんです。
まず、騒動の発端となった文章。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13045967/dtlrvwlst/3078905/
引用します。
これを読むかぎり、それほど酷い記事には思えない。「辛い」「暫定評価」「カレー屋っぽい印象」、それほど厳しいことは書いてないと思われます。「いかんせん、辛さが先にたって、その風味を味わうところには至らなかった」というところが少し気になるけれど、わざわざそのあとに「暫定」としているあたりに、それなりの配慮も見られる。
となれば、問題となるのは、★二つという「評価」だと思われます。記述ではなく、★の数が、どうも店主さんの逆鱗に触れたのでしょう。(ただ、もっと厳しい評価を下す人もいるし、なぜ、この人の評価にキレたのかは不明→http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13045967/dtlrvwlst/2419227/ こっちの方がキツいはずなのに… ふーむ)
さて、で、激怒した店主さんの言葉を見てみましょう。
引用します。
常連のお客様、こんにちは!
たまにはバトルしますね!
品悪くてすみません!
今回は言わして頂きます!
食べログで8月5日にアップした人、敵意むき出しだね!
なんで内が星2つなんだよ!普段何食ってんの?あなたそんなにご立派な人なの?何を根拠に言ってんの?ちゃんと四川省まで食いに行った?内に来るお客様の中には、半年で担々麺の有名店30件食べてから来て内が一番とおっしゃっている人もいるというのに根拠を書け根拠を、薄っぺら過ぎるんだよ!こっちも本気でやってんだ、半端な情報流すな!
辛さが全面に出てるような事が書いてあったねー、内のは普通の辛さだっつーの!今度来たら他の店のように砂糖一杯入れてやるよ!まあ来なくてもいいけどね!ちなみに砂糖を入れるのは日本流、覚えておけ!
店内がカレーみたいだって、お前本当にセンスがないね!やっぱり薄い!もっと遊べ!内の色は寒山寺のような中国のお寺やベトナムの恵安をモチーフにしてんの!何がカレーだよ、担々麺も似たような色だろうが!普通のお客様はいい色だと誉めているのに珍しいねあなた!
大体文句ありゃ、直接言えよ!この度胸のねえ小人が!
本当、今の世の中腐ってるよ!日本人の美徳は一体どこに行ったんだよ!進歩発展もいいけど、もっと大事なことがあるだろうに!もっと時間を大切にしろよ!
常連の皆様、御気分を大変害してしまいました、本当に申し訳ございません!
今度も常連のお客様を大事に致すよう努力します!もちろん御新規のお客様もね!
この記事を読むかぎり、店主さん?が激怒したのは、★二つということと、「辛い」という記述、そして、「カレー屋っぽい印象」、という点に尽きそうです。
辛さに関しては、主観的・感覚的な要素が強いので、どっちもどっちでしょう。カレー屋に似てるかどうかも、これまた各人の経験や判断に基づくものであり、どっちがどうとかいえない。
やはり、一番腹にたったのは、★二つ、ということに尽きるでしょう。
これに対して、食べログで記事を書いた遊心さんが再度コメントしていました。
http://u.tabelog.com/000465967/
引用します。
最近、以前に書いた某店のレビューについて、アクセス数や支持票が異様に増え、どうしたものかと不思議に思っていましたが、店主のブログでとりあげられ、「敵意むき出しの文章」と批判された様子。
私としては、そんなつもりはなく、単に感想を述べたつもりなので、正直、戸惑っています。なにぶん、チキン・ハートなもので。
ですから、「暫定評価」と書きましたが、再訪は諦めました。(追い出されそうなので) 今さら訂正、削除するのも潔くないので、そのままにしておきます。
それにしても、そんなに★2つが気に入らなかったのかなあ? 私の基準点は、★2つなんですけど。
大人な対応していますね。この記述には、それほど問題はないかと思われます。
今回のこのエピソードで、僕がやはり気になったのは、★で一般の人に評価させることの難しさです。
僕も、個々のお店のことをブログで書いていますが、点数だとか★だとかは(ほんの一時期を除いては)つけていません。年末に総集編的な記事では★三つで(遊びの)評価をしますが、全部選び抜いたお店内の話なので、いわゆる通常の評価とは違います。
個々のお店に対して、主観的に記述をする分にはいいと思いますが、数字や記号で客観的に評価しているようなふりをする判断基準は、全くもって意味がないと僕は思っています。点数をつけるなら、それなりの訓練を受けた人だけがつければいい。素人がヘタに点数なんぞ付けるべきではない、そう考えています。
上の店主さんが激怒したのも、そういうところからきていると思います。「素人のくせに、なんで偉そうに上からものを言ってんだよ」、と。「俺の料理の何が分かって★2つなんだよ」、と。仰せのとおりだと思います。おそらく、遊心さんだけでなく、ほとんどの食べ手が、主観にまみれつつもあたかも客観的であるかのような採点、評価をしていると思います。主観的な言葉ならいいですよ。感じ方は人それぞれですから。でも、★の数/点数となると、主観が切り落とされ、ただの記号に変換させられ、傷となるわけです。しかも、数字/記号は、ダイレクトに他者に伝わるわけです。「★一つ=不味いお店」となるわけです。それは、やはり評価されるほうとしては辛いわけです。
ラーメン関係で言えば、ラーメンデータベースというサイトがあり、そこでは、もろに点数が出てきます。100点満点で何点か、というのが瞬時に出てきます。僕はこの点数方式が嫌いなので、参考程度にしか活用していませんが、知り合いの店主さんたちは、この点数に(程度はいろいろですが)影響を受けています。口には誰もしませんが、きっと、多かれ少なかれ、上の店主さんのような気持ちにもなったと思います。
食べログでは、5段階評価になっています。★二つは、成績でいえば2、です。優等生には耐えられない成績だと思いませんか?(僕は、学校でよく1も取っていたので、屁でもありませんが♪) 上の店主さんの記事を読むかぎり、相当の「プロの料理人」だと思われます(本当にプロかどうかは別ですが…)。プロの料理人(本人が思っているという前提)が、素人に「★二つ」などと言われれば、それはカチンとくるわけです。単なる野球好きのおっさんがイチローのプレイをみて、「★二つだね♪」なんて言ったら、そりゃ、怒るでしょう(いや、イチローならただ苦笑するだけだと思いますが…)
もし遊心さんがそれ相当のレベルの食べ手であれば、きっと店主さんも何も言わないと思います。というか、言えないでしょう。でも、やはり「食べログの書き込み」=「素人のコメント」という意識が、みんなのなかにあるんだと思います。
とはいえ、店主さんも、本当のプロなら、素人の一評価に対して、そこまでむきになる必要もないはずです。イチローがアマチュアのおっさんにキレるようなもんです。本当のプロなら、素人にいちいちキレたりはしません。そういう意味では、今回のこのエピソードは、店主さん側の倫理、モラルなども問われてきそうですね。(申し訳ないですが、僕はこのお店に行きたいとは全くもって思いません、、、)
でも、やはり点数や★で、安易に評価できるシステムは本当によろしくないと思います。僕は一応料理の勉強をして、一応料理人の資格をもつ人間です。でも、それでも、他のお店を数値や★で評価するレベルの人間ではありません。あくまでも、素人の食べる人間に過ぎません(まー、人よりは食べてると思いますが…)。畏れ多くて、点数なんぞつけられませんって。
だから、僕的には、点数や★をつけるシステムを見直せ、といいたいのです。安易に人に評価させるな、と。素人の評価なんぞ、たかが知れてるわけですよ(自戒の念も込めて)。素人の舌なんて、ホントなんの意味もないくらいに劣悪なんだから(自分も含めて)。 グルメサイトの点数や★なんて、ほとんど誰もあてにしてないし、それをすぐに信じ込む人はそうそういませんから。
でも、そのシステムを作った人の気持ちも分かるんです。素人たちは、言語をもっていない。だから、料理を語るというたいへん難しいことなんぞ、ほとんどの人ができないんです。できるとすれば、点数をつけたり、★をつけたりすることくらいなんです。料理を語れる人なら、点数なんぞつけなくても、十分に料理について語れるわけですよ。語るプロなら。でも、一般の人は言語をもっていない。けれど、評価はしたいわけです。その欲望を知っているからこそ、システム製作者は、点数やら★やらを設置するわけです。(ユーザーを増やしたいという思惑がありますからね)
この問題は、教育にもすごい関連しているので、熱く語ってみました。
僕も、大学や短大で毎年学生に評価されます。ひどいことも書かれます。本当に残酷な言葉を書く人もいるし、最低の評価をする人もいます。評価を得たければ、教育のレベルを下げるしかないんです。難しいことを熱く語っても、誰もついてこれないんです。でも、その難しいことの中に、ある種のヒントがいっぱい隠されているわけですが、それになかなか気づかない。でも、それでいいし、教師としては、「分かりやすさ」と「分かりにくさ」の間でもがき苦しめばいいんです。なので、何を言われようと、学生を責めることはしません。
でも、大学側はご丁寧に、グラフや表をつけて、僕ら教員にその結果を返してくれるわけです。全くもって、あてにならない集計の結果を教員にみせて、「感じたことを報告してください」と、「反省文」を書かせるわけです。けれど、大学側がしたくてしているわけじゃなくて、もっと上の方から「やれ」との通達がくるわけです。その上の人たちは、一般人的な価値に影響されているわけで、世の中が、そういう風潮だということの一つの現れに過ぎないんです。
で、評価の話。
普通の人(学生)は、楽しいことや分かりやすいことや身近なことや慣れ親しんだことが好きなのです。料理も同じです。マニアックなことをやっても、それを分かる人は少数派です。たいていの人は気づきません。でも、それを嘆くのはプロではないと思います。馬鹿にするなんて、もってのほかです。もし、マニアックなことが伝わらなかったとしても、もしかしたら後で気づくかもしれません。気づかないかもしれない。それでいいんですよ。作り手は、ただ自分が納得いくものをしっかり続ければいい。誰になんと言われようと。
上の料理人も、いちいち一意見に目くじらを立てる必要はないんです。けど、★をつける方も安易につけるべきではない。システムを作る人も、安易に★をつけさせるようなシステムをそのままにすべきでない。
反省する材料はたくさんあると思います。
最後に。
僕は、これからも、点数や★で評価するのではなく、言語で語っていきます。僕は語ります☆
時に誰かに不快を与えることもあると思います。語れば、誰かが不快に思うものです。どう書いても、誤解されることもあるし、どう表現しても、伝わらないことってあります。それをしっかり自覚した上で、できる限り豊かに記述していきたいと思います。
僕には、ブログがぴったり。書きたいように書けるし、変な点数やら★やらのシステムもないし…
遊心さんも、これだけ豊かに記述できる言葉をもっているのだから、食べログのシステムの外に飛び出して、是非グルメブロガーになってみてはいかがでしょうか?!
ブロガーも大変ですけどね、、、 なかなか頑張っても、食べログの記事ほどには読まれないです。だから、ブログじゃなくて、もっと読まれる場所に行っちゃうんですよね。でも、グルメを語りたいなら、自分の言葉でいきましょうよ!!! 見られなくても、頑張ってれば、きっと分かってくれる人もいるはずです。当然、書き手側も勉強しなきゃいけないですけどね。
この店のある本郷通りの美土代町交差点辺りは、元々の「神田」(古神田)に当たる地域である。かんだ山(駿河台)と神田橋の間であることからして、その証明になる。(江戸の大火で集団移転したのが今の神田駅周辺) 今では、すっかりビル街になってしまって、面影は残っていないが。
閑話休題。担々麺の専門店とのこととて、正宗担々麺(汁なし)と日式担々麺(汁あり)の2種類が基本。汁なしの方を食す。100円プラスして、酒粕漬けの味付玉子も。会計950円。食べる前に、よく混ぜるとのことだが、なんとしても辛い。唐辛子ではなく、中国山椒のしびれるような辛さ。おそらくピーナッツも大量に入っているようなのだが、いかんせん、辛さが先にたって、その風味を味わうところには至らなかった。汁ありだと、また別の評価になったのかもしれないので、暫定評価として欲しい。
店内は、カウンター席のみ。オレンジ色の壁は、なんだかカレー屋っぽい印象を受ける。(気のせい?) トイレは、ビル地下1階に店専用のがあるが、一度、ビルの外に出てから入りなおすことになるので、いささか不便かな。