千葉県において、「独自のラーメン文化」が根づいている銚子。
これまでも、たくさん銚子のラーメンをここで紹介してきました。
僕的には、「銚子天ぷらラーメン」の文化をなんとか多くの人に知ってもらいたいと思って、頑張ってきましたが、よいお店がどんどん閉店してしまっていて、とても心配しています。(町も昔ほどのにぎわいがなく、高齢化も進み、財政的にも(銚子電鉄のみならず)厳しいとあちこちで聞きます。
銚子市は十六日、二〇二一年度当初予算案を発表した。一般会計は二百十七億五千二百万円(前年度当初比21・3%減)で、規模は〇九年度以来の低水準。四月に市長選を控えた骨格予算ながら、財政難に新型コロナウイルスの影響が重なり、すでに四億二千万円の収支不足が生じる厳しい内容となった。
銚子は本当に本当に魅力的な素敵な町なのに、「財政破綻になるのでは?」と思われるほどになっています。「銚子電鉄」も、それ自体とても素敵なローカル線なのに、あの手この手を尽くしても「財政健全化」ができないとなれば、それは、会社の問題というよりは、「何をやっても黒字にならない、この国の地方が抱える問題」なのではないでしょうか。
いったい何をどうすれば「立て直し」ができるのか、これは、日本の抱える大きな問題の一端だと思われます。
…
それでも、そんな銚子で、「新たにラーメンを始めよう」というお店があったんです。しかも、銚子では「初」となる「二郎インスパイア店」!!?!
とても古いお店が今も営業している一方で、こうやって「新しいラーメン店」が生まれてくるのもまた、銚子のラーメンの面白さでもあります。
その名も、
ラーメン専門店ふたつき家
です!
「家」とありますが、二郎インスパイア系のお店っぽいです☝
2020年9月20日にオープンした期待の新店です!
なかなか、ラーメン屋さんらしかぬ「入り口」に少し戸惑います…
こちらのブログによると、かつては「スナック」か「居酒屋」だったようです。なんか、そんな感じのお店の入り口だなぁって思いました。でも、大丈夫です。とっても入りやすい、明るいお店なので、子連れでも大丈夫!!
ちなみに、看板や暖簾にある「すず喜」と「おざ喜」なんですけど、このお店の創業に際してお世話になった方のお名前なんだとか。僕はてっきり都内の人気ラーメン店「すず喜@三鷹」と関係のあるお店かな?と思いましたが、違いました(それはそれでよかった…💡)
入り口の扉を開くと、こんな感じになっています。
このお店の面白いところは、この入り口で、このメニュー表を見て、その場で「注文」するんです。席に着く前に、お店の入り口で(券売機ではなく)口頭で注文するスタイルというのは、あまり経験したことがないので、とても新鮮でした。
しかし、テンパります…(苦笑) 「え? 今? どうしよう…」って…
でも、基本的には、こちらの「康二郎(やすじろう)」一種のみ!
選ぶとすれば、小、中、大のどれにするか。
あと、ぶたマシ(2枚)、ダブル(4枚)を付けるかどうか。
基本的にはこれだけなのですが、、、
なんとなんと、新メニューが二種出ていました!!
①カレー康二郎
②油そば
らんちばさんが行った頃にはなかったメニューだな(しめしめ🎵)
僕的には「カレー康二郎」に心奪われました💛
…それにしても、「康二郎」の「康」っていったい?!…
更に、トッピングもかなりかなり色々と揃っています。
(結論から言うと、デフォの状態だともやしとほぐしチャーシューしか入っていないので、具が好きな人はここでトッピングも注文した方がいいかもです…)
店員さん(奥様?)におススメトッピングを聞くと、「カレー康二郎にはチーズが合いますよ♪」って言われたので、素直にその通りに「とろけるチーズ」(150円)を付けて、あと、大好きな「うずら煮たまご」(100円)も付けてみました。(あと、今振り返ると、玉ねぎとラー油(食べるラー油)を付けておけばよかったな…)
こちらのお店、もともと「スナック」or「居酒屋」ってことで、そんな感じの店内でした。
カウンター席は(一応4席ほどあるけど)使用しておらず、テーブル席のみでした。テーブル4席だったかな?? 入店した時は、1テーブルのみ空いている状態でした!(ほどよくお客さんが入ってくる感じ??)
見た目的に「ジロリアン!」って感じのお客さん(すべて男性)がいて、「おおお~」ってなりました(苦笑)
…
というわけで、、、
ジャジャーン!!
カレー康二郎(小)
とろけるチーズ+うずら煮たまご
です!!(トッピング込みで1100円!)
カレー風味のスープの上に、もやしがどっさり盛られています。
ネギは入っていませんね。
そこに、とろけるチーズが溶けて入っていて、うずら煮たまごが5つ入っています。(トッピング頼んでおいてよかった…苦笑)
zoom up(1)
うずら煮たまごがとっても美味しそうです✨
二郎インスパ系の新代名詞とも言えそうな「うずら煮たまご」。
ちゃんとタレに漬けた「煮たまご」になっているところが、ポイントかな!?
zoom up(2)
とろけるチーズがカレースープに混ざって、とっても美味しそうです。
…
で、スープを飲むと、カレーの風味がふわっと感じられます。そんなに「カレー」が強調されているわけではないので、「カレーテイストのややこってりスープ」っていう感じかな??
元の味がどういう味かは(この時点では)分かりませんでしたが、そんなに辛くないカレースープになっています。おそらくは、S&Bあたりのカレー粉をスープに溶かした感じかな?!、と(想像です)。
そんなに重たいスープじゃなくて、飲みやすいタイプのカレースープになっていて、またチーズもそこに加わり、まさに「チーズカレー味のラーメン」と言ったところでしょうか。さらさらタイプで、これはこれで面白いかも?!
味的にも、そんなにジャンクじゃなくて、また、そんなに奇抜じゃなくて、わりとオーソドックス感のあるカレースープになっていたかなって思いました。
麺はこんな感じです。
銚子で…、というとあれですけど、ここ銚子でここまでぶっとい麺を出してくるとは…
「坂本」も「大塚支店」もビックリだ!(苦笑)
わりとこれ、「ハードタイプ」の硬い麺かな、、と。わりとソフトなスープに対して、このハードな麺。なかなかエキセントリックな組み合わせかも!?!?(好きな人にはたまらない組み合わせかな??、と)
量的には、「二郎インスパ系」の中では、ほどよい量になっていて、これなら、ジロリアン気質の人じゃなくても、普通に食べられるかなぁ…。大食漢の人は、「中」や「大」を食べた方がよいでしょうね…。
「ぶたマシ」とかを頼まないと、チャーシューはこういう細かく刻んだチャーシューが入っているだけです。
ここのチャーシュー、かなりパサパサしています。二郎インスパ系の中でも結構こういうパサパサ系チャーシューを使っているお店が多いので、そういう流れを汲んでいるのかな??、と。
個人的には、「うーん…」って思いました。ただ、二郎系の「豚(チャーシュー)」に慣れた人なら、「これこれ~」ってなるかもしれません。これ、わざとこういう風にパサパサにしているのか、そうでないのか、気になるところです。
豚肉にチーズが絡んできて、そこはとても面白かったですね~。
そして、うずら煮たまご!!
さすがに20年以上ラーメンの食べ歩きをしているので、いわゆる「味玉」に新鮮さを感じなくなってきています。味玉自体は好きなんだけど、そんなに味に違いってなくて…(総豊の味玉は格別でした💛)
そんな中、色んな所で「うずらたまご」を使うお店が出てきていて、嬉しく思います。(調理は大変そうですけど…)
ヴィジュアル的にはっきりとした違いがあって、見ていて新鮮で楽しいんです。
まぁ、それだけなんですが、それでも新鮮な気持ちになれるんですね。
…
続いて、、、
康二郎(小)もやし抜き
です!!
ここのスープの素の味が一番分かる仕様になっています。
スープを飲むと、豚鶏ベースと思われるパンチのあるスープだと分かります。
でも、このスープ、どことなく牧歌的といいますか、ノスタルジックさも感じるスープになっているぞ、と直感的に思いました。都会的なあの「二郎スープ」ではなく、どこかローカルなラーメン屋さんのスープの作り方がベースになっているのでは?、と。
いわゆる「二郎直系」の技法とは全く違う技法で作られた二郎インスパ系ラーメン。いや、インスパ系とも違うので、「インスパ系ラーメンのインスパ系」?! そんな感じを受けました。
誤解を恐れずに言えば、「昔ながらのラーメン屋さんが、「おっしゃ、イッチョ、ジローラーメンだかなんだかを作ったろ!」ってなって、二郎ラーメンも食べずに、見よう見まねで作った感じのラーメン」という印象を受けました。(これは批判ではなく、ラーメンそのものの描写として…)。
そこがとっても面白いなぁって思いました。お店の看板に「二郎」という文字も「G系」という文字もないので、これは、リアルに言えば、「ふたつき家」のラーメン。商品名に「康二郎」ってあるので、それっぽく感じますが、二郎系だと思わないで食べると、むっちゃ個性的なラーメンに感じられてきますよ。(先入観に支配された人が食べると、きっといい印象は持たないと思いますが…、でも、ここは「銚子」。「あなたの価値観」では測れない異世界なんです✨
麺は、上のカレー康二郎と同じですね。
いわゆる「わしわし食べるタイプの極太麺」。
00年代に流行った(当時としては)やり過ぎ系の極太麺ですね。今となっては「懐かしさ」すら感じる極太麺。そこに、昔ながらのラーメンのテイストをベースにしたG系風のややこってりスープ。面白いですね~。
お肉はやっぱりパサパサで、、、。でも、見方を変えて、「ここは、ノスタルジックなお店」って思って食べると、昭和の屋台のラーメンが二郎系となって蘇ってくるのを感じたり感じなかったり…
度を超えたラーメンフリークさんなら、きっと面白く楽しく食べられる一杯かなって思いました!
***
というわけで、、、
昨年銚子に登場した「ふたつき家」のレポをお届けいたしました!!
食後に話を聞くと、「康二郎」の「康」という文字は、店主さん?のお名前ではなく、ここのラーメンの作り方を教えてくれた人の名前らしいんです。「康さん」か「康二さん」か、はたまた「康二郎さん」か…。いずれにしても、「康」の付くお名前の方が考案したラーメンらしいんです。
既存の情報だと、ふたつき家は、「二郎系」「二郎インスパ系」「G系」のカテゴリーに分類されていますが、僕が食べた感覚だと、そのカテゴリーを飛び越えたラーメンかな、と思いました。名前に「二郎」が付いているから、そう捉えられてしまうんですが、、、(また、お店としてもそれを狙っているのかもしれませんが…)
でも、自由な発想でどんどん変化していくのが、「ラーメン」の面白さ。ホンモノとニセモノがはっきりしないのが「ラーメン」の奥深さ。
某人気ラーメン店主さんが「ホンモノの味を教えてやる」と全国を回っているみたいですが、そもそも「ホンモノ」も「ニセモノ」もなく、また、「ニセモノ」から新たなラーメンが生まれてきた歴史を考えると、「ホンモノ押し付け主義」が、ラーメンの発展を止めてしまうかもしれないな、と思いました。その店主さんが「ホンモノ」と呼ぶラーメンも、実は別のラーメンの変形態として生まれてきたものだったりもするわけで、、、
僕はここのラーメン、ともすれば、「新しいラーメンの創造」につながるかも?!、とちょっと思いました。「昔ながらの中華そば」と「ラーメン二郎」が融合することで、また違うラーメンの形式が生まれるかも?!って。
ただ、今の段階ではまだまだその道の途中という印象が否めないので、これからが勝負の時でしょう。生き残るのが厳しいラーメン業界、しかも、日に日に厳しさを増す銚子というエリア、そして、それに追い打ちをかける「コロナ・パンデミック」。でも、それでも、本当に魅力的なラーメンを出せば、どこでだって人を集められるのまた、ラーメンの凄いところ。
是非、試行錯誤を繰り返して、次世代の、しかも銚子らしいラーメンを作ってくれることを祈念しています。
次回来ることがあったら、是非この油そばを食べてみたいなぁ~🎵
限定10食って書いてあります!!
オフィシャルinstagramを見ると、こっちの方が「最新作」みたいです!
ここは、是非トッピングを付けたいお店ですね。
これから行く人は予めどのトッピングを付けるか、決めておいた方がいいかもしれません。
火曜日が定休日です!!
遠方から行く人はだいたい土日でしょうから、あれですけど、、、
こんな場所にあります!
場所的には、「大塚支店」のちょっと先、って感じかな?
銚子セレクト市場からも徒歩で5分くらいです!!
…
あと、その銚子セレクト市場にあった「さば処ちょくら」がなくなっていました(😿)。「パン屋さん」になっていました。ちょくら、結構気に入っていたので、ショックでした…( ;∀;)
(【追記】ちょくらは、一度閉店しましたが、同じ銚子セレクト市場内の別の場所で「ちょくら紀銚」という名前になって営業しているそうです。そこで「鯖ラーメン」も食べられるようです!詳しくはこちら)
…
銚子といえば、「鯖」がいっぱい水揚げされる漁港町なんですよね。
こんなのとか、
こんなのがありますし、また、
銚子電鉄も「鯖」をヒューチャリングした鯖カレーを出していたりします!
銚子には、ラーメンもあり、鯖もあり、寿司もあり、銚子電鉄もあり…
【追記メモ】