凄い「絵本」を見つけて、買って、読んでみました。
その名も…
嘘つきシンちゃんの脳みそ
です。
この絵を見て、きっとすぐに誰か分かるかと思います…。
そう、あの「シンちゃん」です。
この絵本は、本当に「絵本」で、さくさくっと読めます。
でも、内容はかなり「事実」に即していて、「ああ、ああいうことがあったな」とか「ああ、ああいうことを言ってたな」って色々思い出すことができました。
シンちゃんとはいったい何だったのか? シンちゃんはどういう人間だったのか。一国の「嘘理大臣」としてとても長い間、権力の中枢として君臨し続けたシンちゃんは、なぜああも「嘘」を言い続けたのか。
それを、「脳科学者」の言葉と共に探っていく、というのがこの「絵本」の趣旨です。
冒頭から一気に引き込まれていく不思議な不思議なお話です。
内容的にもかなり「風刺」が痛烈で、また「分かる人にしか分からない」ような記述があったりして、小さな仕掛けがいくつもあって、クスっとシニカルに笑うところもいくつもありました。
ただ、最後にも書いてあるように、この『絵本』のシンちゃんは、「あくまでも創造されたキャラクターであり、特定の人物を想定して描かれたものではありません」とのこと。
一つの「物語」として読めてしまうところが素敵でした。
なお、文は齋藤芳弘さんというグラフィックデザイナー&写真家の方で、70代の方かな?? 絵の矢吹申彦さんは父と同じ昭和19年生まれの方。この挿絵が本当にシニカルでアイロニカルで、でもどこか可愛くて、面白いなぁって思いました。
こういう「絵本」こそ、若い幼稚園や保育園の先生に読んでもらいたいなぁ…、と。
ここ数年で、最高傑作の「絵本」になるんじゃないかな??(もちろん子ども向け…ではないと思いますが…)(でも、「こういう大人になっちゃダメだよ」っていう道徳本になりますかね?!)
…
先ほど、もうすぐ10歳になる子にこれを読んでもらいました。ちょっと難しいかなって思ったけど、ちゃんと朗読してくれました。
呼んでいる途中に、ふと顔を上げて、「この本、売ってもいいの? 捕まらないの?」って言ってきました。…むむむ、これはいったい、どういう風に感じたんだろう?? 「これ、ロシアとかで売ったら、ダメだよね?」とも…。直感的に、「これはヤバい本だ」って思ったのかな??
最後まで読み終えて、どうだった?って聞くと、「かわいそうかわいそう」って言っていました。(ただ、やはり内容的には難しいようで、「よく分からなかった」ってつぶやいていました)
【追記】
多分、この本は、中国や北朝鮮では絶対に出ない本でしょう。もし中国や北朝鮮(あるいはロシア)で出版されたら、間違いなくこのお二人は殺害されるか、強制収容所行きでしょう。多分、確実に「死刑」だと思われます。
こういう本が出せるのが、「自由」で「民主主義」の国なんですよね。この本を読み終えて、まず、それを思いました。権力者側からすれば、「冒涜」以外の何物でもありません。しかも、わりと事実に即しているので、ホンキで激怒すると思います。(自由で民主主義を掲げる政党なら、これごときで何かをするわけがありませんよね☝)
こういう本を出版しても、逮捕されることもなく、拘留されることもなく、収容所に連れていかれるわけでもなく、また、殺害されることもない国、それがずっと「民主主義国家日本」であってほしいと思います。
この本を批判する人がいたら、その人は、中国や北朝鮮と同じ思想の持ち主と言ってよいでしょう。なぜなら、この本を出すことを止めるということは、中国や北朝鮮が最もすることだからです。「言論の自由」「表現の自由」「出版の自由」は、欧米を中心とする西側諸国の共通の価値です。それを否定する人は、こっち側の人間ではなく、向こう側の人間と同じ精神の持ち主、ということになります。
こういう気の利いた絵本がまだ出版できるところに、わずかながら「日本」に希望が持てる気がします。
義に生きて、誠を貫く、真実を語る人にこそ、嘘じゃない総理大臣になってもらいたいですね。