えー。。。
なんて言えばいいんだろう。。。
ずっと応援してきた「鶏麺屋どーち」ですが、この土曜日に、静かに「閉店」しました(はず)。
詳しくはぴーすらいとさんのブログを参照してください。
http://ameblo.jp/super-ce/entry-11532350162.html
最後の日に行きました。
「閉店」の告知等は一切なし。。。
どこまでどーちはどーちなんだ…。
最後までどーちは、このスタイルを通したんだ、と思いました。
誰にも流されず、誰にも媚びず、我が道を突き進んできた稀有なお店でした。
ここで書いていいのか分からないけど、、、
僕は、ラーメン王の石神さんと少しですがメールでのやりとりをさせてもらっています。とはいっても、こっちから一方的に連絡をとるくらいの「片思い」の関係ですけど、、、
でも、こちらから「師匠」に、「このお店に行ってください」なんてことは言いません。言えません。でも、どーちが登場したとき、どーちの鶏麺を食べたとき、迷うことなく、石神さんにお伝えしました。石神さんは、ラーメンの革新を望んでいる方ですし、どーちの鶏麺を食べたときに、近未来を感じたので。後にも先にも、石神さんにこちらからお伝えしたのはこのお店だけでした。それくらい感激したのを覚えています。
僕は、いわゆる古典的ラーメンを愛するラーメンフリークだと思っています。が、ラーメンのイノベーションについて反対する立場でもなく、「斬新なラーメン」があれば、それを評価したい、とも思っています。保守でもありリベラルでもあると思っています。どーちの鶏麺は、まさにリベラルなラーメンでした。
当然ですが、どーちが登場したとき、千葉のフリークの間でも賛否両論でした。「あんなの、ラーメンじゃない」という声もありました。
でも、僕の中に迷いはありませんでした。「他にない味」でしたから。美味しいか不味いかの判別もできないような新しい味でした。僕の中で、好奇心というか、興味は尽きませんでした。
その後、石神本のみならず、あらゆるラーメン誌でも紹介されました。メディアの関心もそれなりに強かったと思います。
が、ダメでした。。。
今、とても悔しい気持ちです。無念です。でも、きっと店主さんが一番無念というか悔しい気持ちを感じているに違いないです。なので、ここで嘆くことはしません。
この世の中、いいものが正しく評価されるとは限らないんです。時には、迎合したり、時代に合わせたりしなければならないんです。でも、こういうラーメン屋さん(否、鶏麺屋さん)があってもいいんじゃないか、と思います。今のラーメン店は、時代の影響を強く受けすぎています。自分が作りたい味ではなく、時代に合わせた味を出しているだけ。みんな「右向け右」なんです。でも、どーちは違いました。いつも右向けまわれ左、でした。
ひねくれつつも、自分の信じた味を貫きました。こういうお店が千葉の若葉区にあったことを僕は誇りにしたいです。
この看板も、もう存在していないんですね。。。
営業中のどーちを見ることはもうないんですね、、、
悲しいですが、それが真実なんです。。。
受け入れるしかない、、、
鶏麺塩。
うん。やっぱり無二の味です。
どーちの鶏麺。
あっさりしているのに、こってりしている不思議な味。
国内外とラーメン類を食べ歩いていますが、この味は本当の本当に他にないんです。。。
美味しいかどうかと問われると、???ですが、、、どこまでも魅力的な、そして可能性を感じる味でした。
こちらは、鶏麺醤油+チーズ+温玉。
醤油の味が際立つどーちの味。
こちらも無二の味わいでした。
きっと10年くらい後だったら、受け入れられる味なんでしょうね。
早すぎたのかも?!…
ただただ味わうだけでした。
そして、どーちの「顔」ともなった唐揚げ。
もう二度とこの唐揚げが食べられないと思うと、泣けてきます、、、
どーちのおかげで、僕も自分で唐揚げを作るようになりました。
この唐揚げが自分で作れるように、これからもっと研究したいと思います。
僕の中で日本一、いや世界一の唐揚げでした。
いつも、オーダーが入ってから、調理を始めていましたね♪
麺もユニークでした。
世の中にありとあらゆる麺が出回っていますが、麺もオリジナリティーがとても高かったです。
***
つくづく思いました。
各メディアで、「新しい味のラーメン」といって、新しい味を求めていますし、また評論家の人たちも、「ラーメンの進化」を求めています。
でも、現実は違うんです。新しい味なんか求めてない。ラーメンの進化を求めている人は、実はほとんどいない。僕らの舌は想像以上に保守的なんだな、と。
どーちの鶏麺は、半世紀くらい早すぎたのかもしれない…。
…と。
僕自身、かなり相当のクラシックなラーメンフリークです。が、やはりこういうリベラルなお店もきちんと評価したいと思っています。「他人の評価に振り回されるお店」よりも、「自分の味をクリエイトしようとするお店」を支持したいと思います。
何をいっても、今はもう…
なので、もうこれくらいにします。
鶏麺屋どーちは、この土曜日に「終幕」を迎えました。
いつか、また、どこかで、この味と再会できることを願っています。
そして、ご主人、お疲れ様でした。これまでありがとうございました。一生、どーちの味は忘れません。本当に…