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ムックのニューマキシが3月21日にリリースされた。初回限定盤はDVD付き。「リブラ」のレコーディング風景も収録されていて、レア映像がたっぷりだ。
そんな彼らも、もう(結成)10周年。10年前っていうと、1997年。日本は、空前のバンドブームだったような。マリスミゼル、シャズナ、ファナティッククライシス、ラクリマクリスティー、ピエロなどなど、メジャー界で注目されることになるバンドが続々と誕生していった。そんなV系ブームの最中に、ムックは結成されたのだ。ムックは、上述したようなV系ポップ路線を進むことはしなかった。むしろ、男臭さ、絶望感や退廃感をフルに全面に打ち出したコアなバンドとして、出発していった。結成間もなくして、とあるオムニバス(雑誌の付録)にて音源を発表する。僕はそのオムニバスで彼らの音を初めて聴いた。まず達郎の声や歌い方にピーンときた。演奏は荒かったが、重量感はあった。
そして、10年。ムックは、名実共にゆるぎないところまでやってきた。大ブレイクしているかと言われれば、なかなか厳しいかもしれない。だが、そもそも「大ブレイク」そのものが成立しない時代になってしまったのだ。ケータイ・パソコンの普及により、音楽というエンターテイメント以上のエンターテイメントが現代のこの世の中には溢れかえっている。ゆえに、いわゆるマスコミ上の「大ブレイク」が成立しにくくなったのかもしれない。だが、それとひきかえに、ムックは、かつてのV系バンドでは為し得なかった海外進出を先陣を切って成功させた。日本でもしっかりとファンを獲得し、本物志向のバンドとして着実に道を歩いている。
さて、「リブラ」。Libra(英)かな。意味は「てんびん座」。9月~10月のころの歌と考えていいのかな。気持ちの悪いギターのリフで始まるヘビーなイントロ。そして、なんとも気だるく退廃的なAメロへと突入する。歌詞からも、「天秤」という言葉がこの曲のキーワードになっている。そして、すぐさまサビに突入する。「生きる意味」を問う姿勢が貫かれていた。サビの後のAメロはかなりラップ調。ホント幅のある楽曲になっている。サビの歌詞を聴いていると、Libraというより、Libreのように聴こえてくる。生きるということ、そのことに向かい合うムックの姿勢がカッコイイ。
二曲目もリブラに負けてないヘビーで叙事詩っぽい名曲だ。まあ、シングルなので、二曲でおしまいだけど、この二曲をしっかり聴きこなすだけでもおなかいっぱいになれるはず。やっぱ、ムックはかっこいいです。はい。