実に1年3か月ぶりとなる本ブログ不定期連載【恋愛交差点】。
今回でその16話となります。
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恋が始まった時、人はこの世の幸せのすべてを感じます。
自分が恋する人と結ばれてしまった奇跡。
世界は輝きに溢れ、そして、まるで世界が自分たちのために回っているような感覚(≒錯覚)。
朝起きてから、寝入るその瞬間まで、恋人のことを考えてしまう喜び。
自分が恋する人も自分のことを好いていてくれるという贅沢。
恋の始まり以上に、あのキラキラとした感情はないと断言したくなります。
そんな「恋」はいつでも、何年経っても、憧れの対象だし、いつでも甘く美しく贅沢なもの。
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でも、そんな恋も、いつかは終わります。
温かい湯船に浸かってぽかぽかの身体が徐々に冷えていくように…
輝きに満ちた世界に雨や台風がやって来るように…。
恋で結ばれた二人の密接な関係も、徐々に距離が見えてきて、「実は結ばれてなんていなかった」ということに気づき始めます。どれだけ相思相愛の関係であったとしても、徐々に相手との違いやへだたりを感じるようになっていきます。
その違いやへだたりを感じつつも、それを受け入れて共に生きていく道を進めば、その先には「結婚」という文字が見えてくるし、逆にその違いやへだたりを受け入れられずに別々の道を歩むことを決断すれば、その先には「別れ」という文字が見えてきます。
恋の先にあるのは、「結婚」(ないしは事実婚)か、あるいは「別れ」のどちらかしかありません。それは、異性愛であろうと同性愛であろうとどんな恋愛形態であっても、そのパターンに違いはありません。
若者たちは、そんな恋の甘さに魅了されながらも、その先の夢ではない現実に何度も直面し、出会いと別れを繰り返して、そして大人になっていきます。
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恋愛もまた、他のことと同様に、失敗から学ぶことで、よりレベルの高い恋愛に向かっていくことができます。一つの恋が終わった時、その終わった恋から何も学ばずに、次の恋愛に進むと、結局は同じような過ちを繰り返します。
大事なのは、恋が終わる時に、「なぜその恋愛はうまくいかなかったのか」を冷静に考え、その失敗の原因を追究すること。これがすごくすごく大事なんですね。
それをするかしないかで、次の恋愛が大きく変わってきます。
うまくいかなかった「私の恋愛の失敗」の原因はどこにあったのか。なぜその恋は壊れてしまったのか。どうすれば、何をすれば、あるいは何をしなければ、その恋は壊れなかったのか。自分のどこに非があり、相手のどこに非があったのか。感情論ではなく、冷静にそのことを見極めることで、次の恋愛のスタンバイ(レディネス readiness)が完了します。
最初から、恋愛を上手に完璧にこなせる人なんていません。他のスキル同様に、徐々に恋愛することも「上達」していくんですね。一つ目の恋愛の失敗したことを胸に、次の恋愛に進むんです。しっかり反省し、内省し、一つ目の恋愛の失敗から学ぶことがあればあるほど、次の恋愛において、人はよりよい恋愛を経験することができます。
二つ目の恋愛に失敗したなら、その二つ目の恋愛の失敗から、更に恋愛とは何かを学ぶことで、三つ目の恋愛に進むことができます。もちろん、二度目の恋愛よりも、よりよい恋愛が可能となります。
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でも、一つ目の恋愛の失敗で、その失敗の原因を「相手」だけに見いだし、そして「相手のせい」にするような人は、きっと二つ目の恋愛でも、同じような過ちを繰り返すことになるのでしょう。
「私は悪くない。悪いのは相手だ。私は傷つけられたし、いっぱい傷ついた。相手がもっとまともなら、この恋は終わることはなかったはずだ」
そう思っている人は、自分自身の恋愛の失敗から何も学んでいない、ということになります。
失敗から学ばない人は、結局同じような恋をまた繰り返すものです。
そうではなく、次のように考えることもできます。
「私は、いったいこの恋で、やれなかったことは何だったか。できなかったことは何だったか。何が足りなかったのか。何をしなければいけなかったのか。何をしてはいけなかったのか。どの時点で、躓いたのか。どう躓いたのか。この恋が終わってしまった根本的な原因はなんだったのか」
自分の終わった恋を振り返りながら、自分に欠けていたものを探すことができれば、次の恋までに自分がなにをすればいいのか、自分のどこを変えればいいのか、次の恋で何をすべきで、何をすべきでないのかが分かってきます。
当然ながら、次の恋でも、また違う失敗をすることでしょう。
でも、失敗ってするんです。全能の神でない以上、僕ら人間は確実に失敗するんです。ましてや、相手は、生身の人間です。相手自身も不完全な存在です。不完全な私と不完全なあなたが、お互いに「愛する」という実践をするのです。実践である以上、常に失敗したり、崩れたりするリスクは生じます。
次の恋でまた(一つ前の恋愛での失敗とは別の)失敗をし、そして、その恋も終わり、また、反省するんです。
「私は、いったい今回の恋で、やれなかったことは何だったか。できなかったことは何だったか。何が足りなかったのか。何をしなければいけなかったのか。何をしてはいけなかったのか。どの時点で、躓いたのか。どう躓いたのか。この恋が終わってしまった根本的な原因はなんだったのか。なぜまた失敗してしまったのか」
そして、また終わった恋を振り返りながら、自分に欠けていたものをまた更に見つけ出すことができれば、次の恋までに自分がなにをすればいいのか、自分のどこをさらに変えればいいのか、次の恋で何をすべきで、何をすべきでないのかが更に分かってきます。
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恋も恋愛も、こんな風に、いっぱい「頭」を使うんですね。
本能や感情で恋愛は始まるかもしれないけれど、その終わりは知的で理性的で反省的なんです。
恋の始まりは、動物的な本能や感情的な高ぶりによって引き起こされますが、その終わりは、本能的ではなく、また感情的でもなく、静かで、冷静・冷酷で、思考が働くんですね。
つまり、知的な観点から見れば、恋が始まるときにではなく、恋が終わるときこそが、非常に非常に重要なんです。自分で選び、自分で決めたこの恋愛を、どうして続けられなかったのか。どうして終わらなければならなかったのか。それはもしかしたら、取るに足らない理由だったかもしれないし、また、どうしても埋めることのできない溝があったからかもしれないし、あるいは、根本的に考え方の違う二人だったということに気づけたからかもしれません。
そういうことを知ることも、自分自身を知るための大きな一歩になるんだろうな、と。
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結婚が全てではないし、一人で生きていくという道も今は一つの選択肢になっています。「おひとりさま社会」という言葉も出てきています。
恋をいくつも重ねてきた結果、「一人で生きていく」ということを決断した人もいます。「自分に合う人はこの世界に誰もいなかった」、と話す知人もいました。
それはそれで、その人の選んだ道なので、他人がどうこういえることではありません。
でも、この年齢になって思うのは、「僕自身も、色んな恋愛の失敗を重ねて、色々と思い知らされて、そして今があるんだな」ってことです。
相手から別れを切り出されたことも、自分から別れを切り出したこともありました(遠い昔ですが…💦)。でも、そのたびに、「何がダメだったのかなぁ」って考えました。考えてもよく分からない時は、恋愛に関する本を読みました。それも、何十冊も、、、。
10代の終わりから20代にかけては、「どうしたら最高のパートナーと最高の関係が築けるんだろう」ってずっと考えていました(苦笑)。多分、誰よりも恋愛のことが好きだったから。好きだからこそ、もっと知りたいなって思ったんだと思います。恋愛の勉強は苦に感じませんでした。むしろ、「面白い!」って思いました。
10代の終わり頃に、すごく深刻に悩んでいたのは、「結婚をした後に、結婚相手ではない別の人にときめいてしまったらどうすればいいのか」という問いでした。当時の僕は、「トキメキ至上主義」みたいな考えをしていて、トキメキこそが正義であり、トキメキがなくなることが恋の終わりだと本気で思っていました。
蛇足ですが、トキメキというのもまた、若い時の特権のような気がします。かつて抱いた懸念(?)は、全く心配ありませんでした。感性が枯れたというか、心が動かなくなったというか、なんというか…(苦笑)。
そういう意味では、若い時に、いっぱい心動く経験をしてもらいたいな、とは思います。
ただ、恋愛をする以上、どうしても避けられないのが「性」の問題です。性的な関係をもつということは、「妊娠」の問題と直結します。20代前半で結婚した人の多くが、「できちゃった婚」だと言われています。相手の人が結婚相手として最も適切な存在なのかどうかの理性的な判断をすることなく、「できてしまったから」という理由で結婚している、ということになります。
それもそれで、その人の人生なので、それがいいとか悪いとかは言えませんが、(願わくば)一生に一回の「パートナー選び」ですから、できれば徹底的に考え抜きたいところであります。
人生を共にするパートナーを選ぶことのできる「自由」を僕らは得ていますから、その自由を最大限に活用するためには、まずは、自分に人を見る目をつける訓練をすると共に、その相手からしっかりと愛されるに値する人間になるための努力を続けたいところであります。
よく話す話ですが、「人は、自分と同じような人とつながる。だから、よい人とつながるためには、あなた自身がよりよい人でなければならない。もしあなたが人間として尊敬されるだけの価値をもっているなら、その価値に気づける人があなたをパートナーに選ぶだろう。しかし、あなたがもし人間として尊敬されるに値しない人間なら、きっと人間として尊敬されるに値する相手の人は、あなたのことを「愛そう」とは思わないだろう」、と。
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恋の終わりは、あなたが大きく成長する時期だということ。
恋の終わりは、あなた自身がいっぱい考え、気づき、学ぶべき時だということ。
恋の終わりこそ、人間の知性が必要であり、自らの人間性を高める時期であるということ。
恋の終わりこそ、、、
「…だけど二度とヘマはしない あなたになんかつまずかないわ」
恋の名曲です🎵