SIXTHのラストライブでたまたま聴いたバンド。対バンで出会う音っていうのもなかなか楽しい。ARESZは結成15年という超ベテランバンド。
このバンドはヴィジュアル系というよりは、ジャパメタバンドと言ったほうがいい。80年代テイストを残しつつも、結構現代的な要素も織り交ぜられていて、すごくバランスの良いハードなサウンドを聴かせてくれる。
ボーカルの瑠海狐(RUMIKO)さんは、歌を歌うとデス系超ラウドボーカルだが、MCになると、ノリのよい関西人になる。その落差も魅力である。また、和歌山出身ということもあって、ラーメンフリークの僕としては気になるものがあった。
このバンドの最大の魅力は、その瑠海狐のパワフルボーカルの圧倒的な存在感、とんでもないプレイを聴かせてくれる翔己の6弦ベース、オリジナルメンバーでさわやかなステージ上の笑顔が印象的な雅己、ちょっとHydeに似ている美形ギタリストの那都己、四人の溢れんばかりの個性といえよう。ドラムはいないが、ドラムの音を一つ一つ集めてプログラミングしているみたい。打ち込みなのに限りなく生の音に近いサウンドというのもこのバンドの魅力と言えるだろう。
01 破壊殺戮洗礼の獄
ライブで聴いた時、これめちゃめちゃカッコイイじゃん!と、ピーンときた。この曲を聴いてこのCDを買うことになった。家で再び聴いたら、「うわ、これAI●Nじゃん!」、と思い、にやりとしてしまった。歌詞はガー●イルで、サウンドはAI●N+初期ガー●イルって感じかな。僕的には完璧にOK! ギターの音もザクザク。ボーカルは最強。
02 蠢き
ツーバスドコドコ系で始まるが、結構ゆったりめのHEAVY ROCK。なんか人間椅子を彷彿とさせるすごい曲。六弦ベースの音がじっくりと楽しめる曲かな。タイトルから予想できる人もいると思うが、リスペクト・ガーゴイルって感じのサウンドだった。ガーゴイル・インスパイア系ってことで。サビは特にガーゴイル!
03 CRUSH UP
これはいい!めちゃめちゃかっこいいじゃありませんか!ちょっと和風メロの入ったBメロが聴きどころかな。サビは暴れまくり~って感じ。すごい好戦的な歌詞の内容で思わず熱くなる。「言い訳に支配された奴 潰せ 潰せ」って・・・
04 狂い咲く櫻の舞
面白い曲。お祭りっぽい曲。和風大和魂メタル。ユニーク。でも、サビは結構大真面目で、極めて美しいメロディー。マニアックで、変則ビートも取り入れている。ギターソロも超マニアック。マニアだ~!
05 轟音邪吽鬼威
ヘビーでハードなツーバスドコドコ系。打ち込みだけど生音なので迫力は満点。歌は01と近い感じの曲。やっぱAIONとガーゴイルの融合形だなぁ。サビもカッコイイし、サビの裏のシャウトも重厚感があっていい。やばい、このバンドかなり気に入ったかも。ギターソロもなかなかいい感じ。もっと炸裂してもいいな~ 歌詞も超熱いっていうか、ケンカ売りまくり!
06 Final Revelation
ツタツタ系のテンポの良いツービート。ロッキンf時代の人は絶対に気に入るはず。Aメロとサビの間にチラリと見せる女性っぽさがまたちょっと怖くて、カッコイイ!サビはもう絶叫!「撲殺! 自殺! 絞殺!」・・・って。で、ギターソロ前の不気味な音遊びが超ユニーク。エンターテイメント性たっぷりのスピーディーHM!
07 曇天に孤独な眠り
これまでの激しいサウンドとうって変わって、3拍子⇒4拍子の美しい歌。この歌も凄く美しい。そしてサビから重厚なメタルバラードに。北欧メタルに通じるハード&メロディアスなHMサウンドだ。これもカッコイイな。ベースの魅力が存分に発揮されていて、すごいなぁ~の一言。
08 自己陶酔型理想主義
ゴリゴリの80年代メタル。けれどどこか新しくて新鮮に聴こえる。六弦ベースのタッピングプレイがすごく心地よい。久々にここまでぶちきれたバンドと出会った気がする。僕の心は中学生頃にタイムスリップした感じ。やばいよ、この曲。。。サビはもうダメ。カッコよすぎ。80年代ジャパメタ+ネオヴィジュアル系が合体したっていうか。シンフォニック風ヴィジュアル系っていうか・・・
09 hazy...
これまたベースラインが美しいヘビーな曲。イントロのリフが妖しい・・・ ちょっと女性の艶っぽさがあり、武骨でドスの効いたパンチがあり・・・ すごいボーカルだ、本当に。
10 闘争本能
この曲はこのバンドの魅力を感じるのにうってつけの曲だと思われる。ギターのソリッドなリフと動きまわる六弦ベースの激しいサウンド。この曲は、AIONのNOBっぽい感じの歌い方になっている。
11 Soldier of Cause
最後もばっちり聴かせてくれます。V系王道のリフに始まり、ソリッドでスピーディーでメロディアスなAメロへと発展する。そして突き抜けるサビへと突き進んでいく。サビの「邪道を極めて王道と成す大義」っていうのは、このバンドのコンセプトになっている。いや、ホントに邪道を究めたホンモノを感じるカッコイイ曲だと思う。
お世辞抜きで、問答無用ですごいアルバムだった。ビックリした。こんなにカッコイイバンドがずっとシーンにいたなんて・・・
アルバムとしてもすごい出来の一枚で、久々に興奮してしまった。でも、マニアックすぎて、なかなか一般には浸透しないんだろうな。日本の耳の肥えたHMファンの人たちがもっと日本のHMに目を向けてくれたら、もう少し上にいけると思うんだけど。あ、でも陰陽座は結構上に行っているな。けど陰陽座とは違うし・・・ ガーゴイル&AIONが好きな人、あと、イマドキのV系にちょっと飽きている人にはオススメできるバンドだと思われます!