1993年(平成5年)10月に登場した4号機「ロイヤルタカシーRT」(高砂電器)
高砂の4号機第一弾という事で当初は注目を浴びたものの、結局はそれほど人気が出ずに終わった「不遇台」である。
本機は、ビッグボーナスとシングルボーナスよりなるBタイプで、レギュラーボーナスは存在しない。Bタイプはジャックゲームが2回しかない為、ビッグ獲得枚数は250枚程度と少ない。
(ビッグボーナス確率)
設定1 1/188.3 設定2 1/168.9 設定3 1/153.1
設定4 1/140.0 設定5 1/129.0 設定6 1/119.0
(シングルボーナス確率)
全設定共通 1/44.0
(ビッグボーナス絵柄は2種類、シングル絵柄はUFO)
(上パネルの小役払い出し表。緑の絵柄はサヤエンドウっぽいが、実は洋ナシである。洋ナシ、オレンジ、角チェリーは共通フラグで6枚役。なお、中段チェリー3枚は別フラグで取りこぼす為、通常時チェリーを狙えば、小役持ちアップにつながる。)
リールパネル上部の「TAKASY」ランプがトレードマークだ。もともと、「TAKASY」はカジノ機を製造していた高砂の米国ブランドネームである。このパネルランプは、後に、4号機「エニイセブン」でも採用された。
本機は、いわゆる完全告知タイプである。スタートレバーを叩いた後、「TAKASY」の間にある星(花)ランプが赤く点滅して、派手な告知音が鳴ればボーナス成立。ただ、ビッグかシングルかは、リールを止めてみなければ判らない。
こちらは見事に赤7が揃ってビッグ。チープなようで、妙に味わいのある絵柄だ。
こちらもビッグ。シルクハット姿でパイプをくわえる男が印象的だった。ビッグ中のBGMは、ビゼーの「カルメン」。
残念ながら、こちらはシングルボーナス。7枚+ジャック15枚で22枚しか払い出しがなく、非常に悔しい。しかも、ジャックハズレが多発するから、タチが悪い。
告知プレイで左リールに上の形を狙い、そのまま止まればシングルを否定しているので、ビッグ一確目となる。勿論、停止型によってビッグ2確目も存在する。
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やはり、本機最大の特徴は、ボーナス成立を知らせる「告知機能」であろう。当時の初期4号機は告知システムを搭載する機種が多く、ユニバ系に見られる「リールフラッシュ告知」と、本機やザンガスIに代表される「音と光の告知」に分かれる。むろん、ニューパルサーやジャックポットIIなど、リーチ目タイプの機種も多く存在した。
当初は、シングルボーナスの集中役を搭載する予定だったが、最終的に認可されたのは、集中役のないBタイプであった。もし集中役があれば、ホールでの評価は全く違っていた筈だ。ただ、元々何かとやかましかった本機、集中時は告知音の嵐となり、一層うるさかった事だろう。
「破格のボーナス確率」でファンの期待感を煽ったものの、ビッグ獲得枚数の低さや低設定営業などが災いして、結局「あまり出ない機械」として認識されてしまった。設置も少なく、個人的には当時2軒のホールでしか見た事がない。幸い、いずれの店も告知機能は生きていたが、もしモーニング対策などで告知ランプを切っていたら、とんでもなくつまらない台となっていただろう。
ただ、新装時などは非常に安定して出る台もあったし、ゲーム性もそれ程悪いとは思えない。個人的には、寧ろ好みのタイプに入る。もし5号機で復活…なんて事になれば、再びホールに足を運ぶかもしれないが、まぁ、復活の可能性は限りなく低いだろう。