まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

スペースバトル所感

2013-07-16 22:41:12 | パチスロ3号機

スペースバトル(1991年、3号機)所感

(※今回は裏〇ノ絡みの内容が多いので、あえてメーカー名は書き入れない)

 

    
(青パネル)                     (赤パネル)   


(白パネル…個人的には一番馴染みがある色)

下皿の「スライドドア」、ビッグBGMの「スターウォーズ」、バケ・ジャックゲームの甲高い効果音、「ピチュ・ピチュ」というストップ音、右リールにチェリーが出ると払出しがある、ベルの目押しで機械割アップ、バケ主体でビッグが出にくい、各地で裏モノ化を辿る、そして数々の攻略ネタ…実に多くの「特徴」を持つマシンであった。

 

 

★その1

1992年(平成4年)、新宿・歌舞伎町の「N3号店」で打ったスペースバトル。呆れるくらいにオバケ(REG)ばっかり出ていたが、今考えるとアレは裏〇ノだったと思う…


当時のN3号店(左)を捉えた映像。奥にはフグ料理「勇駒」、その向いに「東京メガネ」の看板も見える(どちらも現存せず)。N3号店の向いは、老舗高級風俗店「バルボラ」(現存)。勇駒の隣は「横浜銀行・新宿支店(ジューキビル)」。路地を抜けると、西武新宿駅前の交差点(大ガード)に出る。

「N村」と呼ばれるエリアにあったN3号店のスペースバトルは、地下フロアに設置されていた。入口付近の階段を降りると、計6シマのパチスロコーナーがあり、一番右手が「アポロン」(白パネル、5連Ver)2シマ約30台、その隣が「コンチネンタルII」(黄パネル、多分ノーマル)2シマ約30台、そして一番奥が「スペースバトル」(白パネル)2シマ約30台となっていた。

いずれのシマも客付はイマイチだったが、5連アポロンは当然に「ハイエナ」が効いた。たまに、アツく打ち込んでいるオヤジを見つけると、遠目ながらに徹底マークして、タネ銭切れの後釜を狙ったりもした。ライバルが少なかった時期であり、意外に成功率は高かった。

1993年、この店の地下フロアが全面改装となり、CR機ばかりが並ぶパチンコのフロアになった。スロが消え、「CR花満開」やアレパチの「CRビッキーチャンス」など、かなり香ばしい「鉄火場」的な雰囲気に変わったのを覚えている。

(C)Google
(現在、跡地には巨大な「エス〇スタワー」が建つ)

 

実は、1992年にパチスロの裏〇ノ対策として、基板の「再封印作業」が全国規模で行われた。この再封印で、一気にノーマル化が進んだエリアもあった。だが、N3号店のアポロンについては、再封印後も例の連チャンはまだまだ「健在」だった。それでも、若干のパワーダウン感(連チャンにバケが混じる事が増えた)は否めなかったが…。

一方、この店のスペバトには、アポロンのようなドハマリがほとんどなく、比較的ボーナスを引き易い台だったので、懐に余裕がない時などによく座っていた。92年5月頃から、例の「強制ビッグ・セットネタ」で攻略プロに狙われた時期もあるが、精算ボタン切りなどで対応、その後も撤去されずにしぶとく残っていた(一部プロは、対策後も「新手順」で対応したようだが…)。

当時、N3号店地下でスペバトを打っていた時は、「コイツは、バケが良く出るからノーマルだな」くらいに、軽く考えていた。なぜなら、「裏スペバト」や「裏スぺスペ」といえば、ノーマルとは全く挙動の異なる、「ビッグ偏向型」だと認識していたからである。

しかし、あの店のスペバトの挙動を振り返ると、どうもノーマルでは片づけられないような、「香ばしい」出方をしていた事を思い出す。

座って3~4000円も突っ込めば、とりあえずは初当りを引く事が多かった。もちろん、お座り一発も日常茶飯事である。まぁ、大抵は純増約90枚のバケだったが…。

で、一旦初当りを引くと、そこからクレジット~50ゲーム内で、バケが気持ち良く4、5連する。さらに100ゲームほど回すと再びバケを引き、これも早いゲーム数の連チャンにつながる。

ツボにはまると、ポンポンと立て続けにリーチ目が降臨するので、気分的にかなり高揚する。ただ、バケに偏りまくっている為、枚数的に見れば「下皿サラ盛り程度」しか増えていない。


(バケの主なリーチ目。左リールにベルがない形から、右にチェリーが出た場合も入り目)

一方、ビッグを引いた時は、なぜかビッグに偏った連チャンとなる(2,3連が大半で、まれに4連以上する)。この時ばかりは、下皿の「スライドドア」を開け、コインをドル箱に移すチャンスであった。


(BIGの主なリーチ目。左7付きの「中段ロボット揃い」もアツい。右単独チェリーは入り目)

 

もともと、レギュラー確率が非常に高いスペバト。あのオバケの速攻連チャンも、高確率がなせる「偶然の産物」だと思っていた。しかし、冷静に考えてみると、あの早いゲーム数で次々とやって来るバケ連チャンは、どうにも極端すぎたのだ。

しかも、連チャン後にストレートで600、700ハマるパターンもあり、時には「レギュラー地獄」に捕まってビッグ間で1500ゲーム以上ハマったりした。すっかりペシャンになり、「こんな事なら、アポロン打っときゃ良かった」と反省した事も数知れず…。

そんな感じで当時を振り返るうちに、「ひょっとして、あの店のスペバトはノーマルではなく、当時流行りの『「貯金Ver』などではなかったのか」と、今更ながら考えてしまうのだ。バケがアホみたいに連チャンする裏〇ノ(例:サファリラリー)も、当たり前のように存在する時代だったのだから…。


 

 

★その2

REG成立時、「コロナ」(太陽)絵柄が揃わないスペバトがあった…。

ご覧のように、スペバトには3種類のREG絵柄がある。コロナ(太陽)、宇宙ステーション、そしてBARの3つだ。普通ならば、REG成立時は、どの絵柄を狙ってもキッチリ揃うはずである。

だが、一部のスペバトでは、赤い「コロナ」を有効ラインに狙っても、最後のリールで「ズルッ」と滑ってしまうという、かなり妙なVerがあった。他の二絵柄はちゃんと揃うのに、コロナだけがどうしても「逃げて」しまうのだ。

この怪しいスペバト、実は「スペーススペクター」の基板を使っていた可能性が高い。スペバトとスペスペは、基本的にリール配列が共通だが、スペバトがREG3種類なのに対し、スペスペは「黒BAR」と「スペクター」の2種類しかない。そして、スペバトの左リールに一つだけある「コロナ」に対応する図柄が、スペスペでは15枚役の「青いUFO」であった。

    
(スペスペのREG絵柄)       (青いUFO絵柄=15枚役)

もし、スペスペ用の裏ROMをスペバトの筐体で使用した場合、内部的にコロナはREGではなく「15枚役」扱いとなる。したがって、いくらREG成立時にコロナを揃えようとしても、15枚役成立時でなければ、絶対に揃う事はない。また、たとえコロナが揃っても、それは単なる15枚役に過ぎず、決してREGはスタートしないのだ。

という訳で、狙ってもコロナだけが揃わないスペバトは、スペスペと同Verの「裏モノ」だった可能性が非常に高い。そんな胡散臭いスペバトを打った方は、ある意味で貴重な体験をしたともいえる。当時、東京・西葛西の某店では、そんな「没・コロナVer」が爆裂を見せていた…。

 

 

 


★その3

資料検証中に、スペバトの「裏ROM」(貯金Ver)解析データを発掘。

当時、スペバトと兄弟機のスペーススペクター(スペスペ)は、ノーマルより裏モノの方が多いといわれた時期もあった。その大半がいわゆる「貯金モノ」で、ビッグはもちろんの事、バケを取り込んでビッグに変換するタイプなども有名であった。他にも、ベル前兆モノや状態モノなど、複数の裏モノが存在したといわれる。

で、今回は「貯金タイプ」に属するスペバトの「裏ROM」解析資料を発掘した。個人的に興味深い内容だったので、ざっと紹介しておきたい。なお、このVerは当時存在した裏〇ノの一つに過ぎない事を申し添えておく。当然、中身の全く異なる裏スペバトも多数ある筈なので、参考程度にご覧頂きたい。

 

・スペースバトル(裏ROM・貯金Ver)の内部スペック

※内部的な判定の流れ(フロー)は、以下の通り。

(1)まず、通常のボーナス抽選を行う。

内部確率に基づき、ボーナス判定が行われる。但し、抽選確率はビッグ、レギュラーともに、ノーマルと数値が異なる。

(裏スペバトの内部確率表)


(ノーマル・スペバトの内部確率表)

 

⇒裏スペバトの場合、ビッグ確率がノーマルより甘く、逆にバケ確率はノーマルよりも悪い。やはり、貯金を考慮した数値という事だろう。また、小役確率はノーマルよりやや低く、コイン持ちは悪くなっている(設定差あり)。

 

(2)ボーナス当選後、「BR振り分け」の判定を行う。

面白い事に、この貯金裏ROMでは、ボーナス当選後、B/R振り分け判定があらためて行われる。この仕組みによると、最初バケに当選していても、振り分け判定でビッグに「昇格」する事があるのだ(逆もしかり)。振り分け率は、設定1~5はBIG=38.46%、REG=61.54%で、設定6がBIG=40%。REG=60%となっている。微妙な設定差はあるが、約4:6でバケにやや偏っている。

 

(3)貯金判定

振り分け判定でビッグorバケが成立すると、成立ボーナスを即・放出するか、内部に貯金するかの判定が行われる。貯金確率はBIG⇒58.8%、REG⇒45.5%で、ビッグの方が貯金され易くなっている。貯金に回された場合、内部の「貯金カウンタ」がプラス1されて、ボーナスは「消滅」する。

 

(4)放出抽選

 貯金判定に外れた場合、それまで貯金されていたボーナスを放出するか否かの判定に入る。放出の当選率は、BIG=約9.1%、REG=約45.5%となっており、バケは比較的放出され易いが、ビッグの放出は「狭き門」である。放出抽選に外れた場合、単発のビッグ又はバケが成立する。

(5)連チャン中

いったん放出が始まると、ため込んだボーナスの貯金(放出)カウンタがゼロになるまで、毎プレイ1/16でボーナスを抽選する。面白い事に、この貯金Verでは、ビッグとバケの貯金カウンタがそれぞれ独立していて、BRそれぞれの放出モードがある。したがって、連チャンする時は、BRのどちらか一方に偏って放出される、という判り易い特徴がある。

 

 

先ほども書いたが、上記の裏ROMは、多数存在したであろう裏スペバトの一態様に過ぎない。基本的な判定の流れは似ていても、BR内部確率、貯金確率、放出確率などが異なるVerも当然にあった筈だ。まぁ、この時期に出回っていた裏ROMや注射の中身を、全て把握することなど、普通のスロッターにはまず不可能だったが…。