1995年(平成7年)に京楽から登場した液晶デジパチ「夢幻伝説」（時短機、現金機）
（スペック）
・賞球…7＆15
・大当り確率…1/251
・メインデジタル図柄…「一」～「十六」の16図柄（漢数字、軍旗を模したもの）
（大当りの瞬間、揃ったデジタルが炎で燃える演出が格好良かった。）
・最高16ラウンド継続
・アタッカー開放時間…29.5秒
・平均出玉…約2300個
・小デジタル当選率…1/3（通常時、時短時とも） ※デジタル上の7セグが「7」で当選。
・時短機能搭載（このテの台は「お助け連チャン機」とも呼ばれた）
⇒大当り終了後、液晶画面の「大吉おみくじ」（殿様登場）で時短の当否を告知。
⇒おみくじ自体は大当り後だが、内部的な当否はチャッカー入賞時（大当り前）に決定。
⇒おみくじ図柄は「一」～「十六」の16種類（漢数字）
⇒おみくじに「三」「七」が出ると時短突入（突入率…2/16=1/8）
※おみくじが高速変動だと奇数確定（時短中は継続確定）。
⇒以後、おみくじに「二」「四」「六」「八」が出るまで時短継続（継続率…12/16=3/4）
※おみくじがハズレ後に再始動するパターンもあり。
・時短中は、背景がオレンジからブルーに変化。
・時短中は、小デジタル変動時間が「30秒」（通常）⇒「約1～3秒」に短縮。
・小デジ当選で、電チューが「約3秒」or「1個入賞」まで開放。
・但し、大当り確率は不変。ヒキ次第では時短中でもハマる。
・但し、時短中は「止め打ち」が効くので、ハマっても玉増やしは可能。
⇒小デジ停止の瞬間に数個打ち出し、電チュー閉鎖（or小デジハズレ）で打ち出し停止。
（小デジの保留点灯個数で、小デジ変動時間が変わる事に注意。点灯数が少ないほど止め打ちし易く、効果も高い。）
・時短突入時は、平均で「5連チャン」が期待できる。
・なお、通常時の「止め打ち」も、根気がいるが有効。手順は、小デジ変動開始で打ち出し停止⇒メインデジタル脇のランプの点滅回数を数える⇒ランプが14回点滅したら数発打ち出す。
・機種名の「夢幻」は、信長の辞世の舞「敦盛」～人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻（ゆめまぼろし）の如くなり～に由来すると思われる（盤面右に信長のイラスト。左は独眼竜の伊達政宗）。
・兄弟機…「夢幻伝説2」（大当り確率は1/251で同じ）
毎回時短に入るが、おみくじで「25回」「50回」「100回」「150回」「200回」を選択するタイプ。
（当時の実戦店）
・都電荒川線・早稲田駅近く「三光堂」（閉店、跡地は「パイナップル」）
・新宿区・新大久保「パイナップル」（後に早稲田・三光堂跡地に移転）
・新宿区・高田馬場「ダイナム」（閉店）
など
⇒設置が多かったので多くの店で打ったハズだが、なぜか新宿区のパチ屋ばかり思い出す。当時の行動パターン（大学図書館に詰めて資格試験の勉強）が影響しているのだろう。一応、勉強後にパチるというスタイルは取っていた…ような気がする（汗）。時短のヒキ次第で収支が大幅に変わった為、収支的には不安定で上記店舗の釘も決して甘くなかった。
（在りし日の三光堂…大学時代、長らくお世話になった店。スロは「センチュリー21」⇒「アメリカーナマグナム」⇒「コンチネンタルI」⇒「コンチネンタルII」⇒「チェリーバー」⇒「ソレックス」と、ユニバ系の機種ばかりを入れていた。裏路地の長屋の玄関が換金所だった。）
（新大久保「パイナップル」…明治通り沿いで営業していた小奇麗な店。本機や三共の「フィーバー忍NIN絵巻SP」ばかり打っていたので、個人的には「時短機の店」という印象が強い。）
（在りし日の高田馬場「ダイナム」…当ブログでお馴染みのホール。’90年4月、友人に連れられて初めてパチッたのがこのホールだった。実戦台は三共のハネモノ「エンタープライズI」。たった数千円のマグレ勝ちだったが、これをきっかけにパチ道にドップリ浸かる。ある意味で「因縁」の店。）
（リーチ出現度・信頼度）
デジタル停止順は「左⇒右⇒中」。
（A）ハズレリーチ時は、中デジの最終停止位置に応じて、6種類のリーチを選択。
・中デジが「大当り図柄－3～－1コマ」で最終停止⇒突っつきorぶった切りor巫女さんor雷
・中デジが上記以外で最終停止⇒ノーマルor武士
（B）大当り時は、以下の振り分け率で各リーチを選択。
ノーマル3/20、武士3/20、突っつき3/20、巫女さん2/20、ぶった斬り4/20、雷5/20
★各リーチの出現度と信頼度は以下の通り。
・ノーマルリーチ（リーチ後、中デジがやや低速でスクロール）
⇒出現度1/24.2、信頼度1.4％
・武士リーチ（ノーマル後、軍旗が揺れて画面右下に武士登場）
⇒出現度1/124.3、信頼度5.0％
・突っつきリーチ（武士リーチ2段階。一旦ハズレ停止後、武士が槍を動かし中デジ再始動。）
⇒出現度1/143.4、信頼度8.5％
・ぶった斬りリーチ（武士リーチから発展。リーチ図柄4コマ前から、中デジが「斜め斬り」アクションでコマ送りになる）
⇒出現度1/216.4、信頼度17.2％
・巫女さんリーチ（ノーマル後、軍旗が揺れて画面右下に巫女登場）
⇒出現度1/278.9、信頼度11.1％
・雷リーチ（巫女さんリーチから発展。画面が暗くなり雷出現。中デジは高速⇒低速を繰り返す）
⇒出現度1/343.8、信頼度34.5％
（武士登場） （巫女登場⇒雷）
デジタルが当って喜んだり、外れてガックリした時のキャラの様子が可愛かった。
（内部判定方式）
★大当り判定
・判定のタイミングはスタートチャッカー入賞時。
・カウンターの移行範囲は0～250の251コマ。当選値は3。大当り確率は1/251。
・カウンター移行速度は1コマ=0.00237秒。周期は1周=0.59487秒となる。
・判定には「取得した値に前回値を加えたもの」を使うのでランダムとなり、体感器攻略不可。
★時短判定
・判定のタイミングはスタートチャッカー入賞時（演出上は、大当り後のおみくじで「後告知」）。
・カウンターの移行範囲は0～15の16コマ。
・カウンター値が2、6で時短当選（おみくじに「三」「七」を表示）。時短突入率は2/16=1/8。
・カウンター値が1、3、5、7で時短終了（おみくじに「二」「四」「六」「八」を表示）。継続率は12/16=3/4。
・こちらの判定も、取得した値に前回値を加えたものを使用する為、毎回ランダムとなる。
（ガセネタの宝庫）
「モーニング機能がある」
「特定ラウンドをフルオープンさせると時短突入率が上がる」
「保4を空けて打つと時短になりやすい」
「最終ラウンドにノーカウントエラーを出すとおみくじが出ない」
「途中ラウンドでパンクさせるとおみくじが出ない」
「リーチの最中に電チューが玉を拾うと継続図柄で当る」
「16Rのアタッカー閉鎖タイミングで時短を狙える」
などのもっともらしいネタが噂されるも、いずれも「ガセネタ」であった。
（余談）
1996年（平成8）4月にTBS系で放映された2時間パチンコドラマ「女パチプロ・演歌のすみれ」（単発）で、本機が勝負機種の1つとして登場した。後にも先にも、トレンディ女優として鳴らした浅野がパチ屋で夢幻伝説を打つシーンなど、どこにも出てこないだろう。
主人公のパチプロすみれ（浅野ゆう子）は、台が発する小さな「音」を聞き分けて、大当りする台を見抜く特殊な能力を持つ（笑）。
ある日、すみれは偶然入った店の夢幻伝説で大当りを連発させたが、店側にゴト師と間違われる（敵対する女パチプロが、嫌がらせですみれのカバンに体感器を忍ばせた事が原因）。必死にゴトを否定するすみれは、「じゃあ、体感器なしで出してみろ」と店長にいわれて再び打つが、心が乱れて調子が出ない。
いったん引き下がったすみれだが、次の日は体感器なしで夢幻伝説を大連チャンさせ、見事リベンジを果たす。すみれの実力に恐縮する店長に、「伊達や酔狂でパチンコやってるんじゃないわよ！覚えておいて。『演歌のすみれ』というのは私のことよ！」と啖呵を切って一喝する。
因みにこのドラマ、出演陣がやたらと豪華だったのも印象深い。主役の浅野をはじめ、すみれのパートナーの若造役にTOKIOの松岡昌宏（新人時代）、すみれの銀行OL時代の上司が滝田栄、長距離トラック運転手役に蟹江敬三、パチ屋の常連客に柳葉敏郎、パチ屋の店長役が平泉成、パチプロの対決イベントを組むパチ屋オーナーに佐野史郎、敵対する女パチプロ「確変の女王・咲」に国生さゆり、すみれと仲良くなるスーパーのパート店員に横山めぐみ、その恋人の銀行員が渡部篤郎、そして、すみれに「特殊能力」を伝授する年老いたパチプロに三木のり平…といった具合である（故人も含まれるが）。
制作費に限りのあるVシネマでは、ほぼ不可能なキャスティングであろう。また、パチンコがテーマのドラマをタブー視しがちな現在と違って、局側が当時のパチンコ人気にあやかって製作に力を注いでいることが窺える。因みに、この年の7月には、松本明子主演のパチンコドラマ「グッドラック」（NTV系、全11回）も放映を開始している。
ちなみに、故・三木のり平は1962年公開のパチンコ映画「ちんじゃらじゃら物語」（松竹）で、磁石使いのゴト師「エレキの哲」を演じ、1988年公開のパチンコ映画「ほんの5g」（松竹、富田靖子主演）でも面接担当の社長役として出ており、パチンコ絡みの作品と縁が深い。