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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ブラボークイーン(平和、デジパチ)の連チャンシステム

2014-07-09 11:11:15 | 現金機デジパチ



1991年(平成3年)に平和から登場した新要件デジパチ「ブラボークイーン」



★大当り確率:1/235
★図柄:0~9、F、H、J、P、$、L(16種類)
★デジタル停止順:左⇒中⇒右
★最高16R継続
★平均出玉:2300個
★保留玉連チャン機(連チャン打法アリ)



ブラボーエクシード※譲りの美麗な液晶デジタルが特徴。前回、「田山幸憲プロ追悼記事」を作成した折、池袋S店(山楽)時代に田山さんがよく打っていたB・クイーンを思い出したので、その特性などについて振り返ってみようと思った次第だ。

※同タイプの液晶デジタルを使った同社のデジパチには、旧要件の「ブラボーエクシードII(III)」や新要件の「ブラボーエクセディア」「ブラボービーナス」などもある。


池袋S店絡みでは、本機は’91年11月に「フィーバーチャレンジII」(三共)との入替で導入。日記では、単に「ブラボー」と呼ばれる事が多かった。また、S店には本機の「303番台」をハマッても一途に追う「フィリピーナ」の常連がいて、彼女が店にいない時、田山さんが申し訳なさそうに空き台の303番台を打つシーンが印象的だ(フィリピーナの影におびえながら…)。その後、S店は’92年7月に三洋「ミラージュ」との入替で本機を撤去する。


有名なところでは、同社の液晶モニタ連チャン機「麻雀物語」が空前の大ヒットとなり、受注が追い付かない為に、セルに「麻雀物語」と表示してデジタルやプログラムはブラボークイーンという、付け焼刃的な「麻雀物語・クイーンVer」が出回った事が話題となった。


(麻雀物語・クイーンVer…「人気の麻雀物語導入!」とチラシで謳った新装でコイツが入った事も。同じ連チャン機とはいえ、これでは「詐欺」といわれても仕方がない。)




さて、本機の内部特性に目を移すと、主に3つの特徴が挙げられる。
(1)「保留玉での連チャン性」
(2)「連チャン誘発打法」
(3)「連続回転中の出目移行法則」
の3つだ。以下、順を追ってみていこう。



(1)連チャン性
本機は、大当り後の保留玉4個で連チャンする「保連機」として知られた(「麻雀物語」も保留4つの全てにチャンスがあった)。保1連チャン(ダブル)がもっとも多く見られたが、保2~保4での連チャンもあり、トリプル以上まで伸びるケースもあった。「弱性の数珠つなぎ連チャン機」と評されたりしたが、解析上の裏付けはない。


(2)連チャン誘発打法
連チャンシステムが実験・解析で明らかになり、連チャンを誘発する打ち方が編み出された。以下、その仕組みを説明する。


・大当り判定カウンターの範囲は「0~234」の235通りで、大当り値は「7」。よって、大当り確率は「1/235」となる。通常は、毎回ランダムにこの確率で大当り判定を行う。

・だが、「5個続けてチャッカーに玉を入れる」(5個回し)実験では、取得乱数に大きな「偏り」が生じた。235通りの乱数をランダムに拾わず、いわゆる乱数の「グループ化」が起きた。

・すなわち、「0~234」(235通り)の各乱数値が、
「0、47、94、141、188」(グループ1)
「1、48、95、142、189」(グループ2)
「2、49、96、143、190」(グループ3)
「3、50、97、144、191」(グループ4)
…(中略)…
「44、91、138、185、232」(グループ45)
「45、92、139、186、233」(グループ46)
「46、93、140、187、234」(グループ47)

という風に、それぞれ5つの乱数からなる47個のグループに分かれた(5×47=235)。


・各グループの乱数は、数値差(偏差)が必ず「47」になっている。また、235個の乱数は、47個のグループに1つづつ、重複せず綺麗に収まっている。さらに、グループ1の各数値を+1するとグループ2に、グループ2の各数値を+1するとグループ3に…という相関関係がある。

・5個回し時に拾った乱数をチェックしたところ、全ての乱数が同一のグループに属する事が判った。たとえば、デジタル停止時にチャッカー入賞して乱数「0」を拾ったとする。そのデジタル回転中に全保留をつけた場合、いずれも「0」が属するグループ(「0、47、94、141、188」の「グループ1」)の乱数を拾うのだ。

・すなわち、「デジタル回転中(始動開始~完全停止)にチャッカー入賞した場合、必ず同一グループに属する乱数を拾う」特性※がみられたのだ。
※以前取り上げた「ブラボー烈火」(1992年)なども、類似の特徴があった。

・「デジタル回転中」が条件なので、「リーチ中」のチャッカー入賞でも構わない。当然、デジタル停止後の入賞では、グループ化は起こらない。また、次のデジタル回転が始まると、今度は別のグループの乱数を拾うようになる。あくまでも、乱数のグループ化は「デジタル1回転中の入賞」に限られる。

・こうした「乱数グループ化」の発覚により、本機の連チャン誘発には「普段は単発打ち⇒リーチが掛かったら保留点灯」という打法が有効であることが判った。通常は保留ランプを点けず、リーチの瞬間に玉を打ち出して、デジタル停止前に多くの保留を点灯させるのだ。

・そのリーチが大当りしたら、最初の乱数が大当り値「7」だった事になる。このリーチ中に保留を点灯させていた場合、大当り値「7」の属するグループ、すなわち「7、54、101、148、195」の「グループ8」(大当りグループ)の値を必ず拾っている(1/5で大当り値「7」を拾う)。

・よって、(大当りとなる)リーチ中に点灯した保留は、各「1/5」で大当り(保留連)の可能性がある訳だ。もしリーチが外れたら、点灯中の全保留消化後、再び単発打ちに戻せばよい。

・ただ、本機はスーパーリーチ等のロングアクションがなく、左・中デジタルテンパイ後、約6秒程度で右デジが停止してしまう(右デジの移行コマ数により、誤差はあるが)。この短い間にチャッカー入賞させる必要がある為、リーチ中に3個以上の保留点灯は難しく、1~2個入賞があれば御の字だった(この点、F・ボルテックスのチャンスタイム(5.632秒)と通じるものがあった)。

・本機で、ダブルまでの短い連チャンが多かったのは、こうした理由による。一応は、上記の欠点を補う為、左デジ停止後にすぐ打ち出しを開始する「フライング打法」もあったが…。

・なお、通常「単発打ち」をする理由は、リーチ中に保留を多数点灯できるように、「空きエリア」を多く作っておく為だが、それ以外に「大ハマリ」を回避する意味もあった。

・デジタル回転中のチャッカー入賞で乱数は「グループ化」されるが、ハズレグループ滞在時は、回転中に何個入賞してもハズレ乱数しか引かない。全47グループ中、46グループが「ハズレ乱数のみ」で構成される為、連続回しではハズレ乱数ばかり引いて「ドハマリ」する危険がある。よって、普段は単発打ちにして「乱数グループ化」を避け、毎回キッチリ「1/235」で大当り抽選を受ける方が安全といえた。


因みに、田山さんの場合、こういった「小技」の類をあまり好まなかったようだ(日記でも、本機で単発打ちを実戦した、という記述はみられない)。また、コミック版の日記でも、学生プロがパラダイスI(奥村)の出目移行法則(ラッキーナンバー狙い)を説明しても興味を示さなかったし、パチンコ少年がハネモノ「カバ丸くんP3」の継続アップ打法(大当り中、1回目のハネ開放時に玉を拾わせない)を教えても、「そういうテに頼らない打ち方してんだ」といって拒絶していた。自分なりの「スタイル」を堅持したいという、田山さんの拘りであろうか。



もちろん、単発回しをしなければ連チャンしない、という事はない。「オヤジ打ち」の状態でデジタル回転中にチャッカー入賞があり、そのデジタルがリーチ⇒大当りとなれば、やはり同様の保留玉連チャンが見込めたのだ。そのチャンスを「最大限」生かそうというのが、単発打ち攻略の目的である。




(3)連続回転中の出目移行法則


連続回転中は、判定ハズレ時に限り、左及び中デジタルに移行法則がみられた。

・左デジタル…前回の左出目に対して「-3~-7」となる(下がる)。
ex)前回左出目「9」⇒次回(ハズレ時)は「6」「5」「4」「3」「2」の何れかが左に停止。

・中デジタル…「6、7、8、9、F」の5図柄の出現率が極端に下がる。

・但し、「連続回転が始まる最初」や「リーチ発生直後の回転」では、移行法則が崩れる。


上記法則を利用した「大当り判別」も可能。連続回転中、左出目が前回左出目「-3~-7」の範囲外で停止したり、連続回転中に「6、7、8、9、F」の5図柄でリーチが掛かったりすると、「移行法則崩れ」となって大当りを先読みできた。
ex)連続回転中、前回左出目が「3」だったが、次回転で「4」のリーチ⇒大当り確定
ex)連続回転中、「FF」のリーチ⇒大当り濃厚


但し、連チャン誘発打法を使う場合、「単発打ち」が基本となるので、このテの移行法則はあまり意味をなさない。