Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

「散歩の楽しみ」〜幸せの足跡〜

2019-05-28 23:01:00 | 素敵な現場
新緑の美しい季節、
外に散歩に行きたくなりますね。
 
こんにちは tatsukoです。
 
馴染みのあるクレヨンを使って、
テーブルの上で思い切り腕を動かしたら、
高齢者の皆様に
開放感や楽しさを味わっていただけるのではとの思いで
アートワークを行いました。
 
懐かしい歌
「365歩のマーチ」を皆様と歌いました。
伴奏はウクレレと鍵盤ハーモニカで盛り上げます。
皆様のまわりを歩いている生ウクレレの音が
近づくと、
表情も和らいでいきます。
 
そして、いよいよメインのワークです。
 
「クレヨンで、山や川の写真の所まで
行ってみましょう」
「テーブルの上のタンポポの花を見に行きましょう。」
(セラピスト仲間が、野原のイメージで作って
くれました。皆様の興味を誘っていました。)
 
 
 
「お隣や前の方まで行って、挨拶しましょう。」
 
そんな呼びかけをすると、
テーブルの真ん中まで腕をのばし、
思わず立ち上がって描き始める方も。
 
こんな風に、
夢中でやっていたら、
いつのまにか勝手に身体が動いていた、、、
ということがステキな瞬間です。
 
そして、
ぐんぐんとクレヨンを紙の上に滑らせていきます。
お隣の方が描いた山に、
ご自分のクレヨンの線で登って行き、
お隣どうしで会話が生まれます。
 
「あら、これは富士山ですね。
私、登って行ってもいいかしら?」
 
ある方は、
家を描いた後、そこから色々な方向に
線を伸ばして立ち上がり、
前の席の端まで繋がりました。
 
ワークの終盤は座ったまま、
「もう、このままで。作品に仕上げなくともいい」
とおっしゃる表情は、
とても大きなエネルギーを出し切って、
満足されているご様子でした。
 
 
 
「シロツメクサで首飾りを編んだわね、
故郷の山にも登ったのよ。」
「うちの庭は広いから、犬や猫がすぐに入ってく
るんだよ。自分でも飼っていたしね。」
 
そんな会話が聞こえてきます。
 
 
 
表現のプロセスは、人それぞれ。
 
最初から情熱的に表現する方。
 
 
セラピストが側を離れた後に、
一人になってじっくりと、みるみる腕が動いていく方。
 
セラピストや職員の方と一緒にお話しながら
笑顔で進める方。
 
 
その方の息づかいやその方らしさが、
生きている線や形となって現れます。
 
時には、こんなにダイナミックな力を
秘めておられるのだと、
発見して感動したり。
 
この日のクレヨン散歩は、
 
歩いた「幸せの足跡」が、
イキイキとテーブルの上に
あふれていました。
 
 
 
 
 
 

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