「あなたにとって、生きる意味とは?」
「あなたと母親のとの関係は?」
これに妊婦に問診する吉村医院の医師の言葉である。
問診にも長い時間を費やし、問診で泣き出す妊婦もいると言う。
子を授かると言うことの意味、その責任を深く感じ受け止めていくことによって、負の連鎖も断ち切り、母親も新たに生まれ変われるのではないかと、吉村医院に行っている岡さんの話を聞いて思った。
カウンセリング色がとても強いと思うが、それは子を育てていく母親をより良く励まし、力を与えるものとしてのある種のマインドコントロールのようにさえ思う。
現代医療に真っ向から反対した吉村氏はただただ患者を親身に思っていたと思う、それと同時にお産は危険な状況でもあると正直に発言した人である。
江戸時代、お産は片足を棺おけに入れたようなものと言われていた。
だが、現在そうしたことは許されない、それゆえ、産婦人科は裁判沙汰が一番多いのである。
子を授かり、共に過ごす、10ヶ月はこうした心ある医師のサポートを受けられるのなら、かけがえのない素晴らしい時間にもなりえよう。
命が生まれるのである。
その意味は大いなるものに抱かれ見守られていることを確信し、実感できるものにもなりえよう。
命を喜びであろう。
自分も生まれてきて良かったと、自分の今までのすべてを肯定出来るだろう。
すべてから祝福を受けよう。
さあ、あなたにとって、生きる意味とは何なのか?
考えてみようではないか。
「私にはない」と表面的なことだけからの答えではない答えを導き出して欲しい。
そして、急ぎ決め付けないことである。
それは他の可能性を消しているに過ぎない、または考えることの出来ない状況にいるだけかもしれない。
曖昧なものも、そのままに受け容れられるように。
人は完璧ではない。
完璧でないからこそ、愛らしくあるものではないだろうか。