現役大学生作家の青崎有吾。まだ二冊しか出ていないが、デビュー作の鮎川哲也賞を受賞した「体育館の殺人」
この作品とシリーズ二作目の「水族館の殺人」
この二作品は平成のエラリー・クイーンと単行本の裏表紙に書かれているとうりに、圧倒的な論理的展開の面白さを堪能できるミステリです。
高校生の裏染天馬という人物が主人公の名探偵ですが、彼を取り巻く同じ高校の仲間達との関係とか距離などがうまく配置されています。
卓球部の袴田由乃、その兄が刑事ということで一作目の「体育館の殺人」から刑事たちと顔見知りとなり、その非凡な洞察力を買われ事件にクビを突っ込むこととなります。
「体育館の殺人」では一本の傘が物語のキーワードになります。激しい雨が降る時体育館のなかで行われた殺人。現場は扉が一部閉じられていたり他の部活動の部員たちが数人いたりして密室状態でした。
犯人はどこから来てどこに消えたのか?隣接するトイレで見つかった一本の傘。証拠品といえるのかはっきりしない一本の傘。そこから裏染天馬は論理の積み重ねにより犯人を指摘します。
一本の傘から何故犯人が?と思われるでしようが、雨の降りしきる中何故トイレに傘があったのか、誰も自分の所持品と申告しない一本の傘を巡って天馬の推理が驚きの展開をみせます。
二作目の「水族館の殺人」ではアリバイ崩しが命題です。数分の時間で水族館にいる職員のアリバイが明確に証明されます。しかし誰もが犯人で有り得ない状況から
調べが進むに連れて誰もが容疑者へと変化します。黄色いモップと青いバケツ。何故それがそこにあるのか。それはどの様に作用したのか、何気ない現場の状況も天馬の論理展開により
姿の見えない犯人へと迫っていきます。推理を実証するために実験をしたりと単なる思い付きでないことを証明します。
刑事たちとの関係に絡ませて天馬自身の私生活面の隠された部分も少しずつ明かされるなど、細やかな計算によりシリーズとしての世界を広げる様子が見て取れます。
試行錯誤の末に犯人を特定できたのは黄色いモップと青いバケツでした。
人の眼や監視カメラなどで守られたアリバイも天馬の推理には叶わなかったのです。
横浜在住の現役大学生とのことですが、この作者只者ではありません。今後が楽しみな作家です。
圧倒的な論理的展開による面白さ。ミステリの醍醐味がここにあります。ぜひ興味のある方は一読を。
この作品とシリーズ二作目の「水族館の殺人」
この二作品は平成のエラリー・クイーンと単行本の裏表紙に書かれているとうりに、圧倒的な論理的展開の面白さを堪能できるミステリです。
高校生の裏染天馬という人物が主人公の名探偵ですが、彼を取り巻く同じ高校の仲間達との関係とか距離などがうまく配置されています。
卓球部の袴田由乃、その兄が刑事ということで一作目の「体育館の殺人」から刑事たちと顔見知りとなり、その非凡な洞察力を買われ事件にクビを突っ込むこととなります。
「体育館の殺人」では一本の傘が物語のキーワードになります。激しい雨が降る時体育館のなかで行われた殺人。現場は扉が一部閉じられていたり他の部活動の部員たちが数人いたりして密室状態でした。
犯人はどこから来てどこに消えたのか?隣接するトイレで見つかった一本の傘。証拠品といえるのかはっきりしない一本の傘。そこから裏染天馬は論理の積み重ねにより犯人を指摘します。
一本の傘から何故犯人が?と思われるでしようが、雨の降りしきる中何故トイレに傘があったのか、誰も自分の所持品と申告しない一本の傘を巡って天馬の推理が驚きの展開をみせます。
二作目の「水族館の殺人」ではアリバイ崩しが命題です。数分の時間で水族館にいる職員のアリバイが明確に証明されます。しかし誰もが犯人で有り得ない状況から
調べが進むに連れて誰もが容疑者へと変化します。黄色いモップと青いバケツ。何故それがそこにあるのか。それはどの様に作用したのか、何気ない現場の状況も天馬の論理展開により
姿の見えない犯人へと迫っていきます。推理を実証するために実験をしたりと単なる思い付きでないことを証明します。
刑事たちとの関係に絡ませて天馬自身の私生活面の隠された部分も少しずつ明かされるなど、細やかな計算によりシリーズとしての世界を広げる様子が見て取れます。
試行錯誤の末に犯人を特定できたのは黄色いモップと青いバケツでした。
人の眼や監視カメラなどで守られたアリバイも天馬の推理には叶わなかったのです。
横浜在住の現役大学生とのことですが、この作者只者ではありません。今後が楽しみな作家です。
圧倒的な論理的展開による面白さ。ミステリの醍醐味がここにあります。ぜひ興味のある方は一読を。