メフィスト賞受賞作の「眼球堂の殺人」と二作目の「双孔堂の殺人」を読みました。某国立大建築学科卒の筆者ですがこのミステリの
主人公は放浪の天才数学者です。恐ろしく難解な高等数学の問題あれこれをのべつ間もなく喋ります。ポアンカレ
予想とか単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相であるとか、さっぱり解かりません。
一作目はオーソドックスな書き方で、不思議な形容の館に招待された主人公の数学者十和田只人と彼にまとわりつくルポライターの陸奥藍子の二人。
他にも各界の天才と評される人々がいた。そして不穏な雰囲気の夕食会が終わり各人割り当てられた部屋に消える。翌朝館の主人が無残な姿で発見される。さらに第二、第三の被害者が・・・。
そんなストーリーです。殺人現場は不思議なあり方でフーとホワイとハウが揃います。しかし、犯人指摘の前にハウダニットです。どの様に犯行をなし得たか証明しなければなりません。
その謎に挑むのが放浪の天才数学者十和田只人という趣向です。メイントリックは壮大な仕掛けとして理解できますが犯意が理解出来ませんでした。しかも、主人公の変人じみた
数学の難しい話ばかりでは付いて行けません。もう少し人間的魅力を加味していかなければと思います。最後にドンデン返しがありますが、登場人物から予想がつく範囲内でした。
でも、デビュー作としてはレベルは高いものです。十和田只人を主人公にしたシリーズになるのでしょうか。
「双孔堂の殺人」は物語の始めに十和田只人が犯人として警察に逮捕されてしまいます。Y湖畔に伝説の建築家が建てた鍵形の館「双孔堂」そこで起きたふたつの密室殺人。館を
訪れた東京の警視がいろいろと調べ、見聞きした事柄を十和田只人に聞かせます。つまり今回彼はアームチェア・デイテクティブの立場になります。警察の取調室にいて
与えられた情報を組み立てて犯人を指摘するという展開になっています。しかし、相変わらず難しい数学の話のオンパレードです。館にいた二人の数学者の議論も長々と
続き、読んでいるこちらにはさっぱり理解出来ないので眠くなってきます。「熱の分布を曲率に置き換えて、その移動を多様体の位相同型を保った可逆的、連続的な変形と捉えれば、
多様体の安定性が証明できるということだよ。つまり、ある種の多様体に対するリッチフローのリアプノフ関数がすべて球面に安定するなら、その種の多様体はすべて球面に
位相同型だと言えるということだ。これは本質的に分類の問題だから、あるいはサーストンの幾何化予想を証明する手がかりになるかもしれん」って何のことか解かります?
いったいこの本は誰に向けて書かれているのかと首を傾げたくなります。この館のトリックもギリギリ成立しているような印象です。もっと独創的なトリックを見せて欲しいと
思います。前作にも出ていた主要な人物が今回も姿を見せます。その人物が最後にある人物に、すべてはオイラーの等式にしたがっているだけと言います。これも
さっぱり解かりません。なんのこっちゃ。
主人公は放浪の天才数学者です。恐ろしく難解な高等数学の問題あれこれをのべつ間もなく喋ります。ポアンカレ
予想とか単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相であるとか、さっぱり解かりません。
一作目はオーソドックスな書き方で、不思議な形容の館に招待された主人公の数学者十和田只人と彼にまとわりつくルポライターの陸奥藍子の二人。
他にも各界の天才と評される人々がいた。そして不穏な雰囲気の夕食会が終わり各人割り当てられた部屋に消える。翌朝館の主人が無残な姿で発見される。さらに第二、第三の被害者が・・・。
そんなストーリーです。殺人現場は不思議なあり方でフーとホワイとハウが揃います。しかし、犯人指摘の前にハウダニットです。どの様に犯行をなし得たか証明しなければなりません。
その謎に挑むのが放浪の天才数学者十和田只人という趣向です。メイントリックは壮大な仕掛けとして理解できますが犯意が理解出来ませんでした。しかも、主人公の変人じみた
数学の難しい話ばかりでは付いて行けません。もう少し人間的魅力を加味していかなければと思います。最後にドンデン返しがありますが、登場人物から予想がつく範囲内でした。
でも、デビュー作としてはレベルは高いものです。十和田只人を主人公にしたシリーズになるのでしょうか。
「双孔堂の殺人」は物語の始めに十和田只人が犯人として警察に逮捕されてしまいます。Y湖畔に伝説の建築家が建てた鍵形の館「双孔堂」そこで起きたふたつの密室殺人。館を
訪れた東京の警視がいろいろと調べ、見聞きした事柄を十和田只人に聞かせます。つまり今回彼はアームチェア・デイテクティブの立場になります。警察の取調室にいて
与えられた情報を組み立てて犯人を指摘するという展開になっています。しかし、相変わらず難しい数学の話のオンパレードです。館にいた二人の数学者の議論も長々と
続き、読んでいるこちらにはさっぱり理解出来ないので眠くなってきます。「熱の分布を曲率に置き換えて、その移動を多様体の位相同型を保った可逆的、連続的な変形と捉えれば、
多様体の安定性が証明できるということだよ。つまり、ある種の多様体に対するリッチフローのリアプノフ関数がすべて球面に安定するなら、その種の多様体はすべて球面に
位相同型だと言えるということだ。これは本質的に分類の問題だから、あるいはサーストンの幾何化予想を証明する手がかりになるかもしれん」って何のことか解かります?
いったいこの本は誰に向けて書かれているのかと首を傾げたくなります。この館のトリックもギリギリ成立しているような印象です。もっと独創的なトリックを見せて欲しいと
思います。前作にも出ていた主要な人物が今回も姿を見せます。その人物が最後にある人物に、すべてはオイラーの等式にしたがっているだけと言います。これも
さっぱり解かりません。なんのこっちゃ。