Mのミステリー研究所

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まだ読んでいないアナタにとっておきの一冊をご紹介。

「壺中の天国」倉知淳のミステリ

2014-05-18 12:51:12 | ミステリ小説
                                             

倉知淳は「星降り山荘の殺人」が有名な作家です。これはよく出来たミステリとして絶賛を浴びました。この著者は長編があまり多くないのですが
この「壺中の天国」は長編で、なかなか読み応えのある内容で面白かったです。この物語のメインは動機探しです。小さな町で起きる連続殺人。その被害者たちには何も共通する物がない。
いったい何故被害者たちは狙われたのか。全くの通り魔の犯行なのか警察の捜査も難航します。物語の合間合間に挟まれるオタクらしい人物のモノローグ。そしてばら撒かれる怪文書。支離滅裂な内容の
怪文書。犯行声明とも取れる怪文書は何を意味するのか。読んでいて困惑するばかりですが、でもすべては一点に向かっています。散りばめられた伏線も読み終えればなるほどと納得です。
全体の構図も細やかな描写も職人技を思わせる内容でとても面白く読みました。壺中の天国の意味、そこからこの発想を得たとしたら、いやプロットから全体を見渡せる言葉としてこの壺中の天国
というタイトルを持ってきたとしたら、倉知 淳なかなかやるなとニヤリとしてしまいます。


                           



                                                                   


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