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今日のテーマ:死刑その2

2008年01月25日 22時27分48秒 | 死刑制度と廃止について
★私の経験(1)-特定の「死刑囚」への関心から「消極的廃止論者」へ

私が死刑について考え始めたきっかけは、無実の死刑囚の存在でした。
「彼らを死刑にしてはならない」と考え、またそのことを訴える行動にも参加しました。

次に、有実の死刑囚の中にも、どうしても量刑不当と思われる人がいることに気付きました。
「彼らを死刑にすべきではない」と考えました。しかし、それはより小さな声の訴えになりました。

ただ、具体的な事例があるので、「彼らを死刑にしない」ために、
「死刑は廃止しておくに越したことはない」という考えにはなりました。
いわば、消極的死刑廃止論者です。

★私の経験(2)-「図説 死刑物語」との出会いから「積極的廃止論者」へ転換

この本を私なりに紹介すると、人類が死刑という風習を持つに到った過程を克明に研究した本。

☆以下はamazon.co.jpより。
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図説 死刑物語―起源と歴史と犠牲者 (単行本) 356ページ
カール・ブルノー レーダー (著), 保倉 和彦 (翻訳), 西村 克彦 (翻訳)
出版社: 原書房 (1989/10)

目次

第1章 死刑の誕生(その温床
血の復讐
人身御供
死刑に値しい最古の罪)
第2章 古代の刑種(追放、石打ち、断崖からの突き落とし
十字架と架刑
絞首刑
斬首刑
車刑、四つ裂き、切り刻み
溺殺と生き埋め
火刑
魔女妄想)
第3章 近代的な処刑方法(ギロチン
近代的な絞首台
電気椅子、ガス室、銃殺)
第4章 死刑の周辺(執行吏について
死刑をめぐる賛否両論)
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☆カバーそで文字から。
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 執筆当時、世界のどこかで、平均して3日に1件の死刑執行があったと報じられた。いちばん例の多いのがイランであるが、アフガニスタン、イラク、ガーナ、アルジェリア、モザンビーグ、ソビエト、中国、ネパール、パキスタン、アメリカ合衆国、南アメリカでも処刑があった。・・・

 死刑は、ある社会に支配している不自由さの程度をはかる尺度である。不自由というとき、たとえば法律による直接的な圧力だけでなく、因習、習俗、世論その他のおかげで生ずる堪えがたい重荷といった、かくれた圧力をも考えねばならない・・・
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分厚い割に、引き込まれるように読み進められる本でした。
血の復讐、人身御供から始まり現代にまで持続するその奇妙な儀式の意味。
集団的な不安感の安全弁というその役割の本質。
具体的な歴史的事象から綿密に解き明かされる、人間の心理の真実。
この本を繰り返し開くことによって、私は、
「人間は死刑を克服しなければならない」という確信的な死刑廃止論者になりました。

誰もが、人生で何度も死刑について考える機会があると思います。
あるいは、そのことはすでにわかりきっていて考えるにも値しないと思うかも知れません。
何としても、この本を一読しておくことをお勧めします。
現在amazon.co.jpでは32点の中古商品が入手可能らしい。もともと2500円した本ですが、最安値は146円だからお買い得だと思います。私もこの機に買い占めたいくらい。

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