宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

カラ売り屋シリーズ マネーモンスター (幻冬舎単行本)

2024-06-20 11:52:39 | 本のこと




 株の空売りで稼ぐ企業が、目を付けた企業のレポートをリリースし、それと同時に空売りを仕掛ける物語で、対象企業別の三話で構成されている。
ただ、目新しい状況や展開ではなく、冗長な感じは否めない。

 なので、読了しないまま終えるかも。
何故なら【読むべき本】が行列を成しているから。



 しかし、空売り企業が仕掛け先の瑕疵をレポートとして市場に流布する行為は、【株価操作】には当たらないのかねえ・・・











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握る男

2024-06-16 10:59:38 | 本のこと







 寿司屋として、食を支配しようとする、突出した男ゲソと、六つも年下のゲソに支配されてしまう金森が中心になった物語。
他人をコントロールし、その為には殺人すらも犯してしまうゲソに恐怖、畏敬、そして共感、ひいては憧憬にまで転じてしまうカネの心の変化を通して、人が人に完全に支配されてしまう理不尽さが描かれている。

その、着々と積み重なる過程が痛快だったが、そこから先、頂点に至るまでの描写は端折りすぎではないか?
また、ゲソがやがて恐怖に支配されて、落ちてゆく過程も、まるでジェットコースターのようで、無理やり感が否めない。

 でも、面白くなかったか?
と問われれば、興味深く読んだ。

 なので、中くらいのオススメ・・・








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間借り鮨まさよ

2024-06-16 10:50:49 | 本のこと





 私の好きな、料理のことや、飲食店にまつわる人々のハナシ。
主人公まさよが間借り先を替える地域やカテゴリーごとの、三つからなる短編集。

 そして、そこに通底するのは、【のほほんと笑って暮らしてゆきたい】という、まさよの人生訓といったもの。
面白かった、オススメ。













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芸人交換日記~イエローハーツの物語

2024-06-13 12:46:06 | 本のこと






 トリガーがなんだったのか?
そいつは覚えてないけど、図書館に予約を入れてあった本。

流石、長年放送作家としてトップを走ってきた人の小説。
芸人という特殊な世界の悲哀がよく表現されている。

 ま、そんなとこかな。
しかし、なんで引退するのかねえ。
やっぱ、〆切に追われるしんどさが嫌だったのか?
それとも才能の枯渇か?

 ゆっくりして、こんだ、小説を書けばいいよ・・・










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半生の記

2024-05-12 10:32:46 | 本のこと




 松本清張が世に出る前の臥薪嘗胆時代の記録。
昭和38年から40年まで文藝に連載されたものと、昭和51年に読売新聞夕刊に連載された三篇から成り立っている。
なので、重複する部分もあるし、行ったり来たり感も拭えない。
それと、恐縮ながら、文章が稚拙な気がする。

 そして、【白い絵本】の冒頭部分では、
私に面白い青春があるわけではなかった。濁った暗い反省であった。
と言い切っている。

事実、貧乏な家で育ち、後には親や家族を養うことに拘泥し、自由な青春時代は無かったようだ。
上の学校にも行けなかった身の上が恨めしく、劣等感を抱えて過ごしたらしい。

そう言われれば、菊池寛を描いた【文豪、社長になる】に見られる、作家同士の談論風発といった環境からは対極にあるように思われる。


 私は、一度だけ、生の松本清張さんを凝視したことがある
そこにはこう書いてある。

 彼をこの目で見たのは、大学2年の頃だったと記憶している。
明治大学和泉校舎の講演に彼がやってきたのだ。
明治大学の文系は、1~2年の教育課程は和泉校舎で、3~4年は専門課程に進み、お茶の水校舎に移る。
その和泉校舎での講演を何故彼が受けたのか?
詳細は知らないが、学園祭とかそうした流れではなく、単独講演だったのである。
高校時代に「点と線」を読んで感銘を受けていた私は勿論、最前列に陣取った。
やはり、あのたらこ唇は凄かった。



 先述したように、この本の最後の三篇は、丁度その頃のコラムだったと知って、なんだか感慨深い・・・











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永遠の旅行者

2024-05-11 11:22:29 | 本のこと






 何度目かの無料お誘いを受けて、再開しているオーディブル。
今聴いているのは、この作品。
なかなか面白い。

ただ、手を止めてじっと朗読に聴き入るのは勿体ない気がして、そのタイミングは二通り。
その一は眠りに入る前。
その二は朝のウォーキング。

 歩きながら眠るほど器用には出来てないので、ちゃんと聴き続けられるが、睡眠時はやっぱダメ。
つい眠ってしまう(当たり前田のクラッカー)。
何処まで聴いたかを探りやすいようにタイマーを30分にして、夜中に何度も更新する。
もしかするとそれが睡眠の質を下げてる?
わかっちゃいるけどやめらんない、アソレスイスイス~ダララッタすらすらすいすいすい。
それで、タイマーをセットしないで聴いてみれば、明け方まで再生されることもしばしばある。

 そんなこんなで、『なんで?いつそうなった?』と思いながら聴いてるんだけど、その寝落ちした部分を探すのは面倒。
で結局薬局、不明部分は無視して先へと進むのだが、疑問は燻ぶったままなんである。

 そこで一計を案じた。
『もうしゃあない、改めて本を読み直すのよ』と、開き直ることに。


 てな訳で、図書館に予約を。
その際に判明した事実がある。
音声だけで頭に描いてた文字のこと。
主人公の名前はキョーイチ、それが、私の脳内では京一なんだけど、文字の世界では恭一らしい。
こうなると、ビミョーにイメージが変わってくる。
やはり、私にはリアル本が良いということだろう。


 もし私が電車で通勤するようなサラリーマンなら、オーディブルは重宝する仕組みなのだろうが。
悲しい哉、私は田舎の酒屋。
そして、効率重視の体質の上で、いつも忙しがってるオジイ手前・・・












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夜露がたり

2024-05-08 16:34:28 | 本のこと






 これまで歴史ものと武家ものを描いてきた著者初の「市井もの」ということだが、特に取り立てて感じ入る作品ではないような。
なので、二編だけ読んで、本日図書館に返却した・・・








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中陰の花

2024-05-08 16:20:16 | 本のこと






 僧侶が思う死とあの世、霊の存在、そしてその交信等、興味があったので図書館で借りてみた。
あまり私の心象とはシンクロしなかった。

 芥川賞受賞作品とのこと、ページ合わせの様にくっついていた短編「朝顔の音」はもっとシンクロしなかった・・・













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ゴドーを待ちながら

2024-03-30 11:48:54 | 本のこと




 ゴーグルの下に貼り付いてある見出しに釣られて、この本の存在を知った。
時代小説作家として、近年頭角を現した砂原 浩太朗の新作だ。
これは読まねば、と早速図書館に予約。






 そこから、芋づる式に次々と興味深い作品が湧いてきたので、それらを予約カートに入れてゆく。
そう、予約上限の5冊を超えているから、取り敢えず予備軍のリストの中に入れておき、次のタイミングでそこから予約をするという段取り。
本好きとしては、この流れは喜ばしいこと。

 そんな流れの中でホワンと浮かんだのが、この本。








 不条理演劇の脚本として、門外漢の私でもその存在を知っている著名な作品。
しかし、これは図書館の蔵書にはなかった。
リクエストするか、それとも買ってしまうか?



 思案橋・・・





追記
思い違いあり。
夜露がたりに行き当たったのは、ゴーグルではなく、Xのポストだった。




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喫茶おじさん

2024-03-15 15:25:29 | 本のこと




 おじいに近いおじさんのくせして、喫茶店のハシゴをして、スパゲティやらサンドイッチやら甘味なんぞを食べまくる。
おじいにこんなことはあり得ない。
胃がもたれてやってられない。
これは、若い女子の感覚である。

 ま、それは良しとして、サンドイッチが食いたくなった。
でもあれ、結構手間が掛かる。
昔珈琲専門店に勤めていたときには、ツナサンドや卵サンドの具は私が作っていた。
なので、それなりに美味いものは作れる。

 が、メンドーなので、次の定休日にはハローズでBLTなんぞを求めてみよう。


 あ、本の内容だが、エピローグで報われた・・・










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オーディブルで日本の黒い霧

2024-01-31 12:43:59 | 本のこと



 中学生の頃、シベリア抑留の末に脱走、敗戦に振り回された経験をもつ社会科の先生がおられた。
今ならかなり問題になるような発言を授業の中で繰り返す、【戦後はまだ終わってない】という思想の権化のような教師。
私は、その教えを興味深く聞いた生徒の一人である。

 そんな中でも、強く記憶に残っているのが、国鉄三大ミステリー事件
下山事件、三鷹事件、松川事件、どれも当時の国鉄を舞台にした不審な事件、事故。
特に、当時総裁だった下山氏の死因については、まるでミステリー小説が一本書ける内容。
ただ、当然のこと、おどろおどろしい経緯を文字で追いかけるのはしんどい気がして、これまで手を付けられずにいた。



 それが、いつもの『ユー、向こう三か月半額にするけん、また入らんで』とのお誘いが掛かったオーディブルにあったので、睡眠導入剤代わりに聴き始めた。

すると、これがハマった。
ミステリー小説大家である松本清張の流石の取材力に唸る。


戦争に敗れ、アメリカ軍の占領下、日本国内では奇怪な事件が連発した。
国鉄総裁が轢死体で発見された「下山事件」、民間飛行機「もく星」号の墜落後の隠蔽工作、昭電・造船汚職の二大疑獄事件、現職警部が札幌路上で射殺された「白鳥事件」、衝撃では「ゾルゲ事件」に劣らない「ラストヴォロフ事件」……こうした事件の捜査は、占領軍と日本側の権力筋の強権によって妨害された。
多くの資料と小説家ならではの考察で真相解明しようとした金字塔的ノンフィクション。



 オススメ・・・












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こんな感じで書いてます

2024-01-21 12:22:00 | 本のこと








 物書きになる経緯の時代背景から察するところ、同年代?
調べてみれば、著者は私より二つほど年長。

 ネタのストックについて触れているところで思ったこと。
『ネタがないと書けないものなのか?』
私はこれまで、プロットというものは、ヒントさえあれば頭の中で創造するものだと考えてきたから、不思議な気がした。

 それと、文中に登場する麻雀の上手い後輩女流作家について。
実名を挙げていたので、気になって調べてみると、30と数歳で自死したようだ。
他の部分は割と事実に沿って書かれてあるのに、その点については一切触れられてないのは何か書けない思いがあったのか?

 いずれにしても、私の好きな映画の原作者ということが判明。
なので、少しこの人の作品を追ってみたいと思っている・・・








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TEN

2024-01-21 12:15:15 | 本のこと









 お涙頂戴志向の強さはこの著者の特徴か。
それが、読んでて少し気恥しい思いを持つのは、読み手がスレてるからなのかも知れない。
ただ、痛快な流れは、カタルシス。

 それと、主人公のニックネームたる【てん】と読む漢字で全ての章をうめているのには少々驚いた・・・






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木挽町のあだ討ち

2023-12-28 12:08:30 | 本のこと




 古代日本のカースト制度と呼んでもいい、士農工商という職業で分ける格付け。
武士を頂点とした、略取、搾取の時代。
貧富の差を越えた、餓死すら招く貧民層。

 ただ、武士の世界もそう安穏とはしていられない。
正義と矜持に生きるか、実を取るか。


 そうした立場の違いを、それぞれの観点から、仇討という特殊な事例に絡める。

 上手い、読み応えあり、おすすめ・・・





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シェニール織とか黄肉のメロンとか

2023-12-24 14:46:18 | 本のこと




 初老に差し掛かった学生時代の仲良し三人組の女性たちに纏わる日々の食や酒や性のハナシ。
それぞれに繋がる人達が入れ代り立ち代り登場する忙しい構成。
 
 その上で、さしたる盛り上がりもなく、淡々と時間が流れてゆく。
まあ、リアリティがあると言えばあるか。

 要するに、出来の良いエッセイを読む感じ、とでも言えばいいか。








 なんだか既視感があると思ったら、この本の内容とよく似ている。
時間や空間を超えた関係性が。

 ただこの本は、図書館の返却日が到来したので、読了出来てないのだが・・・





 


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