宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

注連縄

2023年12月31日 11時31分22秒 | 徒然




 大晦日のルーティンワークの一つ、それは、注連縄作り。
宝島、チュー太郎、倉庫、自室と、四つのそれを構えなければならないので、私は毎年パーツを買ってきて自作する。

そのとき、いつも思うことは、『羊歯(しだ)の葉は垣生山に生えとるんやけどなあ』ということ。
けど、実行出来たことはこれまで一度も無かった。

それが今年、最後の定休日、いつもの山のサウナが改装中で行けなかったので、垣生山に登った。
北の斜面に羊歯が密生しているのを知っている。





事前に、ポリ袋と鋏を持参。
二枚の葉の元の茎を切る。
大き過ぎず、小さ過ぎない葉が一対になったものを厳選する。






 そして、大晦日、私は店番をしながら、志ん朝の【芝浜】をBGMに注連縄を作る。
縄と羊歯を重ねて、それを細い銅線で束ねて、引っかけ部分になる輪を作る。
この銅線は、昔、倉庫に一升瓶プラケースを積み上げて、横刺し保管用に組み立てたときのもの。
そいつをバラしたときに取っておいた。
去年、それの入ったポリ袋を足元に置いておいたものがそのままの形である。
我ながらその呑気さに飽きれる。


 




 私には、まだそうした常識に捕らわれない、と言えば格好良いが、常識はずれなところがある。
それは、注連縄に対する考え方もその一つ。
普通は、七草が終われば、役目を終えさせるそれを、私の場合はそのままにしておく。

そして、丁度一年経った大晦日の夕方、宝島の営業を終えた後に懸け替える。
この一年の風雨に耐えたそいつを心の中で褒めながら。
『来年も頼むよ』
と。











 さあ、後半日。
色々あるが、何とか年越し。


 それでは皆さま、良き御歳をお迎えください・・・




落語22 古今亭志ん朝 芝浜







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