宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

ロード・トゥ・パーディション

2010年06月23日 10時53分09秒 | 映画のこと


昨日は特に予定のない定休日。


いや、厳密には予定はしっかり組んでいた。
久しぶりにサウナへ行こうと決めていたのである。
そして、残りの時間は終日「読むべき本」の読書に当てようと・・・


しかし、サウナと水風呂ですっかりホリデーモードに突入してしまった。
帰りがけにツタヤに寄って適当なDVDを借り、その後スーパーでにぎり寿司のパック詰めを求める。


3時間ほど湯に浸かったりサウナに入ったりした(そのほとんどは素っ裸で外のチェアに座って読書なんだけど)挙げ句、最後の辺りは、後の愉しみの為に水の補給を止めたお陰ですっかり喉が渇いている。


そう、後の愉しみ=生ビールだ



昨晩封を開けたばかりの一番搾りの美味いこと美味いこと。
そのクリーミーな泡は目を楽しませてくれるし、なめらかな喉越し、口中に広がるふくよかな香りについグラスを重ねてしまう。
(私は自分で飲むときはピルスナーグラスで飲むのが好きなので、何度もおかわりをしてしまう。)


昼間から好きな酒を飲んで酔っぱらう。
なんと贅沢なことか。
これぞ休日・・・なんて・・・そんなこんなで読書の予定が映画鑑賞に化ける。




そうして観たのがこれ↓


ロード・トゥ・パーディション (特別編) (ベストヒット・セレクション) [DVD]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン





私は、カポネの時代のギャングものが好きだ。

古き良き時代のアウトローたちの生き様にちょっとした憧れのような感情を抱いている。



この映画、まず絵が綺麗だ。
雑踏、ビル、車、道、家、車庫、ホテル・・・

一番ぐっときたのが、町はずれにポツンと一軒だけ建っているドライブインの夕景。
如何にもアメリカらしい。



勿論俳優陣もそれぞれに素晴らしいが、とりわけ驚かされたのがジュード・ロウ。
男前の優男というイメージが一変、偏狂的な殺し屋といった役所をみごとにこなしている。

彼はハゲてた?
それともあれはそう見せるテクニック?


ハーパー刑事でお馴染みのポール・ニューマンは歳をとった(てか、もう鬼籍に入ったようだけど)。
若かりし頃を知っているだけに、無常の想いと同時に、ホントに老いるということはこういう顔になるんだなあと再認識。
まるで老けメイクを施した昔のポールを観ているような錯覚に陥る。




さて、テーマだが、父子の愛情といった感じだろうか。

二組の父子を対比させることで、形は違えどそれぞれの親の思いといったものが描かれている。

組織の親分と、その不肖の息子。
これが、最近のボンド役をやっているダニエル・グレイグときたもんだ。
あの鍛えた体は一度も見せることなく、不出来な息子役をうまく演じている。

そして、その子分とその息子。

こちらは、父親を敬愛する息子と自分と同じ道には進ませたくないと案じている父親の、最初はぎこちないが、アクシデントを乗り越えることで深くなるその絆が描かれている。


perdition
[名][U] 1 ((形式))(魂が)地獄に落ちること;地獄  Go to perdition! ばち当たりめ.2 ((古風))完全な破滅.



悪事を重ねてきた者たちの覚悟ともいうべき観念だろうか。

食えない自分を拾ってくれて家族のように接してくれた恩を忘れず、親父のごとく崇めてきた親分を射殺するそのとき、
その親分(ポール・ニューマン)が、
「最後がおまえで良かった」とつぶやく。

そして、その前に、
「ダメな息子だとは判っている。だが、おまえに殺させるわけにはいかない」と。

すると、子分(トム・ハンクス)が、
「あんたが亡くなれば、早晩息子は消されるだけだ」と。


それを受けた親分が、
「それも判っている。どうせ俺たちはみんな地獄行きだ。それでも、それを少しでも遅らせてやりたい」と。




そのずっと前のシーンでは、親分はこうも言う。
「息子は父親にとって足枷以外の何者でもない」


親分は、どうしようもない息子でも溺愛していた。
ただ、親分の失敗は、その息子を自分と同じ道に引き入れてしまったこと。




それがラストシーンで見事に描かれる。
これ以上はネタバレになるので割愛・・・と。





最近は下手な邦題をつけずに、原題のまま公開することが多くなったが、
この映画もその好例だと思う。



もう一度書こう。



perdition
[名][U] 1 ((形式))(魂が)地獄に落ちること;地獄  Go to perdition! ばち当たりめ.2 ((古風))完全な破滅.



アウトローの死生観と家族に対する愛情。
そんなものを表現したかったのか?

これ、単語の意味を調べて初めて気づいたことなんだけど。



え?
私の語彙(ごい=ボキャブラリー)力なんてそんなものさ。



お恥ずかしい・・・・






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