一番搾り 無濾過 ＜生＞

美味そう・・・




ベルギービールが上面発酵のにごりビールならば、これは下面発酵のそれに当たる。
シメイに代表される修道院ビール等、ベルギービールの賞味期限が吃驚するほど長いのに反して、２ヶ月という賞味期間である上に、メーカーから我々小売店までを一環して冷蔵保管を保つ必要性から見ても、下面発酵とはヤワなビールなのかなあと思ってしまう。

でも、我が国ではそれが主流。
チェコのピルゼンが発祥と学んだピルスナータイプ一色なのである。
おまけに、ご丁寧にそれを濾過する。
それも、加熱処理をせずに「生ビール」と名乗りたいが為に超微細なフィルターをかますから、その旨味まで除去してしまうようだ。

そして、その除去してしまう酵母に必須アミノ酸やビタミンが含まれていて、いわゆる健康食品として別売されている。
昨今よくその宣伝を目にするエビオス錠なんかがそれに当たる。

だから我が国の売れ筋ビールはお茶がわり程度なのだと、私は感じている。
それは、果たして国民性なのか、それともメーカーの商業主義の結露なのか？

綺麗な黄金色でクリアなビールは見た目に受ける。
その上、日持ちもする。
そんなご都合主義に飼い慣らされているとまで言うと、怒られそうだからこの辺にしておこう（笑）



さて、そうした事情を乗り越えて頑張っているのがキリンのチルドビールシリーズである。



先行３アイテムに






これが加わった。




そのＣＭの予算は尋常ではないと感じている。

元々は「まろやか酵母」がコンビニ専用商品として開発された。
流通新聞でその存在を知った私は、いよいよ売り場の選別が始まったと思った。
確かにコンビニ向けの商品だ。

そして、あとの２アイテムも投入。
この段階で、その枠をはずして、一般の酒販店にもルートは出来た。
ただ、その段階では、多分厳しかったろう。

好事家としては垂涎の品であっても、一商売人としては、その扱いに難儀する予感がしたのと、当時は、我々ぷちショップグループで傾注していた銀河高原ビールという、バッティングする商品があったので、私は動かなかった。

それがここへきてあの宣伝量。
キリンさんいよいよ本気になったなと感じた。
ここまでの３アイテムでのテスト完了、そして二極分化する客層に向けての、満を持しての提言。

それがこの一番搾り無濾過＜生＞だと感じている。
ただ、何事にも気づきの遅い私のこと、折角それを求めてきたお客さんに空振りをさせてからこれに気づいた。

勿論、主流はスーパーやコンビニの売り場になるだろう。
だって、そういう購買行動に沿った商品なのだから。
さりとて、ルートを解放して、全国展開している以上、そして何よりもそういうビールが好きな私の店であるからこそ、並べておきたい。


ただ、愚痴を承知で独りごちさせてもらうならば、強者の宣伝力の前に儚く西日本から撤退していった銀河高原ビールを思うにつけ口惜しい思いが残る。




さて、では昨晩のチュー太郎メモを開陳。


とれたてホップ一番搾りやプレミアムモルツと同じタイプの香りに深みを与えた感じ。
ハーブの青い雰囲気の中に、獣臭の因子を感じる。
のどごしに存在感がある。
コクのある味わいが通り過ぎた後、口中に残る含み香が絶品。
上品な苦みの余韻が比較的長く続き、すぐに次を飲みたくさせる。
これは食中酒にするには勿体ない。
酒主体で飲みたいビールだと思う。
もし、なにかつまみたいなら、そっちを従にするような何かの方がいい。
単純にカマンベールチーズが合いそうな気がする。

サイト上では青カビタイプが合うとあるが、私は敢えてそこまでしなくとも、ごく大人しい白カビ（カマンベールがそう）か、それこそプロセスチーズでいいと思う。

多分、サイト上では、チーズコーディネーターさんの役割上、特色を持たす必要があるのだろう（笑）



実は、他のアイテムも置いてみようかとの誘惑に駆られている。
私の悪い癖が始まった・・・