宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

フェリーに乗るまで

2006-02-01 12:45:48 | 徒然



京都での出来事を順を追って書いてきたが、これでようやく完結である。
なんと、1週間かかった。

22:40の大阪南港を出るフェリーに乗って帰る予定なのだが、それまでに5時間余りある。
一杯ひっかけて、映画を1本観られるくらいの時間がある。

京都で飲むのもいいが、やはり、少しでも港に近い場所の方が安心する。
JR京都線で大阪駅まで行く。

難波の方が多分色々な店があるんだろうけど、地下鉄を一旦降りると、1本で行くよりも切符代が高くつくということだけで、大阪駅を出た梅田で飲むことにする。

なんだか我ながらケチ臭い話だが、どうしても難波でなきゃならんという思いが希薄なことも一因しているのである。
だが、それを確認する必要もある。
だから、次は難波で飲んでみようと思う。

が、今回は梅田である。
よくは知らないが、難波がミナミと呼ばれて、大衆的な店が多いのに比べて、梅田は北新地という場所がキタと呼ばれて、高級店が多いらしい。

ただ、ひとつ筋をずらせば、お初天神なんぞがあって、その周りは大衆的な店が多い。

一度訪れた店は数店あって、そこが無難なことは判っているのだが、折角だから「開拓」したい。

色んな店を覗くのも勉強だと思っている。
だから、ここだと思えるファサードを有した店に行き当たるまで、歩く、歩く。

手荷物を二つ、ロッカーに入れることもしないで、提げて歩く、歩く。
手提げ袋の紐が段々指に食い込んでくる。

この荷物だと、客席の寸法を狭くとって、荷物置き場のない店(そういう店が多い)では煙たがられるだろうなあ。

ありゃ、ここさっき通ったなあ。
ああ~、Mクさんの店ここやったんやなあ~。
どないしょう、もう一遍曾根崎の方に渡ろうか・・・

と思っているところでようやく、「許せる」店に当たった。



これじゃあ全然判らないよねえ。
丁度撮影しているときにそこを目指すお客さんが来たものだから慌ててしまいました。

北新地のはずれにあるその店は、ビルの半地下のちょっと小粋なファサードを有する焼鳥屋さんだった。
店名は敢えて伏せておこう。

先客はリーマン風オヤジ2人。
多分18時過ぎくらいだったか、小一時間滞留したが、その後の客は無かった。



名物だというピリ辛手羽先揚げをいただく。
ウムなるほど、からっと揚がって、甘辛いしょうゆベースに胡麻の風味が楽しめる、美味い唐揚げである。



定番たるねぎまとハツ。
ねぎまはそのジューシーさ、塩梅、そして薫製香が抜群。
ただ、ハツは、ん?ズリ?というような臭みが少し気になった。

熟成皮タレ焼き?だったかな?
正確な名前は失念。
これは面白いメニューだった。
皮にタレをつけて焼くこと4日間。
毎日1回で計4回焼いた皮焼きである。
少し酸っぱさが出てきていて、珍味の部類ではある。

新居浜のいきつけと比較して、ちょっとずつ美味いかな。
値段もちょっとずつ高い。
でも、場所代を考えると、当たり前のことではある。

だから私的には、どちらにも軍配を上げたい気分である。

ただ、酒のチョイスは新居浜に軍配。
ここのは種類が少ないのと、焼き鳥との相性を意識しているとは言い難いような酒が置いてある感じがした。

確か、あの日は男山の特別純米だったかな?
その冷えたやつが出てくる。
香りも、味もサラリとしていて、良く言えば、障りのない味わいなのだが、意地悪く言えば、折角の焼き鳥の脂っこさとのマリアージュがない。

せめて、常温、出来れば燗ならもう少し違った感想を持ったと想像する。

長居は無用。
長居すれば根が生えて、燗酒くださいとか、いもの湯割をとか言い出して、どんどん飲み出すから危ない。
今日は独りなんだし、フェリーに乗り遅れると、悲惨な目にあうから次長、課長、もとい自重。


そんなこんなで、もう1軒と。
さっきお好み焼きの「千房」があったべな。
よく聞く名前だから、話のタネに入ってみよう。



しかし、箸袋をみて笑った。
なんだ、チェーン店で、愛媛にも何店かあるやん。



折角だから季節限定メニューで、冬のなんたら というのをオーダーする。
カキやなんやらといった冬食材が入っている。結構いい値段。
まあ、不味くはないが、特筆すべき味でもない。
(熱いカキとトッピングされたとろろいもの冷たいコラボと食感は良かったけど。)
ああ、豚玉で良かったかん・・・

隣のテーブルには乙女が4名。
みんな東京弁だ。
なんか変な感じ。
そういえば、さっきの店のリーマンも東京弁だったなあ。

あ~腹いっぱい。
もう酒を飲んでもさほど美味く感じないだろう。

無理してもう1軒回ることもない。
かなり早いけど、港へ行こう。

そんなこんなで港に着いたのが20時過ぎ。
あと2時間余りある。

この周りには何も無いことは薄々感じてはいたが、待合所でずっと座っているのも芸が無いから、また歩け歩け娯楽に切り替える。

さて、右に左に30分以上は歩いただろうか。
ほんとに何にも無い。

かろうじてうどんの屋台と、たこ焼きの箱バンが営業をしているのみ。

そんなに腹がすいているわけではないが、何事も体験と、屋台に入る。



ワンカップが400円。
おでんが1本100円。



数種類あるうどんが一律400円。
私は月見にした。

おいちゃん、袋をパリっと破ってうどんをゆがく。
おいおい、スーパーのうどんかいな。

酒の原価率50%。
食のそれは20%とみた。
光熱費やその他の経費を大雑把にさっ引くと、純利益は50%くらいあるのかなあ。

私の勘定は1200円。
平均客単価は1000円くらいだろうか?
一晩に50人来れば、25000円の日当か。
月25日の稼働として、625000円の月収だ。
20人程度しか来ないならば、250000円。
一体何人くらいくるんだろう。

なんてことを考えていたら、出航の約40分前に乗船出来ることになって、フェリーに乗り込む。
往路は貸し切り状態だったが、復路は4人の相部屋となった。

荷物を整理して、すぐに風呂へ。

船はこれがいい。

さあ、翌日からまた仕事だ。
それまではゆっくりくつろごう。

長きに渡った京都行き報告はこれにて落着。
おつきあいありがとうございました~・・・






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