私淑する中村天風翁の言葉を中村天風財団のメルマガより引用連載します。
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■ 中村天風 | 一日一話
元気と勇気が湧いてくる、哲人の教え366話
2021/12/12 沈着な心
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真に沈着な心こそが、
明澄(めいちょう)なる意識を生み出し、
明澄なる意識こそが
その行動を截然(せつぜん)として遅速緩急
まことによくこれを統御するものである。
すなわち武道の極意を把握するものや、
その他技神(ぎしん)に入るような
堪能精錬(たんのうせいれん)の人は、
皆この真理にしたがっているからである。
これあるがゆえに、
われらはこの真理を深く尊重し、
心に銘記して、
どんなときでも平素の言動をできるだけ
落ちついて行うように心がけよう。
中村天風
注)截然…ものごとの区別が
はっきりとしているさま
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▼一つひとつ落ち着いて物事に向き合う
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(以下、『心を磨く』第3章より引用抜粋)
昔の話ですが、柳生但馬守があるとき、
禅の坊さんで有名な沢庵禅師に、
こういうことを聞いた。
「一本の刃が目の前に現れたときは、
日頃会得しました剣の道で
あしらうことができます。
なれど、三本、四本、五本と数多くの剣が
目の前へ一時に出てきますと、
いかにともあしらいかねるような
気持ちになります。
一体かような場合に、
いかなる心構えが必要でございましょうや」
その質問を受けたときに沢庵禅師が、
「いとたやすいそれはお訊ねじゃ。
一本も数本も同じこと。
一本、一本あしらいなされ」
と、こう言ったっていうんだ。
つまり、沢庵禅師の言った言葉は、
一本出たって、五本出たって、
あしらうのは一本一本だから、
一本をあしらっているときと同じように、
一本一本をはっきりあしらえば
いいじゃないかと、こういう言葉なんです。
その心得がありゃ、
どんな場合にも、急ぎもあわてもしないで、
そして傍から見たらば、よくまああれだけの
忙しい仕事をやってるなと思うような、
用の多い仕事をするときでも、
どうにもしょうがない、なんていうことは、
決してそういう人間は心の中に
感じませんわね。
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