宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

寄せ豆腐

2006-03-18 09:57:38 | 食のこと


今朝は雨。
冷たい雨。
今朝の我が家の桜桃。
完全にピークを過ぎて、みすぼらしい花になった。
ちらほら葉が出始めたのが見える。




最近のお気に入り。
寄せ豆腐とか、おぼろ豆腐といった類は、木綿豆腐の倍から3倍の値段が通例。
いくら美味くったって、そう高くちゃあ、そうそうは買ってられない。
ところが、これは99円。
定番の木綿よりも安いくらいだ。
もしかするとこれは一時のことかも知れず、そうだとすると、いずれ定番化するときの値段にもよるが、今なら自然にこっちに手がいく。



して、考えた。
一体、寄せ豆腐ってなに?
どう作ってんの?
木綿や絹とどう違うの?

昔なら、図書館に行くか、物置にしまい込んだ百科事典を引っ張り出してこなくてはならないところだが、やっぱ、インターネットの存在はありがたい。

それによると、こうである。

豆腐作成のプロセスのなかで生まれてくるもの。
一般的な豆腐は、豆を砕いて豆乳を絞る。
そしてできた豆乳ににがりを入れる。
それを型に入れ、水を絞りながら固めてゆくと豆腐となる。
だが、寄せ豆腐は、固形状の豆腐にする前の形をいただくのである。
つまりこの固形状の豆腐になる前の形を寄せ豆腐(しみ豆腐)という。
豆乳ににがりを入れると固まり始める。
その固まり始めたものを”寄せ豆腐”として食するのである。
固形状の豆腐は、その製造過程で”固める”という作業がある。
固める作業では固まってきた豆乳から水を切っていく。
しかし、その水切りの過程で水分と共に豆のエキスを流していることにもなる。
そこに実は豆腐の豆腐たる本当の味が隠れているのである。
そういう意味では、豆腐の、いや大豆のエキスを丸ごと食することのできるのが、寄せ豆腐だと言えるのである。

なるほど、旨味成分が多い訳だ。


私は炊きたてのご飯に冷や奴でいただくのが好きである。
豆腐や醤油の旨味が引き出されるし、ひいては、ご飯の旨味までもが浮き立ってくる。

それを、この寄せ豆腐でやると、もひとつ凄いことになる。




これは地元の醤油。
ぶっかけうどん用に開発されたもの。




こういう感じで、寄せ豆腐に醤油をかけたものを箸ですくって、ご飯と一緒に食べる。
すると、段々豆腐が小さくなってきて、箸ではすくえなくなる。
その頃には、豆腐から滲み出た水分と、くだんの醤油がうまく混ざりあっているから、もう小皿ごとご飯に移して、口の中に掻き込む。

これがなんとも美味い。
どう言えばいいか、卵かけご飯をもっと和風で上品にした味になるのである。


ただ、この旨味の好みが同じ状態で継続するかどうかについてはまだ疑問の余地がある。
一時のマイブームだった冷凍うどんは、今では、やはり二の次になってしまったし、吟香華やかな酒よりも、どっしりとして、酸味のややある生もとが本来と思い始めた、それら、過去の心の変遷を思うとき、諸手を上げて、「これ最高!」とは言わない方がいいようにも感じていることも、また事実ではある・・・






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コメント (6)    この記事についてブログを書く
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6 コメント

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Unknown (ばにー)
2006-03-19 10:49:56
酒ブログ・・・・・

今見たら、2位でした!

おめでとうございますー!すごいですね♪



さてさて、この寄せ豆腐、おいしそう。。。。

今晩はこれにしよう^^;



返信する
そうなんですよ (チュー太郎)
2006-03-19 12:17:29
ありがとうございます。

お陰様です。



豆腐もですが、醤油でも随分違う味が楽しめますよ。

いい組み合わせがあったら教えてくださいね。
返信する
へへへへ・・・ (あなぐまちゃん)
2006-03-19 18:08:14
私ね!! お行儀悪いんですけど、御飯の上に豆腐と鰹節と醤油をかけて、箸でかき混ぜて、口の中に流し込む食べ方が大好き!! うまいんですう~♪

よせ豆腐買ってみますわあ~ 子供達が居ない時

に、ガツガツと・・ 

返信する
わかります♪ (チュー太郎)
2006-03-19 18:21:39
私が子供の頃はよくおかか飯を食べてました。

鰹節に醤油を垂らしたものをご飯にかけて、混ぜながら食べる。

あの頃はご飯の旨味だけで食べられた様な気がします。
返信する
は~い♪ (あなぐまちゃん)
2006-03-20 03:12:38
大好きでした!! 「ねこまんま」

亡き母の実家から送られてきたお米は、最高!!でした。

今は当店で1番美味しいお米を食べてますが、その味には、適いません。。

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究極は (チュー太郎)
2006-03-20 10:21:06
そいつにお茶をかけてすすることでした。

当時は、食べ終わった焼き魚(特に鯛)の骨にお茶をかけて、骨の周りの身を取って、そのお茶を飲むという凄いことを父親がやってましたので、それを真似て、よくやりました。

特段に貧しいわけではないのですが、時代背景がそんな倹約の風潮にあったように思います。

そういう意味では今の我が国は温故知新の精神を大切にすべきですね。

えらいところに発展してしまいました(笑)
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