マット・デイモン惑星に1人だけ置いてけぼり (1年ぶり2回目)
個人的には、後半とんでも展開になっちゃったインターステラーより面白かった。原作は2011年発行の「火星の人」。アメリカのタイトルもそのまま「The Martian」です。邦題は「オデッセイ」なのに、主人公、マーク・ワトニーの家族は全く出てきません。ルイス隊長のご主人や、マルティネス少佐の一家、子沢山なドイツ人宇宙飛行士のアレックス・フォーゲル一家や、同じミッションのベスとベック医師は恋人同士なのに、ワトニーには、家に帰ってから壮大な言い訳をシなければならない奥様はいないようです。
お話が始まるまでに、延々と主人公の地球で夫を心配する妻とか、出発前の涙の別れとかのしがらみや、お話最中の家族との遠距離通話で落涙ってシ-ンを見ずに済んだのは良かった。最初からいきなり火星で、ちゃっちゃと砂嵐、アンテナにぶち当たってふっとばされるワトニー、ぎりぎりまで探索を続けるも退避するアレス3のメンバー、そして気付いたら「俺、火星に一人じゃん!しかも怪我してるし!」なマークー、 で、本題に入ります。リドリー・スコット監督作品の、こういうドライさは好き。でも、彼特有のケレン味は今回抑え気味だったような。
そんな極限状態における、マークのバイタリティーとメンタルの強さに驚きます。刺さったアンテナを自分で抜いてホッチキスで傷を留めるという火星でブラックジャックした直後には、冷静に次の火星ミッション、アレス4号が来るまでの時間と食物残量を計算し、食料確保の方法を考え、実行する。そして、常にユーモアを忘れない明るさ。流石は、過酷な選択過程を経たエリート、更にとても厳しい訓練をくぐり抜けてきた宇宙飛行士です。正直、時に、ここまで脳天気でいいのか?って思ったシーンも有りましたが、笑い飛ばしでもしなければやってられないのでしょう。
丁度うまい具合に、マークはメカニック+植物学者なので、水、空気、電気も確保の上、じゃがいも栽培にも成功。いもは偉大だな。他にも人参とか豆はなかったのかな?完全有機栽培って自慢してたけ度、火星の土は放射能とか大丈夫なんでしょうか?そこんとこ、ちょっと謎。排泄物を火星の土にまぜて畑を作るシーンでは、鼻の穴に詰め物をして挑みます。乾燥した排泄物も、そんなに臭いとは…
ジャガイモ栽培だけではなく、マーズ・パスファインダーを見つけて地球との交信を成功させたり、実に有能、実にタフ!一方、マークが生存してることを知ったNASAも救出作戦を展開。今年はアカデミー賞ノミネートされた俳優20人全員が白人だったからと非難を浴びていますが、多くの賞にノミネートされているこの作品では、ミッションを率いるのは黒人、大切なヒントを思いつくのは黒人の学生と、実は気を使ってる感じ。この火星ミッションのパイロット、ルイス・、マルティネスはラティーノのマイケル・ペニャ。私、ペニャ好きなんです。どんな映画でも、ペニャが出るとホッとする。変に役幅の拡大とかって悪人の役はしないでほしいなぁ。
一度は追加食品等を載せたロケット打ち上げに失敗するも、中国の助けを得て、他の5人のクルーが乗るハーミス(ヘルメス)号に追加食料等を届けることに成功、一行は火星に戻ります。70年代のディスコ音楽が好きなルイス隊長(ジェシカ・チャスティン、知的で意思の強い女性の役がぴったり)癒しのパイロット、マルティネス、いいムードの若い二人と、影薄い(ごめん)アレックスと皆、任務を確実に遂行する気力と能力を有するいい人。変に話を盛り上げるための悪人がいないのも、この映画の魅力だと思います。
NASAが失敗したミッションを、チャイナマネーと中国の宇宙局が救うというのは、中国市場のヒットを狙ってかと思いましたが、ウィキ先生によると原作が発表されたのが2011年。この時には有人飛行や月面軟着陸を成功させており、米、旧ソ連に続く宇宙先鋒国と見なされての選択でしょう。ハリウッド映画の最新技術国といえば日本がデフォだったのに、なんか悔しい。
中国のロケットは無事にヘルメス号に届き、火星へ。そのころマークは、アレス4号の為に送られていたマーヴ目指して、改造したローバーで火星をひた走る宇宙最速の男。どっちへ行っても宇宙!どこへ行っても前人未到!作中、色んな事件は起こるのに、何故か淡々と物事が進んでいるような映画の中で、遂にスリリングな無茶振りランデブーを経て(ここんとこアニメみたいだった。アムロ~、こっち~)、今回はちゃんと地球に帰還できたマット・デイモンでした。
その後で、火星探索候補生の教官になったマークと、他の面々が映しだされます。アレス4号のリフトオフを見守る美男美女のルイス隊長夫妻と子沢山アレックス一家、赤ちゃんが生まれたばかりのアレス3カップル、そして無事ねす。アズ・ユージュアルなNASAの人達。フライトディレクターのミッチだけは、子どもとゴルフしてたけど、私が気付かなかっただけで、なにかクビになるような事やらかしてたのでしょうか?ショーン・ビーンだけに「実は裏切り者で途中で殺される(クビになる)」役だったの?
正直、ここんとこは蛇足だと思ったな。エンディングでスナップショット的に見せれば十分だったような。「グラビティー」で最後にタイトルが出て、おおー!みたいに、エルメス号に無事乗り込んだマークとクルーが喜んでて、地上でも皆がホッとした表情で終わった方が、余韻もあって感動したような気がする。最後のマークの授業んとこで、私は冷めちゃったですよ。何事も引き際が肝心…
ところで、こういう役って、一昔前だったら、絶対トム・ハンクスがやってたと思わない?なんだか後半は色々すっ飛ばしてる感じだったので、原作本も読んでみたいです。
個人的には、後半とんでも展開になっちゃったインターステラーより面白かった。原作は2011年発行の「火星の人」。アメリカのタイトルもそのまま「The Martian」です。邦題は「オデッセイ」なのに、主人公、マーク・ワトニーの家族は全く出てきません。ルイス隊長のご主人や、マルティネス少佐の一家、子沢山なドイツ人宇宙飛行士のアレックス・フォーゲル一家や、同じミッションのベスとベック医師は恋人同士なのに、ワトニーには、家に帰ってから壮大な言い訳をシなければならない奥様はいないようです。
お話が始まるまでに、延々と主人公の地球で夫を心配する妻とか、出発前の涙の別れとかのしがらみや、お話最中の家族との遠距離通話で落涙ってシ-ンを見ずに済んだのは良かった。最初からいきなり火星で、ちゃっちゃと砂嵐、アンテナにぶち当たってふっとばされるワトニー、ぎりぎりまで探索を続けるも退避するアレス3のメンバー、そして気付いたら「俺、火星に一人じゃん!しかも怪我してるし!」なマークー、 で、本題に入ります。リドリー・スコット監督作品の、こういうドライさは好き。でも、彼特有のケレン味は今回抑え気味だったような。
そんな極限状態における、マークのバイタリティーとメンタルの強さに驚きます。刺さったアンテナを自分で抜いてホッチキスで傷を留めるという火星でブラックジャックした直後には、冷静に次の火星ミッション、アレス4号が来るまでの時間と食物残量を計算し、食料確保の方法を考え、実行する。そして、常にユーモアを忘れない明るさ。流石は、過酷な選択過程を経たエリート、更にとても厳しい訓練をくぐり抜けてきた宇宙飛行士です。正直、時に、ここまで脳天気でいいのか?って思ったシーンも有りましたが、笑い飛ばしでもしなければやってられないのでしょう。
丁度うまい具合に、マークはメカニック+植物学者なので、水、空気、電気も確保の上、じゃがいも栽培にも成功。いもは偉大だな。他にも人参とか豆はなかったのかな?完全有機栽培って自慢してたけ度、火星の土は放射能とか大丈夫なんでしょうか?そこんとこ、ちょっと謎。排泄物を火星の土にまぜて畑を作るシーンでは、鼻の穴に詰め物をして挑みます。乾燥した排泄物も、そんなに臭いとは…
ジャガイモ栽培だけではなく、マーズ・パスファインダーを見つけて地球との交信を成功させたり、実に有能、実にタフ!一方、マークが生存してることを知ったNASAも救出作戦を展開。今年はアカデミー賞ノミネートされた俳優20人全員が白人だったからと非難を浴びていますが、多くの賞にノミネートされているこの作品では、ミッションを率いるのは黒人、大切なヒントを思いつくのは黒人の学生と、実は気を使ってる感じ。この火星ミッションのパイロット、ルイス・、マルティネスはラティーノのマイケル・ペニャ。私、ペニャ好きなんです。どんな映画でも、ペニャが出るとホッとする。変に役幅の拡大とかって悪人の役はしないでほしいなぁ。
一度は追加食品等を載せたロケット打ち上げに失敗するも、中国の助けを得て、他の5人のクルーが乗るハーミス(ヘルメス)号に追加食料等を届けることに成功、一行は火星に戻ります。70年代のディスコ音楽が好きなルイス隊長(ジェシカ・チャスティン、知的で意思の強い女性の役がぴったり)癒しのパイロット、マルティネス、いいムードの若い二人と、影薄い(ごめん)アレックスと皆、任務を確実に遂行する気力と能力を有するいい人。変に話を盛り上げるための悪人がいないのも、この映画の魅力だと思います。
NASAが失敗したミッションを、チャイナマネーと中国の宇宙局が救うというのは、中国市場のヒットを狙ってかと思いましたが、ウィキ先生によると原作が発表されたのが2011年。この時には有人飛行や月面軟着陸を成功させており、米、旧ソ連に続く宇宙先鋒国と見なされての選択でしょう。ハリウッド映画の最新技術国といえば日本がデフォだったのに、なんか悔しい。
中国のロケットは無事にヘルメス号に届き、火星へ。そのころマークは、アレス4号の為に送られていたマーヴ目指して、改造したローバーで火星をひた走る宇宙最速の男。どっちへ行っても宇宙!どこへ行っても前人未到!作中、色んな事件は起こるのに、何故か淡々と物事が進んでいるような映画の中で、遂にスリリングな無茶振りランデブーを経て(ここんとこアニメみたいだった。アムロ~、こっち~)、今回はちゃんと地球に帰還できたマット・デイモンでした。
その後で、火星探索候補生の教官になったマークと、他の面々が映しだされます。アレス4号のリフトオフを見守る美男美女のルイス隊長夫妻と子沢山アレックス一家、赤ちゃんが生まれたばかりのアレス3カップル、そして無事ねす。アズ・ユージュアルなNASAの人達。フライトディレクターのミッチだけは、子どもとゴルフしてたけど、私が気付かなかっただけで、なにかクビになるような事やらかしてたのでしょうか?ショーン・ビーンだけに「実は裏切り者で途中で殺される(クビになる)」役だったの?
正直、ここんとこは蛇足だと思ったな。エンディングでスナップショット的に見せれば十分だったような。「グラビティー」で最後にタイトルが出て、おおー!みたいに、エルメス号に無事乗り込んだマークとクルーが喜んでて、地上でも皆がホッとした表情で終わった方が、余韻もあって感動したような気がする。最後のマークの授業んとこで、私は冷めちゃったですよ。何事も引き際が肝心…
ところで、こういう役って、一昔前だったら、絶対トム・ハンクスがやってたと思わない?なんだか後半は色々すっ飛ばしてる感じだったので、原作本も読んでみたいです。