『源氏物語』9帖 葵(あおい)
正妻・葵の上と六条御息所の鉢合わせ
光源氏22歳-23歳春 近衛大将時代 葵の上26歳(死去)
夕霧1~2歳/六条御息所29~30歳/ 紫上14~15歳
[桐壺帝譲位]
桐壺帝が譲位し、朱雀帝が即位します。藤壺の息子である皇子(後の冷泉帝)が東宮、六条御息所の娘が伊勢の斎宮、弘徽殿女御の女三の宮が賀茂の斎院に。
[車争い〕
新斎院の御禊(ごみそぎ)の日、光源氏も行列に加わります。
この日、見物にきていた葵の上の車と六条御息所の車が争い、六条御息所の車は壊され、お忍びの見物も暴かれ散々な目にあった。プライドを傷つけられた六条御息所は怨恨を抱きます。
※写真は、「織物の上の牛車の飾り」/無料(フリー)写真素材を使用
[葵の上の死]
葵の上は源氏との子どもを妊娠中であったが、六条御息所の生霊がとりついて苦しみ、男の子(夕霧)を出産後に急死します。
巻名は光源氏と源典侍の歌に由来します。
「はかなしや人のかざせるあふひゆえ神のゆるしのけふを待ちける」
「かざしける心ぞあだに思ほゆる八十氏人になべてあふひを」
※写真は、「フタバアオイ」/無料(フリー)写真素材を使用
[光源氏、紫の上と結婚]
葵の上の忌みがあけて、光源氏は二条院で紫の上と結婚します。
[光源氏、葵の上をしのぶ]
翌年正月、光源氏は左大臣邸を訪れ、亡き葵の上との思い出話をして過ごします。
【源氏物語9帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮に恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮も藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
葵の上(あおいのうえ)
左大臣家の姫君であり、光源氏の正室。光源氏とは従姉(いとこ)の関係。
4歳年上で、素直でなく冷たい印象。夫婦仲は良くなかった。
妊娠すると、夫婦仲は改善の兆を見せるが、息子・夕霧を出産した後に亡くなってしまう。この時、葵の上には六条御息所の生霊がとりついていた。
六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)
前の東宮妃。夫の東宮が亡くなった後、光源氏と恋愛関係に。光源氏より7歳年上。美しく知性もあるためプライドが高い。
物事を考えこんでしまう気質であり、ついには葵の上と夕顔に生霊としてとりついてしまう。
六条御息所と前の東宮のとの間には娘がおり、のちの秋好中宮である。
紫の上(むらさきのうえ)
若い頃は「若紫(わかむらさき)」
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。
源典侍(げんのないしのすけ)
宮中に仕える女官であり、年をとっているのに色好み。恋多き女であった。
50代後半の頃、興味を持った光源氏と頭中将は源典侍と関係を持つ。
70歳前後まで長生きした。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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