『源氏物語』34帖 若菜上(わかなじょう)
女三の宮、光源氏の正妻に
光源氏39歳冬-41歳春 准太上天皇時代
紫上31~33歳/秋好中宮30~32歳
明石の君30~32歳/明石女御11~13歳
女三の宮13~15歳/玉鬘25~27歳
夕霧18~20歳/柏木23~25歳
※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。
[朱雀院、女三の宮を光源氏に託す]
年末に女三の宮の裳着の式が盛大に行われ、その3日後、朱雀院が出家した。朱雀院は女三の宮の行く末を思案し、光源氏に託した。
光源氏はやむをえず引き受けた。
光源氏から女三の宮との結婚を打ち明けられた紫の上は動揺するが納得する。
[光源氏、四十の賀]
翌年の正月、光源氏の四十の賀が催され、2月には女三の宮が六条院へ移った。
巻名は、光源氏の40歳の祝いの席に養女の玉鬘が若菜を差し出したこと
および光源氏の歌にちなむ。
若菜(わかな)は、春になって目を出す菜の類を言います。
「小松原末のよはひに引かれてや
野辺の若菜も年をつむべき」
※写真は、「フキノトウ」/無料(フリー)写真素材を使用
その後、紫の上は一人寝の夜が多くなった。
その月、朱雀院は西山へ移った。
光源氏は女三の宮の幼さに失望し、改めて紫の上の真価を思った。
[明石女御の出産]
翌年3月、明石女御(もと明石の姫君)は男の子(後の東宮)を産んだ。
明石入道はこれで宿願を果たし、深山に隠遁した。
[柏木、女三の宮を垣間見る]
その月、六条院で蹴鞠が催された。
たまたま走り出た猫の綱がからまって御簾が引き上がり、柏木は美しい袿姿の女三の宮を垣間見てしまう。
※写真は、「雛人形」/無料(フリー)写真素材を使用
柏木はその夜、小侍従を介して、女三の宮に切なる思いを手紙で伝えた。
【源氏物語34帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。
紫の上(むらさきのうえ)
光源氏の最愛の妻。女三の宮が源氏の正妻となることにショックを受ける。
胸の病気にかかった上、六条御息所の怨霊にとりつかれ、一時絶命するが蘇生。
しかし体調は完全には戻らず、43歳で亡くなる。
女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。
柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。
朱雀院帝(すざくいん)
桐壺帝の息子で、母は弘徽殿女御。光源氏の異母兄である。
光源氏と朧月夜が恋仲であることを知りながら、朧月夜を深く愛する。
やさしく穏やかな性格の男性である。
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』や『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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