食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

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なすは溜まった夏の熱を冷ます

2013-08-07 | 体の熱を冷ます
今日8/7は立秋、まだまだ暑い日が続いていますが暦の上では秋のスタートです。
薬膳では、秋分(今年は9/23)を境に、秋を前半と後半に分け、摂り入れたい食材を変えています。

前半のまだ暑い頃は、体の中に夏の余分な熱が残っています。
秋のはじめはこの余熱を取り、後半に向けてゆるやかに体を慣らしていく時期。
夏の余熱を残した体に秋の外気の乾燥が重なって来ると、かぜでもないのに咳が出る、便秘になる、皮膚がかゆくなったりするなどの症状が現れてしまいます。

そこで、きゅうりやとうがんなどのうり系、トマト、なすなどの体の余分な熱を取る食材に調整を手伝ってもらいます。
冷えすぎを抑えるため、生ではなく火を通して食べるようにしてください。

ということで前置きが長くなりましたが、今日のテーマは「なす」です。


漢方では熱による出血・高血圧や肥満の改善、むくみや黄疸を取る、消化機能を整える効果があるといわれています。
体を冷やす食材です。

「秋なすは嫁に食わすな」のことわざは、お嫁さんの体が冷えないようにと気遣っているという意味でなるほど頷けます。
でも、初秋の頃なら少しは食べてもいいと思います。
食べ過ぎてはいけませんし頑固な冷え体質なら話は別ですが、せっかく旬の美味しい時期なのですから、火を通してどうぞ楽しんでください。

カリウムが含まれているので利尿効果が期待できます。
紫の皮にはナスニンという、アントシアニン系の色素が含まれています。ポリフェノールの一種です。
アントシアニンは、ブルーベリーと同じく目の疲労や視力の回復、血管をきれいにする、活性酸素の働きを抑制する、などの効果が期待できるといわれています。

ちなみにこのナスニンは水溶性なので、水にさらさない方がいいそうです。
空気に触れるとあっという間に黒くなってきますが、切ってすぐに調理すれば大丈夫。

麻婆茄子、パスタ、カレー、みそ汁、なす味噌炒め、レンジ蒸しなす、豚肉となすの生姜醤油炒め…
焼きなすも大好きなのでよく作ります。
(せっかくの皮の効果をいただけないのは残念ですが ^ ^;)

焼きたてのアツアツで皮をむいて、まだ温かいうちにかつお節としょうがを乗せてポン酢をかけて。
しっとりやわらかくて、口に入れるとほろっと溶けていく食感がたまらないです。

この皮をむくのが、手は熱いしなかなか難しいんですよね。
お尻に十字に切れ込みを入れてから焼く、という自己流を続けていましたが、先日簡単にむく方法を教えていただきました。

焼きなすの皮を簡単にむく方法
(1)ヘタの下にぐるっと切り込みを入れてから、なす同士をぶつけ合い全体をたたいておく。
(2)皮が焦げるまでよく焼いたら、熱いうちに皮をむく。

(1)の工程は知らなかった。今度試してみます!

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/脾・胃・大腸

効能
熱を取り除いて血行を良くし出血を抑える、高血圧や肥満の改善
むくみを取る
消化機能を整える

取り過ぎた水分も出してくれるスイカ

2013-08-03 | 体の熱を冷ます
一時より落ち着きましたが、まだまだ暑い今日この頃。喉は乾くのに水分の取り過ぎでむくんでる気がする。
そんな時に食べたくなる「スイカ(西瓜)」が今日のテーマです。

漢方では、体内の熱を排出し、口の渇きを癒し、気力を回復させ、むくみを取るなどの効果があるとされています。

高熱、顔色が赤い、口が渇く、たくさん汗をかくなどの症状に使われる「百虎湯」という漢方薬に、スイカの効能が似ていたことから、昔の人には“天生の白虎湯”と呼ばれていたそうです。
白虎加人参湯という漢方薬は、この百虎湯に体全体の機能を向上させ元気にしてくれる人参が加わったものです。

スイカは90%以上が水分なので、渇きを潤してくれるだけでなく、カリウムの利尿作用によって老廃物の排出を促す作用があり、疲労回復が期待できます。むくみが気になる人にとてもいいです。
水分補給できる上に取り過ぎた水分は出してくれる、なんて都合のいい食材なんでしょう。

赤い果肉には、抗酸化作用のあるカロテンとリコピン(トマトでおなじみですね)が含まれています。

皮にアミノ酸の一種であるシトリンが多く含まれており、血管を若返らせる効果があり、新陳代謝の向上や動脈硬化の予防などその効能が注目されているそうです。

とはいっても皮を食べることはほとんどないですよね。私もほとんどありません。小さなスイカを丸ごと漬けた奈良漬なら食べたことがあるぐらいです。

わが家では旦那さんがスイカが苦手。残った皮の匂いにも反応するほどなので、いない間にこっそりカットスイカを食べてます(´艸`)
皮の効能を試す道のりは遠い…

ちなみに甘みを美味しく感じる適温は15度。冷やし過ぎると甘みが落ちてしまうそうです。
冷蔵庫でキンキンに冷やすと胃に負担がかかってしまうので、ほどほどが体に優しくて美味しいのです。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/心・胃・膀胱

効能
体内の熱を排出する、目の充血や喉の痛みの改善
口の渇きを癒す、口内炎をおさえる
むくみを取る

緑茶で体の中からひんやりと

2013-07-31 | 体の熱を冷ます
今日はお茶、主に「緑茶」についてです。

緑茶には、カロテン、ビタミンC・E、渋み成分のタンニン、苦み成分のカフェイン、うまみ成分のテアニンが豊富に含まれています。
タンニンは、ポリフェノールの一種であるカテキンを多く含み、発がん作用の抑制効果が期待できます。
ほかにも、血液をサラサラにする、血中コレステロールを減らす、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする、殺菌作用で口臭や虫歯を予防するなどの効果があり、とても体によさそうです(^-^)v

漢方では、頭痛、めまい、消化不良、むくみ、下痢、急性の腸炎や肝炎、高脂血症などに効果があるといわれています。
お茶のルーツ、中国の古い文献には「利尿効果があり、痰と熱を取り除き、口の渇きを癒す。飲むと眠気が去り、力が増え、心情が愉快になる」とあります。

ということで毎日飲みたいお茶ですが、緑茶は体を冷やします。
熱中症予防の水分補給に、利尿効果の高いお茶は不向きと最近いわれていますが、体を冷やしてくれる効果を期待して上手に取り入れるぶんにはいいと思います。
ただし冷え体質の方は、夏であってもキンキンに冷えた緑茶は、あまりおすすめできません。特に寒い時期は飲んでも少しだけにしてください。

私は緑茶が大好きで、日中は500mlペットボトルの冷茶を、夜は温かいのを湯呑に2~3杯ほぼ毎日飲んでいました。
その頃は何をやっても冷え症が改善しなかったのですが、冷茶は暑くてたまらない時だけにして、寒い時は温かい緑茶もできるだけ控えるようにすると、少しずつよくなって行き、1年ぐらいで冷えの症状が以前に比べて気にならなくなっていました。

もちろんほかの食べ物や生活習慣を変えた効果もあると思いますが、毎日摂るものは体に影響しちゃうのね~(^^;)と実感しました。
冷え体質でお悩みの方、実は好きで毎日食べたり飲んだりしているものの中に解決のヒントが隠されていますよ☆

お茶は発酵の度合いによって冷やす・温めるの性質が変わります。
おなじみのお茶を発酵度順に並べるとこんな感じです。右に行くに従って発酵度が高く、体を温める効果が強くなります。(体を温めるのは紅茶から)

緑茶(不発酵)烏龍茶(半発酵)|紅茶(完発酵)プーアール茶(もっと発酵)


※ジャスミン茶は、乾燥した花を使用する方が若干温める効果がアップしますが、茶葉に乾燥した花をブレンドしたものと、花の香りをつけただけのものがあったりとはっきりしないため、ここでは入れてません。

最後に、緑茶(煎茶)をより長く美味しく楽しむポイントをご紹介します。
お湯の温度は70度ぐらい。80度は超えないようにします。
お湯を注いだ後は、雑味を出さないために急須をゆすらない。
急須から湯呑に注ぐときは最後まで残さず注ぎ切る。
注いだ後の茶葉は、茶こしごと急須から出して冷まします。こうすると、もう1~2煎美味しくいただけます!
2煎目以降もお湯の温度は同じです。

いいお値段のお茶ほど、何煎も楽しめるようです。
中国茶の場合は緑茶と異なります。あるカフェのオーナーのお話によると、茶葉を空気に触れさせないように熱湯を注ぎ続ければ、3煎はいけるとのことでした。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、苦・甘/心・肺・胃

効能
熱を取ってめまいや頭痛を改善する、目の充血を取る
体に必要な水分を補い、渇きを止める
消化を促進する
むくみを取る
殺菌作用、下痢を止める

夏はにがうり(ゴーヤー)で心を癒す

2013-07-30 | 体の熱を冷ます
今日のテーマは苦いけどクセになる「にがうり(ゴーヤー)」です。漢方では苦い食べ物は心を癒すといわれています。

ここでいう心は大きくは2つの機能を持っています。全身に血を送り出すいわゆる心臓の機能と、考える・判断するといった意識や思考をつかさどる機能です。
漢方ではこの心の働きが夏に活発になるとされています。活発になり過ぎて変調を起こすと、のぼせたり、動悸がして顔色が悪くなったり、元気がない、眠れなくなるなどの症状が出ます。
これらを楽にしてくれるのが苦い食べ物、夏が旬のにがうりです。



苦み成分はモモデルシンといい、胃液の分泌を促して食欲を増進させるだけでなく、肝機能を高め、血糖値を下げるなどの効果も期待できます。
ビタミンCが豊富で加熱してもあまり減らないので、日焼け対策にもよいです。
筋肉の収縮を調整し、不足すると体の動きが悪くなるカリウムも多く含んでいます。
ほかにカルシウム、マグネシウムなども。夏バテにはうってつけの野菜です。
(同じ夏バテ防止食材の鰻と一緒に炒めたら、最強の組み合わせですね!)

薬膳の古い文献には、悪い熱を取り除き、疲れを癒し、視力を回復させるなどの効果があると書かれています。
売られているものではあまり見かけませんが、完熟するとオレンジ色になり、中から赤い果肉が現れるそうです。甘くて柿の味に似ていて、かつては水菓子代わりに食べられていたとか。
洗って乾かした種は、炒って食べると強壮効果があるんですって!
グリーンカーテンでにがうりを栽培されている方、試してみてはいかがでしょう。

体を冷やす夏の食材です。平均気温の高い地域では年中食べても大丈夫ですが、基本は夏だけにしておいた方がよさそうです。他の季節に食べると、冷えて体調を崩しやすくなったりします。
冷え体質の人は、夏でも体を温める唐辛子やねぎ・しょうがと一緒に炒めて少量を楽しんでください。

先日大きなにがうりが安く手に入ったので、暑さでボーっとしている家族のためにこんな一品を作ってみました。

簡単おうち薬膳レシピ
にがうりのカンタン白和え
熱くなった体を冷やして潤し、喉の渇きを癒します。


苦みが熱くほてった体と心を癒します。冷え体質の方はちょっとだけどうぞ。

作り方(2人分)
(1)豆腐半丁(200g)をペーパータオルに包んで電子レンジで1分半加熱する。冷めたら水けを絞り、粗くつぶす。
(2)にがうり(大きければ半分、中ぐらいなら1本)は種とワタを取ってスライスし、塩を小さじ1/2程度振ってもみ、サッと熱湯に通しザルにあげる。
(3)(1)にすりごま・めんつゆ・かつお節各大さじ2、お好みでしょうゆ少々を加え、すりこぎ棒などでだいたい滑らかになるまで混ぜる。(2)のにがうりを入れて和えたら出来上がり。


ほとんど火を使わない上に体を冷やす食材をたくさん使うので、涼しくなりたい時にぴったりです。
にがうりの苦み成分は水溶性なので、塩もみしてサッと熱湯に通すとある程度抜けます。苦みが苦手でなければ、塩もみしたにがうりを軽く洗うだけでもOKです。お湯を沸かす手間と熱さからも解放されますよ~(^ ^)
かつおのうまみが、にがうりの苦みを食べやすくしてくれます。
豆腐も体を冷やす食材で、余分な熱を取り除き、潤し、消化機能を整える働きがあります。
白胡麻は陰陽どちらにも偏らない平の食材です。乾燥を防いで便秘を改善する働きがあります。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、苦/心・脾・胃

効能
悪い熱を取り除く、口の中の渇きを癒す
肝機能を高める、眼精疲労の改善

空芯菜で腫れや出血を抑える

2013-07-29 | 体の熱を冷ます
昨日に続き変わりネタシリーズ「空芯菜」についてです。最近たまにスーパーでも見かけるようになりました。
和名は雍菜(ようさい)、中国名は空芯菜(くうしんさい・茎の中が空洞なことから)、最近は「空芯菜」と呼ぶ方が多いです。

カロテン・ビタミンCなどのビタミン類、鉄・カリウムなどのミネラル類が豊富で、特に鉄はほうれん草の倍近く含まれ、貧血予防だけでなく、夏バテの予防や疲労回復にも効果的。

性質は「寒」でとても体を冷やします。以前中華街のお姉さんに「空芯菜は夏の野菜ね」と言われたことがありましたが、まさに夏にピッタリな野菜なんですね。
漢方では、熱による出血を止めたり、熱を取って炎症や腫れを抑え、便秘を改善する働きがあるといわれています。
体を冷やすので、冷え症や下痢の場合には食べ過ぎに注意してください。

茎はシャキシャキと歯ごたえがあり味に癖がないので、炒め物やおひたしなど、色々な調理法で楽しめます。おすすめは炒め物。カロテンとビタミンCをたっぷり含むので、植物油を使って調理して栄養素をしっかり摂り込みましょう。

にんにくや香辛料を加えて塩やしょうゆでシンプルにサッと炒めて。ナンプラーやオイスターソースで味付けしても美味しいです。とにかく手早く炒めるのが美味しさの秘訣。時間が経つと色が黒っぽくなってしまうんです。

よく行く中華料理店では、夏になると「空芯菜の腐乳炒め」がメニューに登場します。
腐乳は豆腐を発酵させたもので、沖縄の「とうふよう」に似ています。香りの強いチーズのような独特の癖があります。好き嫌いは分かれるかも。私は大好きです(^ ^)
空芯菜のシャキシャキ感とこの香りの絶妙なハーモニーが、たまらなく美味しい。ビールに合うんです!

うちでも同じように作ってみたくて、腐乳を求めて中華食材のお店に行ったのですが、量が多くて買うのに躊躇してしまいました。ということで、似たような味を目指して考えたのがこれです↓

簡単おうち薬膳レシピ
空芯菜のチーズ炒め
余分な熱を取り、便秘の解消を助けます。


チーズの風味とヨーグルトのほのかな酸味が空芯菜に合います

作り方
(1)にんにくのみじん切り1/2かけと胡麻油をフライパンで熱し、5センチの長さに切った空芯菜1束を茎から入れてサッと炒めます。
(2)軽く塩をふり、粉チーズ・ヨーグルト・紹興酒を混ぜた調味液を加えて数回あおれば出来上がり!


調味液は粉チーズとヨーグルト各大さじ2、紹興酒大さじ1をあらかじめ混ぜておきます。これが腐乳代わり。
チーズは、漢方では体や皮膚を潤したり、便秘を改善する働きがあります。
紹興酒を使うと本格的な味が出せます。安いもので十分美味しいし、常備しておくと便利です☆

空芯菜は、葉にピンとした張りがあり茎の切り口がきれいなものが新鮮です。
葉の部分が特に傷みやすいので、できれば買って来たその日に食べてください。保存する場合は、しめらせたペーパータオルで切り口を巻いてぬらした新聞紙に包んで冷蔵庫へ。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
寒、甘/胃・大腸

効能
熱による出血症状(鼻血・咳血・血便など)の改善
腸を潤して便秘を解消する
喉や皮膚の腫れ・湿疹の改善、むくみを取る


暑くて眠れなそうな時は麺類を(小麦)

2013-07-26 | 体の熱を冷ます
今日は夏の定番そうめん・冷やし中華などの麺類の原料「小麦」についてです。

小麦は、漢方薬で精神不安やヒステリーの治療に使われています。甘麦大棗湯という処方です。(甘草、小麦、大棗が入っています)
小麦粉にはビタミンB1・B2・B12がたくさん含まれています。
B1は体の疲労物質の燃焼に関わり、イライラしている時や落ち込んでいる時に精神安定の役割をします。
B2は脂質の代謝作用があり、粘膜を正常に保つ働きをし、皮膚を美しくします。
B12は不足すると疲労感が強くなったり貧血になったりします。
夏にそうめんや冷やし中華などの麺類を食べたくなるのは、冷たいからだけでなく、体がビタミンB群を欲しているのかもしれません。

とはいえ、氷水にそうめんを浮かべて冷蔵庫で冷やしたつゆをつけて食べるのは冷やし過ぎ。毎日冷たいそうめん・冷麦で済ませるのはおすすめできません。やり過ぎは逆効果になります。
もしそうめんや冷麦が続くときは、薬味を多めに入れたり、野菜や肉などの具を一緒に食べてください。
うちではその時の体調に合わせて、豚しゃぶや甘辛くした焼肉・茹でた青菜・焼きなす・とろろ・温玉などを乗せて食べます。


豚しゃぶ、レタス、きゅうり、クコの実に胡麻だれ(余分な熱を取り、体に必要な潤いは与える組み合わせです)

たれはその時の気分で、普通のめんつゆ、胡麻だれ、トマトたれ、梅肉入り、お酢を加えた冷やし中華風などなど…冷え寄りの体質なので薬味をたっぷり使います。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/心・脾・腎

効能
不安・イライラ・のぼせ・不眠の改善
消化機能を整える

トマトで渇きを癒して胃を元気に

2013-07-24 | 体の熱を冷ます
今日のテーマはこれまた暑い夏に食べたい「トマト」です。

トマトにはビタミンCがたっぷり。外出の前と後にそのまま生で食べて、日焼け対策しちゃいましょう。
漢方では、口の渇きを癒して体液を増加させ、消化を促進し、胃を元気にし、体内の余分な熱を取り除くなどの効果があると考えられています。

注目の栄養成分はカロテンとリコピン。リコピンは、カロテンと同じ天然カロテノイドの一種で、活性酸素を除去してくれる抗酸化物質です。その能力はカロテンの2倍、ビタミンEの約100倍あるのだとか。とにかくすごそうです。

カロテンやリコピンは脂溶性なので、植物油を使って調理すると吸収率を高めることができます。皮に薬効が多いのでなるべく皮ごと食べるといいです。
また、加熱に強いので加熱加工した缶詰からでも取り入れることができます。

うれしい栄養たっぷりで夏に美味しいトマトですが、体を冷やします。冷蔵庫でキンキンに冷たくした「冷やしトマト」は女性にはあまりおすすめできません。
食べる場合はよく噛んで少しでも体温に近づけましょう。胃にかかる負担が軽くなり、消化促進の効果をしっかり生かせますよ。
年中手に入る野菜ですが、寒い季節は生食を避け使うなら煮込み料理に。特に冷え症の方は控えめにしてください。

ところでサラダでよく見かけるトマトときゅうりの組み合わせ。
薬膳では禁忌(悪い食べ合わせ)といわれています。栄養学的にも、きゅうりに含まれる酵素のアスコルビナーゼがトマトのビタミンCを破壊してしまうそう。でもお酢を一緒に摂ればこれは防げます。ドレッシングやマヨネーズをかければOKということで(*^-°)b

簡単おうち薬膳レシピ
トマトたれぶっかけ麺
体の余分な熱を取り、口の渇きを止め、消化機能を活性化します。



作り方
(1)トマトを皮ごとすりおろし、めんつゆ(orかつおだしと醤油)を混ぜる。
(2)オリーブオイル、レモン汁、白胡麻を少し加える。
(3)茹でた麺(素麺、ひやむぎなどお好みの麺。写真はひやむぎを使用)にかけて、彩りにシソをあしらう。


トマトには昆布と同じうまみ成分のグルタミン酸が含まれているので、昆布だしの代わりに使えます。
すりおろすと果肉のプチプチが感じられなくなります。あれが苦手という方でも美味しくいただけます(たぶん^ ^;)
薬味は体を温めるシソにしました。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
微寒、甘・酸/肝・脾・胃

効能
体に必要な水分を増やし、渇きを止める
胃の調子を整え、消化を促進する

クールダウンしてむくみも取るきゅうり

2013-07-20 | 体の熱を冷ます
はじめまして。おうち薬膳ワークショップのsoraです。
身近な食べ物の効能を毎日ご紹介しながら、パパッと簡単にできちゃうレシピも時々載せていきます。
食材の働きを知り意識的に取り入れると、体に感じる効果が倍増します。みなさんの体と心が食の力でもっと元気になれますように!

今日は「きゅうり」についてお伝えします。

成分の95%は水分で、ビタミンCやカリウムが含まれています。
カリウムには利尿作用があり、むくみやだるさの解消に効果があります。
夏はどうしても水分をたくさん摂ってしまいますので、取り過ぎた水分を上手に出すのにピッタリです。

今の季節、夏野菜が美味しく感じます。きゅうり、トマト、ナス、ゴーヤ…これらは全て体を冷やします。(「うり系はすべて体を冷やす」と覚えておくといいです。)
無意識のうちに体が冷やすものを欲しているんですね。

ただし食べ過ぎるとすごく冷えてしまいます。一日中エアコンの効いた部屋にいる人、身体が冷えていると感じる時は控えめに。
しょうがや大葉、ねぎなど体を温める薬味を一緒に摂ってください。

ハウス栽培のおかげできゅうりは年中出回っています。冬でも食べることができますが、冷え症の人にはおすすめはできません。食べる場合は少しにしておきましょう。

きゅうりにはビタミンCを壊すアスコルビナーゼという酵素が含まれています。
酸がこの働きを抑えるので、サラダや和え物には酢を使います。「サラダにドレッシングをかける」とか「きゅうりとわかめの酢の物」は、理にかなっているんですね。
また、加熱で酵素の働きを抑えることもできます。
きゅうりを加熱!?想像つかないですよね?私も中華料理店で初めて酢豚にキュウリが入ってるのを見た時は驚きました…でも食べてみると結構アリでした(^ ^)

簡単おうち薬膳レシピ
きゅうりとかぼちゃの冷や汁
体の余分な熱を取り、水分を上手に出し、消化機能を整えます。

作り方
(1)ダシの量を1.5倍、いつもより少し多めに味噌を入れて濃いめに味付けしたかぼちゃの味噌汁を作る。
(2)最後のひと煮立ちの前にスライスしたきゅうりを投入。
(3)鍋底を冷やしてあら熱を取り、1時間ほど冷蔵庫で冷やす。
(4)熱々のご飯にかけて、みょうが、大葉、しょうがなどの薬味をたっぷりかけ、胡麻をふっていただく。

暑くて何となく食欲がない、胃の調子が悪いという時におすすめの一品です。
きゅうりから水分が出るので濃いめの味付けの味噌汁を作ります。
汁は冷蔵庫で冷やしますが、熱々のご飯にかけるので混ぜると多少温度が上がり、胃への負担は軽くなります。また、たっぷりの薬味とかぼちゃで、きゅうりとの陰陽のバランスを取ります。
かぼちゃには体を温める食材で、胃腸の調子を整えて疲労を回復してくれます。かぼちゃについてはまた改めて。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
涼、甘/脾・胃・大腸

効能
体に溜まった余分な熱を取る、のどの炎症を抑える
むくみを取る
美肌効果