食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

あなたのバランスをサポートするサロンConcordia~コンコルディアのsoraがお届けする薬膳・食養生のことなど

しびれ鍋にはこのスパイス☆内側から温める花椒

2018-11-24 | 体を中から温める
この冬は「しびれ鍋」が流行っているそうですね。
今回は、この“しびれる”味を演出してくれるスパイス「花椒」がテーマです。


「かしょう」とか「ホアジャオ」と読みます。
日本の「山椒」と区別して「中国山椒」とか「四川山椒」と呼んだりします。
(日本の山椒も同じミカン科サンショウ属で、木の種類が違うそうです。)

どちらも温める力のとても強い熱性の食材です。

花椒は、薬膳では体を内側(脾胃)から温めて寒さを取り除く、経絡を温めて痛みを止める、湿を乾燥させて痛みを止めるといった働きがあるとされています。
殺虫の働きもあります。

冷えからくる胃痛・腹痛、関節や筋肉の冷えや痺れ、手足の冷え、生理痛などに用いられます。

しびれる味は中国語では「マー」といいます。
そう、あの麻婆豆腐の「麻」です!
ビリビリくる感じがクセになるんですよね~(*´艸`)

使い方は粉末になっているものを利用するのが一番便利です。
写真のようなホールタイプのものは、鍋のスープや煮物にそのまま加えたり、熱した油をジュッとかけて香味油にするのもおススメです。すごくいい香りがします。
ピクルスを作る時にお酢に加えるのもいいですね♪

日本の山椒で作ったちりめん山椒も大好きです(๑´ڡ`๑)
生の山椒の実は、塩ゆでして瓶詰めにしておくと、冷蔵で1年ぐらい保存がききます。
魚の煮つけの臭み消しにも使えるし、ぬか床に入れてもいいですよ~。

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
花椒(かしょう、ホアジャオ)
性味/帰経
熱、辛/肺・腎・脾・胃

効能
体を脾胃から温めて寒さを取り除く
経絡を温め痛みを止める
湿を乾燥させて痺れを取り除く
殺虫


生理をいたわる黒砂糖

2016-07-16 | 体を中から温める
蒸し暑い日が続いてますね(^ ^;)

冷たい飲み物を摂る回数は増えるし、エアコンにあたる時間も長くなるし、夏野菜は美味しくてお手頃だからたくさん食べるし…
知らないうちに体の中に冷えは溜まっています。

女性は冷えが溜まると生理に影響が出やすくなります。

経血が赤黒い色で粘りがあるように見える、固まりが出る、いつもより生理痛がキツい
それは冷えから「お血」状態になっているサイン。

「お血」の「お」は、「やまいだれ」の中に「於」を書きます。
血の固まりや鬱血(うっけつ)のことで、何らかの理由で血流が悪くなり、血が濃くなって、体のどこかに詰まってしまった状態が「お血」です。

打ち身ができやすく治るのに時間がかかるのも「お血」です。

そんな時におススメなのが「黒砂糖」。

漢方では子宮をきれいにしてくれるといわれていて、血流を良くしてこの「お血」を取り除き、痛みの症状を改善する働きがあります。
生理の始まる1週間ぐらい前から、意識して摂っていただくのがおススメです。
不正出血がある時にも摂り入れてみてください。

また、胃腸を温めて虚弱を補う働きもあるので、かぜの治りかけや産後などの体力回復期にもどうぞ。


写真は先日おみやげでいただいた沖縄の黒糖です。
ごちそうさまでした(*´艸`)

コクがあって滋味あふれる味にホッとします(^ー^)
自然の甘みには、痛みを和らげる働きもありますからね。

個包装になっていて食べやすい♪
小腹が空いた時に口の中でゆっくり溶かしながら食べると、結構な満足感。
これはダイエット中のおやつにもいいかもしれません☆

黒砂糖にはカリウム・カルシウム・リン・鉄・マグネシウム・亜鉛などが多く含まれています。
汗でミネラル分が失われやすい夏にもピッタリということで!

黒砂糖については以前の記事も参考になさってください。

縁の下の力持ち的な
今日のテーマはレシピに何度か登場している「黒砂糖」です。アルカリ性食品で、ほかの砂糖よりビタミンや、カリウム・カルシウム・リン・鉄・マグネシウム・亜鉛...

今が旬のきゅうり、なす、ズッキーニ、トマトは体を冷やす野菜です。
冷えが気になる方、冷えやすい方は、スパイスを使って料理したり、薬味をたっぷり添えて食べてください。

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



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漢方・薬膳との出逢い

お腹ポカポカ消化力回復

2015-02-24 | 体を中から温める
胃の調子がイマイチ、消化力が落ちてるな~と感じた時は、お粥を作ります。
つい食べ過ぎてしまった翌日に、調整のための食事としても、お粥にはお世話になってます。

今回は、党参(とうじん)と乾姜(かんきょう)モドキを入れてみました。
なぜモドキなのかは後ほど(・∀・)

党参」は先月、鶏と韮のスープご飯でちょこっとご紹介させていただきました。
体力・気力をアップする働きがあります。

人参(高麗人参、吉林人参、オタネニンジン)ほどパワーは強くないですが、似たような働きがあり、お値段も人参に比べてリーズナブルで、使いやすい薬膳食材です。

見た目は細~いゴボウのようで、味は苦くありません。むしろ甘いです。
なので、人参は苦くて嫌!という方も、党参なら食べられるかも…!?
(もちろん無理して食べないでくださいね。)

乾姜」、こちらが今日のテーマ食材です。
文字から想像していただけるでしょうか?「生姜」を蒸して乾燥させたものです。
生姜」と「乾姜」の違いをざっくりと説明しますと…

生姜:体を温めて発汗させることで、冷えやかぜの初期症状を発散させるイメージ。

乾姜:体をお腹の中から温めて、冷えから来る痛みを取ったり、胃腸の調子をよくするイメージ。

です。
近いんだけど、乾姜は発散の力が弱く、中から温める力は強くなる―という感じです。

また、生姜が「」の性質なのに対し、乾姜はもっとパワフルに体を温める「」の性質です。
帰経も微妙に異なります。

そんなわけで、お腹が冷えて痛い、冷えから来る消化不良や食欲不振・下痢・吐き気、手足の冷え、寒くて咳が出る、生理痛などの時に、乾姜を摂り入れてみてください。

とはいえスーパーで簡単に手に入るものでもなく。
蒸して電子レンジで乾燥させて…というような作り方を以前TVで見ましたが、結構めんどくさい(´・ω・`)

そんなあなたに朗報です。
簡単に作れます。いや、知らないうちに簡単にできてます。

冷蔵庫の中で、使い忘れてカパカパに乾いてしまった生姜のかけら、ありませんか?
あれが乾姜モドキになるんですね~(^_-)☆


このお粥、そのまさにカパカパになっていた乾姜モドキを使いました。
湯気でかなり曇ってますが、右上の丸っこい固まりが乾姜モドキ、棒状に見えるのは党参です。

ちなみに本物の乾姜は、高熱で喉が痛い人、妊婦さんには禁忌ですのでおすすめできません。

お粥って素敵です。
食べた後、胃が重くならずに軽やかになるところが好きです♪
一気に調子がよくなった気がして、またたくさん食べてしまう…(^_^;)

あ、乾姜モドキはカビてしまったものは使わないでくださいね!

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
熱、辛/心・肺・脾・胃・腎

効能
体を脾胃から温めて寒さを取り除く
陽気を回復させ血脈の通りをよくする
肺を温めて痰を取り除く
経絡を温めて痛みを止める



↓3月のワークショップ↓
『春の食養生と薬膳講座』
『はじめての食養生~体と食べ物の陰陽~』
『東洋医学と薬膳の基本がわかるコース(全4回)』
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手足やお腹が冷える方に

2014-12-08 | 体を中から温める
いろいろ忙しくしてたら、あっという間に前回から日にちが経ってしまい…(´・ω・`)反省。
久々の今回は、冷え症の方にぜひ摂り入れていただきたい食材をご紹介します!


ハーブの「フェンネルシード」、薬膳では「小茴香(しょうういきょう)」と呼んでいます。
ちなみに「大茴香(だいういきょう)」もありまして、これは以前ご紹介した「八角」「スターアニス」のことです。

小茴香は、魚料理に使われる糸のように細い葉「フェンネル」の種です。
独特の香りとかすかな甘みがあります。

体を中から温める食材です。
を温め寒さを取り除く、気の流れをよくして痛みを止める働きがあります。
お腹・腰・手足の冷えや痛みがある時、生理不順や生理痛の時にも、摂り入れてみてください。

葉と同じように魚料理の臭み消しやスープに、また、ザワークラウトやピクルス、クッキーやパンに入れても美味しいです。
意外かもしれませんがご飯にも合います。炊き込みご飯やお粥に入れてもイケますよ~(*´艸`)

健胃のハーブとして用いられますが、薬膳的にも同じ働きがあると考えられています。
食欲がない、冷えから起こる嘔吐がある時に、お粥に入れるのもいいですね☆

簡単おうち薬膳レシピ
小茴香とたらの炊き込みご飯
体を中から温め、体力を回復させます


材料(2~3人分)
小茴香1g強 生たら3切れ(皮なし) 米2合 しょうが4g 酒・塩適宜

作り方
(1)米2合はといで炊飯器で水加減し、小茴香を混ぜ、15~30分浸水する。

(2)生たらは塩と酒を振りかけておく。しょうがは皮をむいてせん切りにする。

(3)米の上にたらを乗せ、しょうがを散らして炊飯器のスイッチON!

(4)炊き上がったら、たらを取り出して骨を取り、ほぐして炊飯器に戻し、さっくり混ぜる。

骨があるので、ひと手間かかりますが(4)のように骨をよけてからご飯と混ぜた方が、食べやすいです。

たらは体力・気力アップの食材です。気と血を補う働きがあるので病後の体力回復期に。たらのことはまた別の機会にご紹介します(^_-)

淡白な味なのでいろんなおかずに合いますが、小茴香の香りとたらのうま味を活かすなら野菜カレーがおススメ!市販のルウを使わないサラサラのインドカレーによく合います☆

ただしその性質上、暑がりな人やほてりのある人は摂り過ぎないようにしてくださいね(^_-)

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/肝・脾・胃・腎

効能
腎を温め寒さを取り除く
気の流れをよくして痛みを止める
胃の調子を整えて嘔吐を止める



↓12月の開催テーマ↓
『内から温める食材で冬を乗りきる!』
『妊活中の食養生』
『はじめての食養生~体と食べ物の陰陽~』
詳しくはこちらをご覧ください。

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いい香り♪

2014-10-03 | 体を中から温める
金木犀(キンモクセイ)の花が咲きましたね!
木のあるお宅の近くを通るとフワッといい香りが♪
気持ちが華やぎます(*^ ^*)

このキンモクセイ、薬膳では「桂花(けいか・けいふぁ)」といって体を温める食材です。
花が開花する前の蕾を採って乾燥させて、お粥やお菓子、お茶などに使います。

体を中から温め、気の流れをよくして痛みを止める、痰を切り咳を止める、香りで湿を飛ばす、などの働きがあるとされています。

この桂花を白ワインに漬け込んだのが、桂花陳酒(けいふぁちんしゅ)。

味は…かなりはっきり好みが分かれそう。
香りが強いので、味付けの濃いお料理には合うと思います。
中華料理店のメニューで見かけるので、ご興味がある方は1杯飲んでみてください。

私たちが香りを楽しんでいるお花にも、意外な働きがあるということをお伝えできれば!ということでした。

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛、甘/心・脾・肝・胃

効能
体を中から温め、気の流れをよくして痛みを止める
痰を切り咳を止める
香りで湿を飛ばす



10月のワークショップ受付中
※日程は調整可能なものもあります。ご相談ください。
『秋の潤い薬膳』10/11(土)
『腎とエイジングの食養生&薬膳』10/25(土)
『便秘の食養生&薬膳』10/30(木)
詳しい内容はこちらをご覧ください。



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漢方・薬膳との出逢い

お腹の冷えに意外な食べもの

2014-07-09 | 体を中から温める
今回のテーマは「(あじ)」です。

実は、漢方では体を温める「」の性質の食べ物なんです。意外でしょ?

胃を温めて消化活動を活発にするので、お腹の冷えを感じる時、食欲がない時、また疲労がある時にも摂り入れてみてください。

今ちょうど旬ですし、エアコンや冷たい飲み物で冷えた体のバランスを取るのにもいい食べものです。

」の性質のお魚は他に
鮭、マス、イワナ、鰯、鰻、太刀魚
があります。

鮭や鰯は割とよく食べますよね。ぜひ「これで温まるのね~」と思いながら食べてください(^0^)


栄養的には、同じ青魚の鰯や鯖と比べて脂肪が少なく、タンパク質が豊富。

アミノ酸やイノシン酸が多く含まれるのでうま味たっぷり!
鯵の名前の由来は「味のよさ」ともいわれているそうですよ♪

タウリンも豊富です。これは疲労回復に繋がります。

そして青魚といえばEPAとDHA。
EPAとDHAには血中の中性脂肪を下げる働きがあり、血栓の予防効果が確認されています。

効率よく摂取するには、脂が減らないように、刺身や煮魚(煮汁ごと)で食べるほうがいいんだとか。
でも漢方的には、性質が温の魚でも刺身だと若干冷えに傾いてしまうんですよね…

そこで生姜、ねぎ、大葉といった体を温める薬味の登場☆というわけです。
これらは殺菌効果にも優れているので、一緒に食べれば一石二鳥!!

鯵のたたきに生姜、ねぎ、大葉が添えられているのは理にかなっているんですね。

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘/胃・(腎を帰経に加える文献もあり)

効能
胃を温め消化機能を整える



夏だから自分ケア♪7~8月のワークショップ
8/30(土)『腎と冷え症の食養生&薬膳』
7/26(土)『夏バテ対策の食養生&薬膳』
8/21(木)『腎とエイジングの食養生&薬膳』
7/28(月) or 8/9(土)『0ゼロからはじめる食養生~体と食べ物の陰陽~』

詳しくはこちらをご覧ください

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縁の下の力持ち的な

2013-12-20 | 体を中から温める
今日のテーマはレシピに何度か登場している「黒砂糖」です。


アルカリ性食品で、ほかの砂糖よりビタミンや、カリウム・カルシウム・リン・鉄・マグネシウム・亜鉛などのミネラル分が多く含まれています。

漢方では、胃腸を温め虚弱を補う、血流をよくして「お血」を取り除く、痛みの症状を改善する働きがあります。
子宮の中をきれいにしてくれます。

おなじみの「お血」は、血の固まりや鬱血(うっけつ)のこと。
何らかの理由で血の流れが悪くなり、血が濃くなっていき、体のどこかに詰まってしまった状態を「お血」といいます。
「お血」については【血行をよくする】食材の記事をご覧ください。

産後の体力回復や腹痛に、生理痛や生理不順に、お腹が冷えて痛んだり下痢をした時に摂り入れてみてください。
貧血気味の人は、白いお砂糖を黒砂糖に変えてもいいと思います。

生理の悩みがある人は、黒砂糖を入れたなつめの水煮を作って食べるのもいいですね(^ ^)

かぜの引きはじめにもおススメです。
しょうがと黒砂糖で作ったしょうが湯を飲んで、汗と一緒にかぜのウイルスを発散させちゃいましょう!

帰経(食材が作用する場所)に肝が入っているので、落ち込んだ気分を和ませる働きもあります。
肝はストレスと関係の深い臓器です。
寝つきが悪い時は温かい牛乳に黒砂糖を入れて飲んでみてください。

でも効果があるからといって入れ過ぎは禁物です。
甘いものを摂り過ぎるとかえって胃の調子が悪くなりますので、あくまでほどほどに。

ちなみに白砂糖と氷砂糖は、冷やす/温めるのどちらにも寄らない平の性質とされています。
(氷砂糖は体を冷やす涼としている文献もあります)
女性には体を温める黒砂糖がうれしいですね。縁の下の力持ち的な食材です☆

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘/肝・脾・胃

効能
胃腸を温め虚弱を補う
痛みの症状を改善する
血流をよくして「お血」を取り除く



1月のワークショップ受付中
体と食べ物の陰陽~はじめての薬膳~(入門編)
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しくしく痛む胃には

2013-12-17 | 体を中から温める
今日のテーマは忘年会シーズンでお疲れ気味な胃を助けてくれる、「クローブ」です。
別名「丁香(ちょうこう)」とか「丁子(ちょうじ)」といいます。


これはホールです。料理に使うには粉末が便利☆

フトモモ科の植物チョウジノキのつぼみを乾燥させたもので、強い香りが肉の臭みを消してくれるスパイスです。
チャイの香りづけに使われたり、ソースの香辛料にも入ってたりします。

中世ヨーロッパでは、このクローブをフルーツに刺したフルーツポマンダーを、魔除けや病気予防のお守りとして身に付けていたそうです。
裁判官が明晰な判断をするためにも使われてたんですって。
クローブの消臭・防虫効果で空気を浄化して、疫病から身を守ったり頭をスッキリさせていた…ということなんだとか。

漢方では、胃を温め逆流した胃の気を正常に戻す、冷えを取り除き痛みを和らげる、などの働きがあるとされています。
ふだんから胃腸があまり丈夫でなく、寒くなるとさらに調子を崩しやすくなる人におススメです。

胃の気は本来、下に向かって流れます。食べ物が消化され下に落ちていくイメージです。
ところが、食べ過ぎ飲み過ぎで胃の働きが衰えてしまうと、この気が逆流してげっぷが出たり吐き気をもよおしたりします。
胃が動かなくなると冷えて痛みが起こります。
クローブはそんな冷えから来る胃痛・腹痛や、げっぷ・吐き気・食欲不振の時に摂り入れてみてください。

また、腎を温め体を強壮にする働きもあるので性機能低下、生理痛にも用いられます。

私は、手やカイロで温めると痛みが和らぐような胃痛の時には、クローブを入れたミルクティーを飲みます。
紅茶を煎れる時に、ひとり分につき1~2個加えるだけというお手軽さ。

香りが好きな方は、焼酎のお湯割りに入れてもいいかもしれませんね♪
もちろんアルコールを摂り過ぎると胃が荒れるのでほどほどに(^ ^;)

ちなみに、お腹の中から体を温めるものなので、暑がりの人、ほてりやのぼせの症状がある人、熱っぽい人は控えてください。
刺激が強いので小さなお子さんや妊婦さんにもおススメできません。

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛・甘/脾・胃・腎

効能
胃を温め逆流した胃の気を正常に戻す
冷えを取り除き痛みを和らげる
腎を温め体を強壮にする



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冷えと疲れには韮(にら)

2013-12-04 | 体を中から温める
今日のテーマは「韮(にら)」です。

年中手に入りますが、美味しいのは11月~3月。夏の韮はちょっと硬いですよね(´・ω・`)
体を温める温の性質なので、寒い今の時期に食べるのにピッタリ!
なんといってもリーズナブルだし(^_-)


カロテン、ビタミンB2・C、カルシウム、カリウムなどを豊富に含んでいます。
強い香りのもとはアリシン(硫化アリル)。疲労物質を燃焼させるビタミンB1の吸収率を高め、糖の分解を促進します。
なのでビタミンB群の豊富な豚肉やレバーとの相性は抜群☆

ちなみにこのアリシンは、根元の白い部分に葉先の約4倍も含まれているそうです。
栄養分とシャキシャキの食感のために、捨てずに使いましょう。
そしてアリシンは揮発性なので、火を通すときはサッとで。

漢方では、体を温める、解毒、気と血の流れを正常にして出血症状を改善する、食欲増進、疲労回復などの働きがあると考えられています。

腎の働きを高め体を温めるので、手足や腰の冷え、腰痛に。冷え症さんのための食べ物です。
胃の働きを助けるので、食欲がない時にも。
「気」の強い食材なので、かぜの予防や病後の回復期にも摂り入れてみてください。

意外なのは、気と血の流れを正常にして、「お血」を解消し出血症状を改善してくれる働きがあること。

解説
お血」(「お」は、「やまいだれ」の中に「於」を書きます)は、血の固まりや鬱血(うっけつ)のことです。
何らかの理由で血の流れが悪くなり、血が濃くなっていき、体のどこかに詰まってしまった状態を「お血」といいます。
針で刺すように同じ所が痛む、色が黒っぽい、固まりがある、出血がある、などの特徴があります。


「お血」ができると、血が逆流したりその付近が破れて、吐血・鼻血・血尿などの出血症状が現れます。
打撲のあとも皮下出血なのでこの仲間です。韮は打ち身にもいいんですね~(^ ^)

最後に韮の保存法について。
足が速くてすぐにしおれて溶けて来ますよね…(´・ω・`)
水気がついていると腐りやすいので、洗ってしまったものはできるだけその日のうちに使い切りましょう。
(私はその日のうちに使い切る派ですw)

葉が折れると傷みやすいので、ラップに包んで冷蔵庫に立てて保存するのがいいんだそうです。
みじん切りにしてしょうゆと混ぜておいて、鍋物のたれに使っても美味しいですよ(^-^)

今夜は餃子を作ります☆

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/肝・胃・腎

効能
体を温める、解毒
気と血の流れを正常にして「お血」を解消する
食欲増進、疲労回復



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お腹の冷えと痛みに八角

2013-11-12 | 体を中から温める
昨日も今日もまるで12月のような寒さですね(´・ω・`)
体を中から温め滋養してくれるお惣菜を作ってみました。

簡単おうち薬膳レシピ
八角香る豚スペアリブ煮込み
体を温め滋養します。貧血気味で疲れがたまっている時にも


八角は見た目で添えましたが、このままでは食べられません。下の丸いのは龍眼肉(りゅうがんにく)

材料(だいたい2人分)
豚スペアリブ400g前後 八角(はっかく)小さめのものを1個
しょうが小さく1かけ 長ねぎ1/4本(青い部分を使用) 龍眼肉5g
調味料(紹興酒1/4カップ、みりん大さじ1、砂糖大さじ1/2、しょうゆ大さじ2弱)

作り方
(1)豚スペアリブはたっぷりの熱湯で2~3分ゆでて表面に火を通し、あくを取る。しょうがは皮をむいて薄切りに、長ねぎはたたいて軽くつぶしておく。

(2)圧力鍋に(1)の豚肉、しょうが、長ねぎを入れて水1/2カップを注ぎ、龍眼肉と調味料を加えて蓋をする。

(3)高圧で10~12分加熱し、火を止めて圧力が下がるまで自然放置する。

(4)蓋を開けて長ねぎを取り出す。気になるようであれば表面に浮いている脂をすくい取り、再び鍋を火にかけ煮汁を煮詰め、時々肉にかけながら照りをつける。

温める食材の八角しょうが長ねぎと、体を潤すスペアリブと、血を増やし疲労を回復する龍眼肉の組み合わせです。

龍眼肉がない場合は、砂糖を大さじ1にしてください。また、レーズンでも代用できます。

…と、レシピを先にご紹介してしまいましたが、今日のテーマは「八角」(はっかく)です。
スーパーのスパイス売り場や中華食材コーナーで手に入ります。


漢方では「大茴香」(だいういきょう)と呼ばれています。
インド料理に使われる「スターアニス」と同じものです。

大があるなら小があるはず。「小茴香」(しょうういきょう)は、フェンネルシードのことです。
小茴香についてはいずれまた。

味噌の中に粉末を入れると香りが出るため「茴香(ういきょう)」と呼ばれるようになったそうです。
強い香りがあり、好みは分かれるところですが、肉の臭みを消してくれます。
中華料理店の豚の角煮は、八角の香りがすごーくします(^ ^)

腎を温め寒気を散らす、気の巡りをよくして痛みを止める、胃の調子を整え吐き気を抑える、などの働きがあるとされています。
冷え症の人にはもちろん、冷えによる腹痛、生理痛の時、胃の調子が悪くて食欲がない時などに使ってみてください。

実は固くてそのまま食べられないので、スープや煮物の調味料として使います。
粉末にして他のスパイスと混ぜた「五香粉」(ウーシャンフェン)なら、炒め物にも使えます☆

余談ですが、八角はお寺などに植えられているシキミの実に形が似ています。(シキミの画像
こちらは有毒なので絶対に食べないでください!!!(゜Д゜;)八角はお店で買ってくださいね!

それではみなさんまたお会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/肝・脾・胃・腎

効能
腎を温め寒気を散らす
気の巡りをよくして痛みを止める
胃の調子を整え吐き気を抑える



11/14(木)八幡山のカフェで「冬を乗り切る食養生」教室開催します残席1

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老化にかかわる腎の話(症状改善コース)
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青とうがらしで食欲増進

2013-08-24 | 体を中から温める
以前から気になっていた「福耳とうがらし」を、とうとう買ってしまいました(^ ^)
今日のテーマは「青とうがらし」です。


青とうがらし 福耳

肉厚で大きくて長さ15cmぐらい。わたと種の部分の辛味が特に強いそうで、しっかり取ってから料理します。

青とうがらしは7月~9月が旬。
辛味のもとのカプサイシンには、胃液の分泌を促して消化吸収を助け食欲を増進させる効果や、血行をよくして体を温める効果があります。
エネルギー代謝を促進するので、体脂肪が分解されダイエット効果も期待できます。

油と一緒に調理すると、豊富なカロテンの吸収率がアップします。
また、青とうがらしのような生のものにはビタミンCがたっぷりなので日焼け対策も☆
ビタミンCが損失しないように油でサッと炒めて食べたいですね!

漢方では、胃腸の冷えを改善して寒気を散らす、胃の働きをよくして食欲を促進する作用があるといわれています。
先日取り上げたししとう同様、夏でも体が冷えていると感じる時に摂るといい食材です。
食欲が落ちてきたなと感じる時にもおすすすめです。

体の中を熱くする性質ですので、暑くてのぼせている場合は食べ過ぎないように、食べる時は一緒にたくさん水を飲むようにしてください。

材料があったのでちりめんじゃこ炒めにしていただきました。
万願寺とうがらしのようなほとんど辛さのない味を想像していましたが、福耳は結構辛かったです。
唇がピリピリ…でもご飯は進みました。美味しかった!胃が温かくなりました。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
熱、辛/心・脾

効能
胃腸の冷えを改善する
胃の働きをよくして食欲促進

夏でも体が冷えていると感じたらししとう

2013-08-06 | 体を中から温める
熱を冷ます食材が多くなってしまったので、今日は夏に美味しい野菜の中では、珍しく体を温める「ししとう」についてお届けします。

漢方では、胃腸の冷えを改善して寒気を散らす働きがあるといわれています。
唐辛子には消化機能を活性化し、食欲を増進させる効果があり、ししとうにもこの効果が期待できます。
夏でも一日中エアコンの効いた室内にいて、体が冷えていると感じる時に摂りたい食材です。

日焼けによるシミを防ぐビタミンCと、胃腸などの粘膜を強くしてくれるカロテンを豊富に含んでいるので、とても夏向きの野菜です。
カロテンは脂溶性のため、油を使って調理すると効率よく吸収できます。
強めの火加減でサッと加熱すれば、ビタミン類の損失も防げて美味しく食べられます。

今回はむくみと冷えが一緒に来ている時にぜひ食べてほしい一品です。
よくある食べ方なので今さら?という感じですが効果は期待できます(^_-)-☆

簡単おうち薬膳レシピ
ししとうのちりめんじゃこ炒め
胃腸を温め、水の代謝を助けてむくみを改善します


作り方
(1)ししとうはヘタを取り、包丁で縦に小さく切り込みを入れておく。破裂も防げるし味もしみやすくなる。
(2)フライパンにごま油を引いてししとうをサッと炒め、ちりめんじゃこを加えて、酒、めんつゆ少々で味つけする。

ししとうは、調理する前に竹串で穴を開けたり、包丁で切り込みを入れておくと、加熱した時に実が膨らんで破裂するのを防げます。
ちりめんじゃこには、消化機能を整えてむくみを取る効果があります。温涼どちらでもない平の性質です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、辛/心・脾

効能
胃腸の冷えを改善し、寒気を散らす