食養生365日 食材の栄養や漢方・薬膳的な効能のお話

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腎機能をアップする鱸(すずき)

2013-07-28 | 気力・体力アップ
今日はちょっと変わりネタで「鱸(すずき)」について。

レストランで出てくる高級魚のイメージがありますが、夏が旬。今の時期わりと手に入りやすいです。
出世魚で、成長とともに呼び名がコッパ(生まれたて)→セイゴ(1年後)→フッコ(2年後)→スズキ(3~4年後)と変わります。

タンパク質はもちろんのこと、ビタミンA・Dが豊富で、他にもビタミンB1・鉄分・カリウムなども含んでいます。
ビタミンAが粘膜を強くして抵抗力をつけ、風邪や胃腸病を予防し、眼精疲労を改善してくれます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎます。皮にビタミンDが多く含まれているので、ぜひ皮ごと食べてください。
B1が疲労回復し、鉄分は貧血を予防します。ただし、ビタミンCを含んでいないので、レモン汁をかけたり、夏野菜を一緒に摂ると吸収できます。

漢方では疲労回復、消化機能を整える、腎機能アップ、咳止めなどに効果があると言われています。
意外なところでは「安胎」といって妊娠中の女性の体によいそうです。

えらがピンとしていて皮がきれいなほど鮮度が高く、夏は刺身や氷水にさらしたあらいも美味しいですが、せっかくですから皮ごと食べて効果をがっつりいただいちゃいましょう。

簡単おうち薬膳レシピ
鱸の蒸し焼き香味ソースがけ
疲労を回復し、むくみを取ります。

身がホックリとやわらかくて美味しい(´∀`)

作り方
(1)しょうが・ねぎ・にんにくのみじん切りに、胡麻油・しょうゆ・酢・黒酢(ほんの少し)・黒砂糖を混ぜた香味ソースを作る。
(2)フライパンに油を引いて、中弱火で鱸を皮目から焼く。
(3)裏返して少し焼いたら臭み消しに紹興酒(日本酒でもOK)をふり、火が通ったら器に盛り、香味ソースをかける。


香味ソースのだいたいの目安(2人分)は、しょうが1かけ、ねぎ1/4本、にんにく1/2かけ、胡麻油大さじ2、しょうゆ大さじ2、酢大さじ2、黒酢小さじ2、黒砂糖(白砂糖でもOK)大さじ1です。各分量はお好みで加減してください。いろんなものに使える万能ソースです☆
生にんにくの匂いが気になる方は、先に胡麻油で炒めて火を通してからソースに入れると和らぎます。
しょうがやにんにくは、チューブのすりおろしでもOK。手軽にできる方法で作ってみてください。
鱸は温に近い平の食べ物です。ほかに体を温める食材を多く使っているので結構ポカポカになれる一品です。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温寄りの平・甘/脾・胃・肝・腎

効能
疲労回復、食欲不振の改善、腎機能を向上して足腰のだるさやむくみを取る
咳止め
むくみをとる
妊娠中毒症などの予防

エアコンで冷えた体を温める桃

2013-07-27 | 気力・体力アップ
今日は最近スーパーでもよく見かけるようになった「」です。
暑い時期に出回る果物で、そのみずみずしくジューシーな食感から体を冷やしそうなイメージですが、果物の中では数少ない「温」の食べ物です。

漢方では、疲労を回復し、口の渇きやほてりを癒す働きがあります。喉は乾いているけどエアコンで体は冷えてしまっている時期にぴったり。
また、肌を潤し、乾燥による便秘を緩和し、咳を止める効果もあるといわれています。夏かぜの終わりで空咳が出る時にも体が喜びそう。



栄養学的に見ても、整腸作用のある食物繊維や、体内の老廃物を出してくれるカリウム、疲労回復効果のあるクエン酸やリンゴ酸も含まれていて、近いものを感じます。また、カテキンも含まれているので、がんの予防や老化防止も期待できます。

桃を選ぶポイントは、香りの強さ。熟している桃は甘い香りがします。また、全体にうぶ毛があり、くぼみの周辺が青くないものが完熟だそうです。
熟していないものは、冷蔵庫にすぐ入れてしまうと甘みが出ないので、常温で追熟してください。
完熟を冷蔵庫で冷やして食べたいところですが、冷え症の方はできればそのまま召し上がってください。とはいえ、たまになら冷たくして食べてもいいと思います。
冷蔵庫には、味が落ちないように食べる2時間前に入れてください。

ちなみに食材として食べることはありませんが、種の硬い殻を取り除いた中身を「桃仁」と言います。
漢方では血の塊を取り除いて血行を良くする、乾燥性の便秘を改善する、咳や喘息を抑える効果があるとされ、いくつかの処方に使用されています。(桂枝茯苓丸、桃核承気湯、疎経活血湯、潤腸湯)

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘・酸/肺・肝・胃・大腸

効能
疲労回復、口の渇きやほてりを癒す
肌の乾燥を改善する、乾燥による便秘の緩和
咳を止める


冷えを取り胃腸を元気にするかぼちゃ

2013-07-25 | 気力・体力アップ
今日はきゅうりの回でレシピに登場した「かぼちゃ」です。
漢方では体を温め、疲労を回復し、胃腸の調子を整える働きがあるといわれています。

かぼちゃに含まれるビタミンEは、血行を促進し体を温めるので、冷え症の緩和、冷えから来る肩こりにも効果があります。
冷え症の人はもちろん、エアコンに当たり過ぎた、冷たい飲み物や食べ物を取り過ぎて冷えを感じた時に食べるとよいです。

夏バテで食欲のない時、梅雨に胃腸の調子が悪くむくんだ時にもおすすめです。消化機能を健やかにし水の代謝を促進してくれるのです。
出す力を補うので便秘も改善できます。

また、豊富に含まれているカロテンが粘膜を強くするので、胃粘膜の保護もしてくれますし、秋冬の乾燥して風邪を引きやすい時期にも食べたい、免疫力アップのために年中取り入れたい食材です。
冬至にかぼちゃを食べる習慣は、昔、冬の野菜は葉物ばかりだったので、栄養価の高いかぼちゃを貯蔵しておき、冬に食べることで風邪を予防していたんだそうです。昔の人の知恵は本当にすごい!

丸のままなら冷暗所で1~2ヵ月も保存できますが、カットしたものは早々と種の部分から傷んできます。ワタと種をくりぬいてラップすれば、冷蔵庫の野菜室で5日ほど保存可能です。

選び方は、丸のままの場合は、ヘタが枯れて渇いてまわりが窪んでいるものが完熟しています。皮に艶があって硬く、しっかりと重みのあるものがよいです。
カットしたものは、種が大きくしっかりと詰まっていて、果肉の色が鮮やかなものが美味しいです。

うちでは1/4カットを買ってきて3センチ角に切り分け、電子レンジで4~5分チン!小分けにして冷凍しておきます。
再びレンジでチンして、
ドレッシングをかければかぼちゃのサラダに
インスタントみそ汁の具に
お肉と一緒に炒め物に
カレーやシチューにプラス
コンソメスープに入れて煮溶かし、牛乳を加えてかぼちゃスープに

小分けにするまでは面倒ですが、作ってさえおけば、時間がない時や疲れてできるだけ手間を省きたい時に重宝しますよ~(^_-)-☆
きゅうりの回でご紹介した「きゅうりとかぼちゃの冷や汁」は、この冷凍かぼちゃを使った一品でした。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
温、甘/脾・胃

効能
疲労を回復する、消化機能を整える、便秘や胃痛を改善する

夏バテを防いで足腰を強くする鰻

2013-07-23 | 気力・体力アップ
今日は一日遅れですが(^ ^;)「」の話題を。
今年は7/22が一の丑、8/3が二の丑です。昨日食べなかったという方は8/3にぜひ!

鰻は『万葉集』の時代から滋養強壮剤として知られ、胃腸の働きを活発にし、体力・気力を増して疲れを取る働きがあるとされています。

漢方では体を温め、血の巡りをよくし、足腰を強くし、疲労を回復するなどの効果があると考えられています。
夏に冷たいものを摂り過ぎて弱った胃腸を労わるのに最適。
体を温めることで血の巡りがよくなり、古い血が取り除かれるので、腰の痛み・神経痛・リウマチにもよいとされています。

とにかく栄養素が豊富です。
タンパク質はもちろんですが、特に多いビタミンAは、粘膜を強くして風邪や胃腸病を予防し、目の状態をよくしてくれます。
ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2が細胞の成長に関係し、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けて骨粗鬆症を防ぎます。
ビタミンEは血行をよくし、高い抗酸化作用で血管の老化を防ぎます。
他にもカルシウム・鉄分と、これでもかというほど体に必要な栄養素が含まれています。

土用丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代に平賀源内が鰻屋のために「本日土用丑の日」というキャッチコピーを考えて店先に張り出し、「鰻を食べれば長寿、延命になる」と宣伝、大繁盛したことから始まったという説があります。

天然の鰻は本来産卵を控えた秋から初冬がもっとも美味しいそうですが、夏バテで体調を崩しやすい土用の丑に鰻を食べるのは、この栄養と効果を考えたら理にかなっていると思います。

ところでこの「土用」について。
丑の日の鰻のイメージが強いので土用といえば夏というのが定着していますが、1年に4回あります。
立春・立夏・立秋・立冬の前の18~19日間が「土用」にあたり、土の気が盛んになり土を動かすと障りがあるとされています。

土の気?動かすと障り?…なんじゃらほいって感じですよね(´・ω・`)
季節の変わり目で、体調を崩しやすいので慎重に
ぐらいのイメージで捉えていてくだされば十分です。
土の気の説明には「陰陽五行学」の理論について長~く語る必要があります。それはいつかまた別の機会に。

簡単おうち薬膳レシピ
鰻のまぜご飯とろろがけ
弱った胃の消化を助け、疲労を回復します。
稚魚の価格高騰でますます高価になってしまった鰻ですが、混ぜご飯にすれば少量で美味しくいただけます。

作り方
(1)温かいご飯に、白胡麻と、ありあわせの漬物を刻んで混ぜ器に盛る。
(2)おろした長芋にめんつゆを少し混ぜたものをかける。
(3)彩りにかいわれ菜かスプラウトを少しあしらい、お好みでわさびを添えて。

長芋も鰻と同じスタミナ食材。晩秋から冬が旬ですが年中手に入ります。
薬膳的には滋養強壮、疲労回復、消化を助ける、咳を止めるなどの効果があると考えられています。詳しくはまた改めて。

それではみなさんまた明日お会いしましょう(^-^)ノシ



【薬膳的分析】
性味/帰経
甘、温/肝・脾・腎

効能
疲労回復、咳止め
足腰を強くする、腰痛を楽にする
血の巡りを良くする、神経痛・リウマチなどの痛みの改善