昨今の漢字を用いずに平仮名で表記する風潮は、非常に不可解だ。
漢字には漢字の大切な役割がある。
特に固有名詞には、漢字だからこそ分かる名称の由来、漢字の中に生きる歴史があるというものだ。
アルファベットと同じく、平仮名は表音文字で、文字そのものには何の意味もないのだが、
漢字は表意文字であるから、一つ一つの文字にそれぞれ固有の意味が存在している。
人名の漢字には、その人物の印象がマークとして宿っている。
例えば、川多と河田、坂本と阪元、和男と一雄、勇二と祐司は全く異なるのだ。
また、名前には、親の願いや想いが込められている。
それは、多くの場合、音ではなく、漢字に込められていると思う。
そして、大切につけられた漢字は個性の一部となる。
自治体名や地名での平仮名奨励のムードは、先人をないがしろにするものだとも言える。
選挙の際の候補者のポスターでは難解な漢字だけでなく、平易な漢字も平仮名にしているものが非常に目立つ。
ルビを振るならともかく、元の漢字を記載せずに平仮名だけというケースが多い。
小学生が投票するんじゃないねんから…
少子化とともに、各地で高校の統廃合が進んでいるが、新設の校名に平仮名がすごく多い。
これは大反対だ。アホっぽく思えてしかたがない。
市町村合併の際にも、親しみやすさか何だか知らないが、あちらこちらで平仮名で新名称が誕生している。
ほんとうに「どんどん」というペースだから恐ろしい。
例えば、日本初のひらがな市名をつけた『青森県むつ市』。
青森の下北半島の先端部中央付近にある市で、北は太平洋、南はホタテの養殖で有名な陸奥湾に面している。
漢字の【陸奥】だと、本州最北端の陸続きの一番遠いところなんだなというイメージが簡単に想像できるが、
平仮名の【むつ】だと、おむつしか連想しない。
“こゆうのぶんかをけいしょうし、いくせいしていくというはっそうはうしなわれていくのだろうか?”
近年、欧米で漢字ブームが起こっているというのも皮肉なことだ…。
「ブリットニー・スピアーズ」も漢字のタトゥーをお尻の近くに入れているそうだ。
彼女は「mysterious」という意味だと信じ込んで、ある漢字一字を彫ったらしいのだが、
後にその漢字の意味は「strange」だと判明して怒り狂ったそうだ。
なんて漢字だかわかりますか?
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「奇」 なんだって。
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