前回の「国語」の力についての続きであるが、
語彙(ボキャブラリー)をいかに豊富に蓄積していくかも大きな問題だ。
そもそも、言葉の知識が乏しければ、
国語の問題に解答するときに、
いくら気持ちを込めても、いい表現にはならない。
やはり、TPOに応じて、言葉を上手に使い分ける術を身に付けてもらいたいものだ。
(TPOとは Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとって、「時と場所、場合にあった方法」というような意味である。因みに、この概念の発案者は「VAN」ブランドの創始者である石津謙介によるものだと言われている。)
例えば、『不快』という気持ちを表す表現を考えてみると、
「腹立たしい」、「悔しい」、「悲しい」、「いらいら」、「不安」、「羨ましい」、「妬ましい」、「寂しい」
などなど…。
たくさんある。
しかし、それをひっくるめた意味で、
ただ「ムカつく」という言葉だけで済ませてしまう…、
そんな表現の乏しい子供たちを見ると、とても切なくなる。
同様に、最近は減少傾向にあるが、「フツー」という言葉。
確かに、子供の側からすれば、「ムカつく」「フツー」というような、
言わば万能言葉は、多種多様なシチュエーションで利用でき、
言葉を選ぶ努力をしないで会話ができるのだから、
とにかく「楽」である。
しかし、普段から万能言葉を多用する子供は、必然的に、
言葉を選ぶ訓練をしないし、語彙も増えないので、
ほぼ確実に国語に苦手意識をもってしまう。
まさに悪循環だ。
このような意味では、家庭においての最も大切な教育は
豊富な会話のキャッチボールの中で、
言葉の知識に幅と厚みを持たせることに尽きると思う。
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