勝手に思うままに 榊原秀光のブログ

日頃 思っていることや感じたことを思うままに書きます。

勝手に思うままに 43

2010-02-05 08:26:38 | 平和
 限りあれば 吹かねど花は 散るものを 心短き 春の山風
(風など吹かなくても、花の一生には限りがあるので、いつかは散ってしまう
のです。それを春の山風は何故こんなに短気に花を散らしてしまうのですか)
武将 蒲生氏郷の辞世の句です。氏郷は人材育成の名人として多くの逸話が残
っています。

勝手に思うままに43 蒲生風呂

 氏郷は蒲生家に仕えることになった家来によくこんな言葉を掛けたといいます。
「戦場では、銀の鯰尾兜をかぶった者を見つけ、その者を見習って働け」 
いざ戦場に出てみると、鯰尾兜をかぶり奮闘しているのは、他でもない氏郷本人。
これを見れば、どんな家来も発奮せずにはおれなかったでしょう。

 またある時には、戦功のあった家臣に「恩賞を与えたいのだが、あいにく金
も所領もない。しかし、せめて労をねぎらいたいから、我が屋敷に来てくれ」
と声を掛けます。屋敷では主君自らが出迎え、「風呂でゆっくり疲れを癒せ」
ともてなします。促されるままに湯船に浸かっていると「どうじゃ湯加減は?
ぬるくはないか」という声がする。はて、聞き覚えのある声だが・・・
と不思議に思い、外を覗くと、なんと氏郷自らが釜焚きをしてくれているでは
ないか。家臣は感動に打ち震え、主君への忠誠を誓ったといいます。
以後、蒲生家ではこれを「蒲生風呂」と呼び、家臣にとってこの上ない恩賞と
なったそうです。 
部下を大切に思う心、人に感動をあたえ、いかにやる気を引き出すか、今も昔
も変わらないものがあるものですね。