【イスラム国】ヨルダンのパイロットの焼殺動画について。- 2015.02.04
■朝日の記事より。
映画級CG、シナリオも用意か 「イスラム国」映像戦略:朝日新聞デジタル
>3日公表されたヨルダン軍パイロットを殺害したとする映像は、音響やコンピューター・グラフィックス(CG)、多様なカメラアングルなどで凝った作りが目立つ。「イスラム国」は、戦闘や人質の殺害だけでなく、映像や機関誌などの「メディア戦略」も活動の要とする。
英メディアでは、今回公開された映像を「ハリウッド映画のように巧妙に演出・編集」と評する声もある。映像の前半部分は、編集されたニュース映像とカサースベ中尉のインタビューで構成。戦闘機が撃墜され飛び散った破片がアラビア文字に変わっていくシーンなども登場する。
イスラム国のヨルダンパイロットの焼殺動画が怖くて見れなかったのですが、その「ハリウッド映画のような」と形容されるものはやはり一度見てよく分析しておく必要があるだろう思って、意を決して見る事にしました。
実際見てみると、「焼殺」の部分は最後のほうのごくわずか。それでも十分すぎるくらい残虐なので苦手な人は見ないほうがいいと思います。
しかし、その映像の完成度の高さは無視できないものがあると思います。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ではありませんが、イスラム国が何を伝えようとしてこのような凝った映像を作ったのか?
それをよく知っておく必要があるのではないでしょうか。
■イスラム国のメッセージは「空爆をやめろ」という事。
映像は全部で22分あるのですが、やはりCGを駆使したりとかなり映画やドラマを意識したものです。
なぜCGを駆使しているのかといえば、それはアメリカやヨルダンがどうやって空爆をしたかをわかりやすく見せたいからだと思います。
■映像の構成。
映像の構成としては、
①ヨルダンパイロットの一人語り
②空爆による被害を訴えるシーン。
③ヨルダンのパイロット「焼殺」シーン。
④その他空爆をした兵士の手配書(?)が次々と出てくるシーン。
(おそらく「見つけたら殺せ」という事なんだと思います。)
という感じでしょうか。
アラビア語で話しているので何を話しているかはわからないのですが、CGと空撮の地図を見せることによってここを空爆したというのはわかりますし、空爆をやめてほしいのだなというメッセージが伝わってくるものになっています。
空爆の炎のCGと、実際に被害にあった子どもの映像を繰り返し見せる部分が出てくるのですが、それは「空爆をやめろ」というメッセージなのでしょう。
だから、「空爆したヨルダンのパイロットを焼殺してもいいのだ」という理由というか説得力を持たすためにこのような空爆被害の映像を事前に置いてるわけですね。
その他、細かいカット割り、人質のヨルダンパイロットに多くを語らせる、兵士の並ばせ方のアングルなど、従来の残酷な処刑動画とはかなり違った印象を受けます。
■報道だけではわからない中身。
マスコミ報道だけではなぜイスラム国が「焼殺」という残虐な処刑をしたのかわかりませんし、なぜ「映画並み、CG多用」なのかというがわからないと思います。
おそらく、イスラム国は今回の動画よりさらに凝ったものを出してくると思います。
それによって、さらにイスラム国に志願する人間が増えるかもしれないとゾッとしますね・・・。
■なぜこの手法なのか?
映画級CG、シナリオも用意か 「イスラム国」映像戦略 - 朝日新聞 http://t.asahi.com/h6qk この記事だけではなぜ「映画級CG」なのかがわからない。「空爆をやめろ」という強いメッセージ性と、パイロットを焼殺する正当性を主張するためにこの手法を使ったと思われる。
■侮ると危険。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ではありませんが、イスラム国のヨルダンパイロットの動画はよほど苦手でない人以外は目を通しておいて置いたほうがいいかもしれません。それくらい今後いろんな国やテロリストに影響を与えるであろう重要なプロパガンダ映像だと思いました。侮ると危険です。
■映像の最後の部分の詳細。
東京新聞:空爆への報復強調 「イスラム国」ヨルダン参加非難:国際(TOKYO Web)
>映像はコンピューターグラフィックス(CG)など高度な編集技術が駆使され、敵対心をあおる演出が随所に見られる。映像の後半では、中尉と同じく空爆に参加するヨルダン軍パイロットらの名前や顔写真、住所が公開され、殺害すれば懸賞金を出すとするメッセージも現れた。
(twicas)イスラム国と安倍政権の話とか。- 2015.02.02
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(Podcast)ぽぽんぷぐにゃんラジオ 2015年2月4日(水)
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