鬼龍光一シリーズ。「警視庁本部が患っているということですか?」庁内で刑事が記者を殴る、更衣室で性行為を行うなどの非違行為が発生。事態の悪化をおそれた警視庁生活安全部少年事件課の巡査部長・富野輝彦は旧知のお祓い師・鬼龍光一を呼び出す。その結果常時ではあり得ない不祥事の原因は、警視庁を守る結界が破られており、このままでは警察組織は崩壊するという。一方、富野は小松川署で傷害事件を起こした少年の送検に立ち会い、半グレ集団による少女売春の情報をつかむ。一見無関係なふたつの出来事は、やがて奇妙に絡み合うことに。トミ氏の血を受け継いでいる警察官の富野が、不思議な事件を解決する展開。黒の鬼龍と白の阿部孝影と、性交で霊力を得る亜紀と陰陽道の宗家と、霊力に定評のあるメンバーで警察の破られた結界の謎を解く。警察小説と伝奇ミステリーが融合した物語。伝奇小説は読者の好みが別れると思うがまぁよくわからない分ご都合主義と説明不足が目立つ。いろんなことが書ける著者に感心です。
2023年6月角川書店刊
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