読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野敏著「遠火 警視庁強行犯係・樋口顕」

2024-04-19 | 今野敏
事件解決愚直に走る平凡な男が輝く、警察小説シリーズ。現代日本の歪みを照らし出す社会派ミステリー。東京・奥多摩の山中で全裸の他殺体が発見された。警視庁捜査一課の樋口班は現場に急行。調べを進めていくと、殺されたのは渋谷署の係員が職質をしたことがある女子高生で、売春の噂があったことが判明する。樋口顕は被害者の友人である美人女子高生成島喜香に呼び出されて戸外で面会。すると、その様子を撮影した何者かによってインターネット上に写真を流され、同僚やマスコミから、あらぬ疑いをかけられてしまう。名刑事が陥った最大の危機。罠を仕掛けたのは女子高生なのか、秀でた能力があるわけではなく、他人を立てることを優先し、家族も大切にしながら、数々の難事件を解決してきた樋口。どうやって事件の真相に辿り着くのか。女性の貧困、性の商品化、SNSの悪意、親子関係の変質・・・。樋口の姿勢、自己の心に正直に向かい合って生きることのむずかしさと大切さがよくわかり、一気読み出来た。
2023年8月幻冬舎刊



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