読書備忘録

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堂場瞬一著「宴の前」

2019-07-15 | 堂場瞬一

現職知事の後継者が、選挙告示前に急死。後継候補を巡る争いに、突然名乗りを上げたオリンピックメダリスト、地元フィクサーや現職知事のスキャンダルを追う地元「民報」記者の思惑が交錯する。これまで四期連続当選してきた現職県知事・安川美智夫(76)は、今期限りでの引退を決める。後任については副知事の白井に任せるということで内々に話がまとまっていた。しかし、選挙告示の2ヶ月前に白井が急死し、次期知事候補は白紙に戻る。一方その頃、地元出身でオリンピックメダリストの中司涼子(42)が、突如知事選への出馬を表明、公約に「冬季オリンピックの招致」を掲げ、一気に有力候補に躍り出る。混沌とした様相はさらに加速し、与党、現職知事、地方紙が候補者選びを行うが二転三転することに。

隠された利権、過度な忖度、県民性の謎。圧倒的な権力を持つ「地方の王様」を決める熾烈な争いの内幕を描いた選挙小説で宴前=選挙前のドタバタ内幕劇は面白かった。政治家の言う「現段階では・・・」はよく聞く言葉で当てにならないことが良く分かった。選挙には必ずよく考えて投票する必要性を感じた。

20189月集英社刊


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