朝鮮戦争下での原爆投下を阻止するべしと活躍する男とマッカーサー解任をめぐるトルーマン大統領との争いを題材にした航空冒険歴史小説。朝鮮半島を広島長崎に次ぐ第三の被爆地にしてはならない。昭和二十年、日本は連合国に敗戦を喫し、飛行機の操縦、航行、製造など、航空機に関するあらゆることを禁止されていた。五年後、旧日本軍でも卓越したパイロットだった堀江功は米軍関係者と思しき人物に声をかけられ、高給を条件に、GHQにも極秘の飛行訓練を開始する。その頃、朝鮮半島では朝鮮戦争が勃発し、北朝鮮の背後に中国人民解放軍やソ連軍の影がちらつき始めた。一方、マッカーサーの独断に怒り狂うアメリカ大統領のトルーマンは、彼の解任を考え、さらに共産主義の拡大を防ぐため、原爆による決着をつけようと動き出す。やがて、計画を知った堀江たちは、原爆の投下を阻止しようと決死の作戦に挑むが・・・・。マッカーサー解任劇は興味深かった。原爆投下阻止のアクションシーンは如何に砂嵐の中でもそんなことがとご都合主義の多い点が気になりましたが、フィクションとノンフィクションなのか不明。ロシアのウクライナ侵攻の問題が起きている今、核兵器の使用の安易さが話題に上る今こそ読んで考えさせられた。
2023年6月祥伝社刊
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