長年勤めた夕刊紙の新聞社をリストラによる早期退職し、同僚二人と共にネットメディアの会社「オールドタイムス」を立ち上げた“不動のエース”元夕刊紙記者・不動優作。だが不慣れなネット環境と人材不足から、発足早々サイト運営は行き詰まる。しびれを切らした出資者兼若手IT社長庵野龍二から、「週に一本でいい、一週間バズり続けるスクープを取れ」と命じられてしまう。ネットの素人集団がイチかバチかで挑む、起死回生の一手は「フェイクニュース」を暴いてウェブで流す企画。新聞やテレビ、大手マスコミが語らない真実。「耳当たりのいい言葉にこそ眉に唾つけて考えよう」、出来たばかりのネットメディアだから、忖度なしだと取材を始める。他業界から転職してきた社員たちと、取材などの仕事を通じて、段々とチームワークが強固になっていく過程はさわやか。社員の人間模様も面白い。しかし後半思わぬドン伝返しが・・・。ネットニュースに追いやられて益々苦境に立つ新聞社の現状、取材には金がかかるのはあたり前のこととは解っているつもりだったが取材陣の苦労を思い新聞をしっかり読もうと思った。
2020年7月講談社刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます