主人公は吉沢香澄33歳。長く勤めていた会計事務所の退職と他への転職が決まりその合間の休みをどうしようかと思っていた矢先、小学生のころ一度だけ会話をしたことがある
母静江の従姪の死刑囚三原響子の遺骨と遺品を東京拘置所に貰い受けに行くところから始まる。幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉・・・「約束は守ったよ、褒めて」響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を
三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく・・・
2006年の秋田児童連続殺害事件をモデルに書かれた話らしい。「響子が犯人であることは事実だ。だが、事実と真実は違う。・・・なかにこそ響子が起こした事件の真実がある」(P301)祖母と母と娘の負の連鎖、小作人と地主の関係が続くような親戚関係田舎の窮屈さ、男達の無責任さに無性に腹が立った読後感でした。だが何故そんな田舎に帰りたかったのかが理解できなかった。
2022年11月小学館刊
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