読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

天童荒太著「あふれた愛」

2008-08-24 | た行
出産後の不安定な子育て時期の妻と夫のすれ違いを描いた「とりあえずの愛」
精神を病んだ少女と中年の男の恋愛を描いた「うつろな恋人」
パニック障害の患者同士の結婚を描いた「やすらぎの香り」
他「喪われゆく君に」の4編の短編が収められている。
現代社会のなかで疲れて心や身体が病んだ人々の愛と孤独の様子が描かれて傷つき病みながらも懸命に前向きに生きようとする人々、かけがえのない大切な人を失いながらも、なお、人に思いやりをわすれないひとびと、深く傷ついたがゆえに人に病に寄り添おうと努めている人々に温かい作者の目が・・・
生きることの苦しみその重さと貴さ、今此処にいられることの「幸い」。
『家族や友人、亡くなった人をふくめ身近な人々の存在とつねに静かに見守ってくれている自然の存在によって自分が生かされている』(作者あとがきより)
2000年   集英社刊

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