読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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有川ひろ 著「イマジン?」

2021-03-23 | 有川浩
「浩」から「ひろ」に改名した著者のお仕事小説。先輩佐々から誘われ、子供のころから憧れていた映像関係「殿浦イマジン」という会社のバイトについた、通称イーくんこと良井良介(27歳)。社長の殿浦、プロデューサーの亘理、助監の幸、経理の今川らとTVドラマや映画を作り上げて行く中で成長していく。やがて子供の頃の夢がゴールではなくてスタートと思い至る。各5章、それぞれが作品制作の話となっていて、様々なタイプの監督やスタッフ、役者たち、ロケ地探しや悪天候、人間関係で困難の連続。それを乗り越えていく主人公と仲間たちの熱血さが胸を打つ、楽しめた一冊でした。
「嫌な目付きをしている者を見たら嫌なイメージしか結べない。例えば、何か嫌なことが起こりそうな。こういうときこそイマジンだ。いいイメージを結べ。嫌なイメージに取り込まれるな。イマジンがあるかどうか。」(P160)
想像以上の多くの人が関わって一つの作品を作る。濃密な時間と人間関係。映像関係の裏側を少しのぞけた気分の読後感。
2020年1月幻冬舎刊

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